「Cheero」と言う姉弟でやっているスマホガジェットメーカーがあります。
10400mAhの大容量・低価格のスマホ用バッテリー『cheero Power Plus 2』の大ヒットで、Amazonで1番数を売っている「バッテリー屋」になり、最近ではコラボ商品を短期間で5万台売り切ると言う凄い記録を打ち立てたばかりの「Cheero」ですが、先日、無料充電ステーション「Cheeroバッテリーセンター浅草支店」と言うバッテリーがむしろ売れなくなるんじゃないの??と心配になるようなサービスを浅草の「鷹や」内で始めました。





「外国人観光客に優しい浅草を」
をモットーにしている「鷹や」と、今後海外展開も視野にいれている「Cheero」の目的が合致し、充電切れに困っている外国人観光客へ、無料の充電を行うサービスを提供するのが今回の取り組みの目的です。
(勿論日本人でもOK)

「Cheero」の大容量バッテリーは、購入時の段階で大体iPhone5で2〜3回の充電は可能なため、とりあえずの充電をして貰っている間に、商品の紹介をすることで販売にも繋がっているようです。
また、「鷹や」では「FreeWIFI」も提供しており、外国人観光客には痒い所に手の届く、お店になっているようです。

※「Cheeroバッテリーセンター」だけあって、品切れ続出の「ダンボーバッテリー」も定価で豊富に取り揃えています。ちなみに、このお店おみやげ物屋さんっぽく見えますが、スマホグッズ専門ショップです。

「Cheero」商品開発担当東潤さんインタビュー


今回、「浅草バッテリーセンター」への取材ついでに、責任者である東 潤さんに「Cheero」についてインタビューしてみました。

-今回の企画についてこだわったことを教えて下さい
東「よつばと!の漫画とダンボーのキャラクターが大好きだったので、ファンの方が手にとった時に嬉しくなる製品にどうしてもしたかった。最初は元のモデルに印刷だけの選択肢もあったのですが、数百万かかっても目口を凹ませる為、金型を起こしました。結果、ポーチも麻素材を探したりととても楽しい商品開発になりました。デザイン、監修はよつばスタジオ様にやって頂き、cheeroとしても納得のいく商品作りが出来ました。」

-今回の爆発的ヒットについて
東「売れるとは思っていましたが、ここまでのヒットは想像していなかったです。cheeroを今まで助け、応援して頂いたユーザー、ブロガー、プレスの方々の力添えが大きく多くの方に知って貰えたのが大きかったと思います。ECを主にしている中でも、一人一人の方とのコミュニケーションを大切にしてきて良かったと思いました。」

-追加発注の思い切りについて
東「多少ドキドキしている部分もありますが、セッション数等、ある程度データに基づき販売予測は立てています。ただ、一番大事にしているのは弊社の商品を待ってくれているお客様をがっかりさせないこと。これです。」

-今後の展開
東「一番手持ちでフィットするのは5000mAhぐらいかなと思っているので、そのラインの面白い製品を出したいと思い、色々動いています。もっとギミック入れたりと。他にも新しいタイプの充電器等、開発に動いています。ワクワクを仕事にをテーマに、ユーザ様含め関わる方が楽しくなるものづくりをやっていきたいです。」

-海外展開とかは?
東「ちょうど今、日本のコンテンツ、クリエイティブを海外に繋ぐ役割をやりたいと思い、アメリカの会社設立等に動いています。何でも自分達だけでやろうとせず、面白い事をやっている方々と一緒に進めていきたいと思います。今回の「Cheero浅草バッテリーセンター」の「鷹や」さんとのコラボもその一環です。まずは世界中の人に「Cheero」の名前を少しでも知ってほしいです」

ダンボーバッテリー5万台完売の軌跡



第1弾:6/4(火) 7:00〜 3000台発売

<販売結果>
・事前告知無で先行生産分をゲリラ豪雨的にリリース
・2時間で完売、ヤフオクで3万円の値が付く

この件に関しては↓の記事にも書きましたが、買えなかった人がつぶやいてTwitter上がダンボーの文字で埋りました。
2時間で限定1000台売り切れ。iPhoneが5回充電できる「よつばとダンボー コラボバッテリー cheero Power Plus 10400mAh [D-ver]」

基本的にCheeroは広告費0、高品質・そこそこ価格が基本戦略なので、完全に周知は各種メディアへのリリースと、Facebookページのみで行なっていたとのことです。

第2段:6/16(日)22:00〜 5000台

<販売結果>
・15分で完売
・買えなかった人が多くてレビュー欄が荒れる。

転売屋が横行最大6万円の値がつく。手口としては、発売と同時に大量に在庫を抑え、在庫切れと同時に放出し、すぐ売り抜けると言う方法を用いていた。
Amazonの仕様上、注文確定時で在庫が無かったらエラーになる為、確定前までいって買えなかった人が続出してレビューが荒れました。

ここでCheeroは以下の方針を決めた。

・中国サプライヤーと生産スケジュールを整理し、今後の販売予定、販路方針を当日夜中にリリース
(少しでも早く、追加生産が潤沢であることをユーザーに伝える目的)
・転売対策は必須と考え、Amazon以外での販売を翌日から検討。
・各社ECをもっている取引先と交渉。
 
ただし、価格転嫁が避けられないので、Amazonでの再販を中心軸に対策を検討。
以下の対応を取る。

・充分な数量を準備の上、再販告知(2万3000台)
・マニュアルで全注文チェックし、転売屋と見られる大量注文の出荷キャンセル
・クレジットカード以外の対応(コンビニ払い)で間口を広げる
・蹴殺されない時間帯を選んで再販

第3弾:7/3(水)15:00〜 23000台

<販売結果>
・11時間で完売

<対応>
・次回も同数を用意する事で再販する方針に。

第4弾:7/18(木)12:00〜 20000台

こちらも即日完売しまた転売屋がプレミア価格で販売していたのですが、この記事を買いているまさにいま、アマゾンをチェックしてみたら在庫が復活していたので、こまめに在庫の追加も行なっているようです。

cheero Power Plus 10400mAh DANBOARD Version マルチデバイス対応モバイルバッテリー

バッテリー屋さんが、無料充電サービスをはじめたということで、一瞬大丈夫なのか?と思ったのですが、成功する所はやっぱり「スピード感」と「細部への拘り」そして「近い将来へのビジョン」をしっかり持っているんだなぁと感じた次第です。

蛇足:あえて別の視点から-The third eye
今回の「Cheero」さんは「ダンボーバッテリー」の記事がご縁で何回かお会いさせて頂き、その後仲良くさせて頂いているのですが、東さんの「面白さ」と「ビジネス」のバランス感覚がいい意味で崩れていて、本当にこれからが楽しみな国内メーカーの一つとして注目しています。だって、この時代に「面白く無いとやりたくないんです」と「面白ければいいんです」で、ちゃんと結果を出しているって凄いと思いません?正直うらやましいと思っています。

著者プロフィール:世永玲生(@reosucker),GMOインターネットSpecial Project Officer/Web&スマートフォンアプリコンサルタント
エデュテインメントコンテンツのディレクターを志しソニー・ミュージックエンタテインメントに入社。デジタルコンテンツ部にて数百のWebコンテンツリ リースのディレクション/プロデュースを行い、その後セガへ。音楽と映像の連動した「ミュージックインタラクティブ」ジャンルのゲームの原案・ディレク ションを行いファミ通ゴールド殿堂等複数のアワードを獲得。その後メディアアートアプリのMatrixMusicPadの原案・ディレクションから iPhone業界へ。2009年の年間ベストの有料部門1位を獲得。現在はGMOインターネットにて特命担当として各種サービスの分析をおこなう。アプリ 開発者としては、同人サークル「東京検定研究所」のプロデュースに2012年8月より参加。ゲーム総合1位やカテゴリ1位を複数回達成する。2013年はiPhoneTOP25入りを11本達成している。大手出版社・テレビ局・配信会社等のバイラル設計&マーケティングのコンサルティングも行い、インタビュー記事・分析記事は掲載多数。

 

【関連URL】
・発売即完売→ヤフオクで2万円に。の「よつばと!ダンボー コラボバッテリー」が本日再販!
・「アトラス。大好きだよ。」元セガ。元ゲームディレクターからの「真・女神転生?」へのラブレター。 @reosucker
・2時間で限定1000台売り切れ。iPhoneが5回充電できる「よつばとダンボーコラボバッテリー cheero Power Plus 10400mAh [D-ver]」
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