しかも、前回も触れたように、20歳以上の国内居住者なら誰でも申し込めるが、開設できるのは1人1口座で、1つの金融機関に限定。最初に選んだ金融機関を4年間は変更できないという不可解な制約も設けられている。このため、金融機関の間では早々と顧客を囲い込んでしまおうという思惑が働きがちだ。その点、SMBC日興証券はグループ内ですみ分けができていると中田さんは説明する。

「当社は三井住友フィナンシャルグループの一員で、株式に関心があるお客さまを銀行から紹介してもらう体制も整っています。銀行と証券で50 万口座の獲得を目指しますが、想定以上に増える可能性もありそうです」

さらに、同社はNISAにうってつけの独自サービスを提供しているのが強みという。「大手証券の商品ラインアップは各社ともさほど変わらないでしょうが、当社には「キンカブ」があります。通常、株式は単元株単位でしか購入できず、その売買代金がNISAの非課税枠である100万円とぴったり一致するのは難しいのが実情。しかし、主要な株式(東証上場1809銘柄5月末時点)を1万円から金額指定で買えるキンカブなら可能です」(中田さん)




中田太治(DAIJI NAKATA)
SMBC日興証券 リテール事業推進部長




この記事は「WEBネットマネー2013年9月号」に掲載されたものです。