さらなる上昇相場で日本株市場はいよいよ業績相場へ入っていく

ここまでの株価上昇でも、それなりの資産効果をもたらし、個人消費や企業の投資活動も上向きだしている。企業の収益動向にも、ずいぶんと明るい兆しが見られるようになってきた。

これは結構なことである。企業活動が活発化し、業績向上の兆しが高まってくると、ここから先の株価上昇を裏づける最大の材料となっていく。すなわち、株高↓資産効果↓消費と投資の拡大↓業績向上↓さらなる株高という好循環に入っていくわけだ。

以前から繰り返し述べてきたように、日本株市場で構造的な売り圧迫要因だった?持ち合い解消売り〞は終わった。

日本株は「もう売りが出てこない。買えばいくらでも上昇する需給状況」にあるわけだ。そこへ中長期投資をもっぱらとする外国人投資家が、資金をバンバン入れてくる。それだけでも、株価は相当に上昇するだろう。

さらなる株価上昇を受けて、資産効果と景気の本格回復が企業の収益動向を大幅に改善させる展開が現実となっていく。つまり、日本株市場は業績相場の段階へ入っていくことになる。

そうなれば、個人投資家をはじめとして、より広い裾野からの市場参入が期待できる。そう、いよいよ株価上昇の第2ラウンドに入っていくのだ。この先が大いに楽しみである。

澤上篤人(ATSUTO SAWAKAMI)
さわかみ投信会長

1947年、愛知県名古屋市生まれ。73年、ジュネーブ大学付属国際問題研究所国際経済学修士課程履修。ピクテ・ジャパン(現・ピクテ投信)代表取締役を経て、96年にサラリーマン世帯を対象にさわかみ投資顧問(現・さわかみ投信)を設立。『5年後の日本をいま買う長期投資』(小社刊)、『本物の株価上昇の波が来たぞ!』(日経BP 出版センター)など著書多数。



この記事は「WEBネットマネー2013年7月号」に掲載されたものです。