水上歩行器で池を渡る「水蜘蛛の術」のコース。衣服をぬらさずに、いかに早くコースを移動できるかがポイント。

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忍者の里」としておなじみの三重県伊賀市滋賀県甲賀市の市長同士が手裏剣で対決しちゃったり、イベントでは甲賀発の忍者のゆるキャラ「にんじゃえもん」が活躍。伊賀、甲賀両市でそれぞれ「忍者検定」が行われるなど近年は何かと忍者ネタが熱い。

そんな中、手裏剣投げや水上走りなど忍者としてのスキルを競う「全日本忍者選手権大会」なる大会が行われるとの噂を聞いた。
実はこの大会、今年でなんと30回目を迎える歴史ある大会。主催の「忍術村」は、広い敷地内に忍者関連資料の充実度では世界No.1を誇る忍術博物館や、からくり忍者屋敷などを擁する施設だ。代表の北澤さんに大会の見どころなどについて聞いてみた。

――忍者選手権はどんなきっかけでスタートされたんでしょうか?
「開園の1周年を記念して1983年に行ったのがはじまりだったんですが、園のイベントの一環として定着しましたね。年によって参加人数はまちまちですが、定員が100名なのでのべ3000人前後の方に参加していただいている計算になります。ギャラリーの方はもっと多くて、毎年コースの沿道はお客さんでごった返していますよ」

――リピーターで参加される方が多いんでしょうか?
「今年はそれほどでもないんですが、例年全体の3分の1くらいはリピーターの方ですね。実は募集開始日は公表していなくて、タイミングを見てパッと出しているんですよ。それでも2週間くらいでいつも定員になってしまいます。今年もかなり早くワクが埋まってしまいまして……」

――なるほど。ちなみに募集要項には「全国各流派の現役忍者もしくは忍者の末裔、そして忍者に憧れている人(自称忍者)」と書かれていましたが……?
「広く言えば誰でもOKってことなんですけどね(笑)。年齢制限は高校生以上とさせていただいていますが、上限も性別の制限もなく、どなたでも参加していただけるようになっています。過去最高で80代の方が参加されたケースもありますし。消防士や自衛隊の方だったりもいらっしゃいますが特別に体力自慢の方ばかりが参加されているわけでもなく、純粋に忍者が好きな方や当日たまたま忍術村に遊びに来ていた女性のお客さまが飛び込みで参加したこともありましたし、本当にまちまち。どなたでも一通り、全種目には参加していただけるようになっています」

――STAGE1が「手裏剣の術」でSTAGE2が「塀飛びの術」……と全部で5つのステージがあるそうですが、ステージが進むにつれ難易度がアップするんですが?
「それがそうでもないんです。ひとつひとつの種目で忍者的なスキル、例えば塀や石垣を登る、手裏剣などを投げるですとか、相対的な身体能力を測っていくような種目になるので。参加者によって、種目の得手不得手はあるかと思いますが。ステージに参加するかしないかでポイントの加算が変わってくるので、参加される方は種目に関わらず、基本的に意地でも参加されますね」

――参加する場合は、どんな感じでみなさん準備をしてこられるんでしょうか?
「過去の参加者の成績で種目ごとの歴代ベストタイム、ベストスコアがHPに掲載されているんですけども、リピーターの方ですとそれを越えることを目標にしている人が多いんですよ。総合優勝にはあまりこだわらず、例えば“手裏剣でベストスコアを更新したい”という方は1年間手裏剣の練習をして参加して来られますし。こちらでも大会のコースは毎年試行錯誤しながら変えていて、大会当日の12時に発表しています。手裏剣の的のサイズといった細かいことから、障害物をどの順番でクリアしていくかなど、どういったルールの中で種目を行っていくかがそこで発表されるんですが、リピーターの方々は例年の傾向も考えながら対策を組んでくるので、そういった駆け引きの要素もありますね」

――大会のどういうシーンが一番盛り上がるんでしょうか?
「それは年によって違ってくるんですよね。もちろんファインプレー的なクリアの仕方をされた参加者が出たときもそうなんですが、ハプニング系でいうと、なかなかどなたもゴールできなかった年がありまして。水上に浮かぶ戸板の上を渡る「水上走りの術」で、戸板の幅が例年よりも狭くてなかなかクリアできる方がいなかったんですね。だから『誰が行けるんや?』と参加者もギャラリーもみんなが注目する中、第一号でクリアした方が出たときには会場中が沸き立ちましたね」

大会の参加者募集は残念ながら締切になってしまっているが、「忍術村」では小さい子供から大人まで年齢や身体能力に合わせてチャレンジできる忍者版アスレチック「忍者道場」(参加無料)や、毎年夏休み期間には本格的な忍者修行が体験できる「忍者合宿」(18歳以上 9700円、小人 7700円)などを実施している。この忍者合宿も年齢性別に関わらず誰でも参加できる内容で募集開始時期などは公表していないそうだが、子供にぜひ体験させたいとチェックしているパパママが多く、例年すぐ埋まってしまうのだそう。

ちなみに、常時体験できる「忍術バーベキュー」(料金1人2000円)は「甲賀市産の地元野菜や牛肉にこだわってご提供しています”とのことだったのだが、忍術的なポイントについて聞いてみたところ、
「そこが……難しいところなんですけどね(笑)。野外でご自身で焼いて食べていただくというサバイバル的な部分で、忍術と名づけていますけども」
との回答。うーん、やっぱりユルい!(笑)。

バーベキューはさておき、「毎年必ず盛り上がる」とスタッフも太鼓判を押す“忍者選手権”。来年の参加を目指して、忍者の隠れ里・甲賀に遊びがてら見物に行ってみるのはどうだろうか?
(古知屋ジュン)『第30回全日本忍者選手権大会』
会場:甲賀の里 忍術村(滋賀県甲賀市甲賀町隠岐394 TEL:0748-88-5000 )
※JR草津線・甲賀駅北口より無料送迎バスを運行
日時:10/13(日)12:00〜15:30頃(終了時間は競技の進行状況によって異なります)
料金:見学は入村料のみ必要。大人1000円、中高生800円、小人700円、幼児(3歳以上)500円