円安&米国成長の活用
アベノミクスの成功確率は不明だが、日本の量的緩和、経常収支の赤字化、地政学的リスクの高まり、金融機関の外債運用比重アップ、米国のシェールガス革命での貿易赤字縮小、景気回復など、為替レート決定要因が円安に寄与。このため基本戦略は円安メリット、米国成長力の獲得。一方で分散投資による安定性の獲得となる。

山副耕一(やまぞえ こういち)
メイキット代表●株式を使ったトレードと一線を画した、「原点回帰の株式投資」の普及に尽力。



波に乗るなら、今でしょ!
2014年末くらいまでは、アベノミクスによる景気の下支えで市場はにぎわうと考えている。理由は毎月7兆円を来年末まで国債の買い入れに供給することになっているので、株や不動産も押さえておきたいところ。消費税増税のこともあり、不動産が注目され、個人への融資も増えると考え、銀行株も推奨した。

丸山晴美(まるやま はるみ)
節約アドバイザー●FPや消費生活アドバイザーなどの資格を持ち、節約術、家計管理などのアドバイスを行なう。



日本株の歴史的な再生
期待先行のアベノミクスだが、株価との連動性の高さが指摘される内閣府の景気ウォッチャー調査などを見ると、それに応えるべく、実体経済も動きだしてきたといえる。アベノミクスの成功により、さらに日本経済の再生に弾みがつく可能性は大であり、今後の動向に注目していきたい。商品はストレートに株式がベスト。

小沼正則(おぬま まさのり)
絆アセットマネジメント代表●株式専門誌記者などを経て独立。現在は個人投資家向けの資産運用アドバイスに従事。



恩恵の大きい業種に幅広く
成長戦略に対する民間との折り合いがカギを握るアベノミクス。恩恵を受けやすい業種から波及する持続的成長に期待したい。そこで、注目なのが業種別ETF。裾野の広い自動車業界に幅広く、値動きの激しいその他金融・証券に分散投資が可能だ。個別株では世界で競える多分野での躍進を目指す成長戦略で注目の三菱商事。

野尻美江子(のじり えみこ)
ファイナンシャルリサーチ●各種メディアを通じて、お金まわりの情報を発信。ラジオ日経「マーケット・トレンド」に出演中。



1銘柄で米国株に分散投資
アベノミクスの是非は不明だが、日本株式の上昇トレンド入りで「再帰性」のループ(株価上昇が実体経済をアップ↓実体経済上昇が株価をアップ↓株価上昇が実体経済をアップ)に突入したと考える。しかし、10年間運用するなら、米国株を選択。実質1銘柄で米国株に分散投資できるウォーレン・バフェット氏の会社を挙げる。

※ NYSE=ニューヨーク証券取引所。

白鳥光良(しらとり みつよし)
住まいと保険と資産管理代表●実務経験13年の現物不動産、保険商品、投信を提案するファイナンシャル・プランナー。






この記事は「WEBネットマネー2013年8月号」に掲載されたものです。