韓国政府、米に憂慮表明 アップル輸入禁止命令めぐり両国衝突
韓国産業通商資源省は5日、サムスン電子の特許侵害を理由に米アップルの一部製品の米国への輸入と販売を禁止した米国際貿易委員会(ITC)の命令を米通商代表部(USTR)が拒否したことについて、憂慮を表明した。米政府の措置に韓国政府が憂慮を表明するのは異例。複数の韓国メディアが報じた。
同省は声明で、「サムスンが保有する特許権の保護に与える否定的な影響について憂慮を表明する」と主張。「9日に予定されているITCの判断と、その後に行われる行政府の決定に注目している」とし、「米国が公正で合理的な決定を下すことを期待している」とした。
ITCは6月4日、アップルによるサムスンの特許侵害を認め、「iPhone(アイフォーン)」などモバイル製品の販売禁止を決定。しかし、USTRは3日にITCの排除命令に拒否権を発動すると発表した。
韓国メディアは、サムスンとアップルの訴訟合戦に両国政府が介入したことで、国家間の貿易紛争に飛び火する恐れもあるとの見方を伝えた。
一方、今回の問題とは別に、サムスンがITCの決定を不服として米連邦地方裁判所に抗告したことが5日までに分かった。サムスンは当初、自社の特許4件がアップルに侵害されたと訴えたが、ITCはこのうち1件の特許侵害を認め、販売禁止を決定した。サムスンは、残る3件の特許侵害について再び争う構え。(編集担当:新川悠)(イメージ写真提供:(C)Ingvar Bjork/123RF.COM)