田口監督:僕は、その直前まで『ウルトラゾーン』というものをやっていて、円谷プロさんとガッツリ仕事していたので、なんとなくその流れです。「次『ウルトラQ』やるからやってみないか」とプロデューサーに言われて、こっちは二つ返事でしたね(笑)。そもそも『ウルトラゾーン』は『ウルトラQ』を撮るつもりで創っていましたから。

中井監督:僕は今、特撮の方向から離れて映画監督としてヒューマニズムものを撮っています。そういうこともあり、おそらくプロデューサーの方々は『ネオ・ウルトラQ』の監督の選考にあたって、いろいろ悩まれたと思うんですよ。例えば特撮には田口監督がいる。しかし、ただ特撮というだけではなく、そこに”どういう監督を並べるか”ということについても試行錯誤しなければならない。その中で、僕にはたぶん”怪獣が出ないであろう”エピソードを――ということもあったのではないかと。それでいて『ウルトラQ』という看板があり、さらに『ネオ』が付く。なにか新しいものを仕掛けるのか、継承していくのか、自分に何を求められているのか――すごく不安と責任と驚きで『本当に僕でいいんでしょうか?』という思いは、ずっとありましたね。

――そのあたり、田口監督はどうでしょう?

田口監督:僕は正直「キター!」みたいな喜びしかなかったので(笑)。いや、責任とか重圧があるというのも頭ではわかっていたのですがそんなのそっちのけで、もう「やるぞー!」って感じでしたね(笑)……続きを読む