米国政府、PCゲームLeague of Legendsをプロスポーツと認定。外国人選手にアスリートビザを発行

写真拡大

米国市民権・移民業務局 (USCIS) が、PCゲーム「League of Legends」(LoL) の公式大会 League Championship Series (LCS) をプロスポーツとして認定し、出場選手に対しプロアスリートビザを発行することを明らかにしました。

ビデオゲームの技量で勝敗を決する競技、いわゆる eSports において、米国政府が特定のビデオゲームタイトルをプロスポーツとして認定するのは今回が初めて。

ゲーム LoL について簡単に説明すると、3対3もしくは5対5で、仲間と協力して相手の本拠地を破壊する、基本プレイ料金無料のオンライン対戦ゲームです。また LCS は、北米と欧州でそれぞれ数か月に渡るリーグ戦をおこない、シーズン後半の World Championship で世界チャンピオンを決定する大規模なゲーム大会。

米国ではこれまで、数日で終了するゲーム大会であれば、国外からの参加者はビジネスビザで入国し、賞金を得て帰国することができました。

しかし LCS はシーズン中のほぼ毎週末に試合があるリーグ戦のため、開催国に長期滞在する必要があり、また所属チームからは給与も支払われます。

そのため米国籍でないプロゲーマーが米国のチームに加入し、北米開催の LCS に出場する場合、入国申請などに複雑な手続きが必要で、場合によっては許可が降りないこともありました。

それが今回の認定の結果、今のところ北米開催の LCS に出場する選手限定ではあるものの、 国際的に活躍するアスリート用の P-1A ビザを得て活動できるようになります。これは米国における外国籍のプロゲーマーが、MLB や NBA といったプロスポーツにおける外国人選手と同じ扱いになったことを意味します。

この認定をはじめて利用するのは、米国の Team Coast というプロチームに所属するカナダ国籍のプロゲーマー Danny "Shiphtur" Le 選手になるとのことです。



なお海外の eSports 市場は、ゲーム関連のみならずスポーツ用品メーカーや飲料メーカーがスポンサードするなど年々巨大化し、賞金総額が1億円を超える大会も増えてきました。そのなかでも LCS の賞金は飛び抜けており、現在進行しているシーズン3の賞金総額は800万ドル、日本円で約8億円です。

LA Times も指摘するように、外国人選手たち自身にとってのみならず、国籍による障害なしに世界中のトッププレイヤーを獲得したい米国のチームにとっても、この認定は大きなメリットになると考えられます。

なお LoL は今のところ日本語で表示できませんが、開発元の Riot Games 社は日本市場のパブリッシング・マネージャーを募集しています。今後の対応に期待したいところです。