台湾先住民アミ族のアーティストで、音楽を通して世界観や文化を発信しているSuming(スミン)。各国へと遠征する中、特に積極的なのが日本での活動だ。10回目の来日を控えているスミンに、話を聞いた。(写真は「BlueTreePress」提供)

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 台湾先住民アミ族出身のアーティストで、音楽を通して自身の持つ世界観や文化を発信しているSuming(スミン)。世界各国へと遠征する中、特に積極的なのが日本での活動だ。アーティストやファンとの出会いと交流を目指し、10回目の来日を控えているスミンに、話を聞いた。(写真は「BlueTreePress」提供)

――日本ツアー開催決定、おめでとうございます! どんなコンサートになりますか? 見どころを教えてください。

 曲をアレンジしたり、歌い込んで練習したりといった新しい演出やパフォーマンスを、日本のみなさんに見ていただきたいです。そして、村の部族のパワーを込めたツアーになると思っています。僕は去年から生活拠点を先住民の集落に戻して、お年寄りからたくさん物語を聞いたり、伝統的な歌を習ったりしているんですよ。そういった部分も分かち合えたらいいですね。

――前回のインタビューは2012年7月でしたが、集落に帰ったことで環境が大きく変わりましたね。最近はどんな活動をしていますか?

 住んでいる都蘭という集落で、音楽祭開催の準備をしています。集落のパワーと考え方を取り入れ、今まで無かった音楽イベントを作りたい。世界に部族文化を伝えていきたいと思っているんです。

――スミンさんにしか手がけられないイベントだと思うので、期待しています。7月にはミニアルバム「美好的日子」をリリースしましたが、どんな思いを込めて作った作品ですか?

 お年寄りから、素敵な昔話をたくさん聞きました。その中で印象に残っているのが、都蘭のクロスステッチ(十字刺繍)。日本統治時代に作られた布がまだ残っているんです。初めて知ったそのエピソードが、このアルバムの発想のきっかけになりました。ジャケットのクロスステッチは、僕がその古い布にあるクロスステッチの模様を自分で刺繍して復刻したんです。刺繍しながら作った曲を、収録しました。

――刺繍のようにひとつひとつ編み上げて完成した、ミニアルバムなのですね。忙しいスケジュールをこなしているようですが、今年も豊年祭には参加したのでしょうか?

 豊年祭は、お正月のような一年の大切な行事なので、みんな故郷に戻っていろんな話をします。外地で働く気持ちを分かち合う場なのです。この時期はお年寄りたちが豊年祭という祭りを通して、若者に伝統、文化、精神を伝えるのです。

――最近は、年に一回程度のペースで日本に来ていると思いますが、日本という国にどのような印象を持っていますか?

 現代的で寒い国。海鮮料理がとても美味しい! そして日本のライブハウスやミュージシャンは、台湾人を応援してくれます。台湾にもこんな良い音楽環境があればいいな、と感じています。

――プライベートの時間を日本で過ごすとしたら、どんな風に過ごしたいですか?

 沖縄に行きたいです。母国語で交流しながら、台湾の先住民音楽を教えられたら楽しいですね。

――ジャパンツアーを楽しみにしている、日本のファンにメッセージをお願いします。

 みなさん! もうすぐ日本に行きますよ。多くの人に聴いていただきたいので、たくさんの物語と歌を準備します。みなさんにアミ族の音楽を知ってもらいたいのです。どうぞよろしくお願いします。

 8月30日の沖縄・桜坂劇場を皮切りに、鹿児島(GOOD NEIBOTH JAMBOLIE)、岡山(シンフォニーホール)、京都(磔磔)、静岡(浜松 K mix Space K)、宮城(気仙沼 マルト斉藤茶舗)、東京(代官山:山羊に、聞く?/青山:月見ル君想フ)を回るスミン。伸びやかな歌声で、台湾の美しい景色やアミ族の生き方を伝えてくれることだろう。(取材・文責:饒波貴子)