Xbox ONE専用タイトルをずらりと並べたマイクロソフトブース。キネクト同梱をどれだけ打ち出せるかが鍵になりそう。

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米ロサンゼルス市で世界最大級のゲーム見本市、E3(エレクトロニック・エンタテインメント・エキスポ)が6月11日から13日(現地時間)まで開催され、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)とマイクロソフトが、それぞれ新型ゲーム機のプレイステーション(PS)4>とXbox ONEを実機展示しました。それぞれの特徴や実際に遊んでみた感じについて、簡単にレポートしましょう。

まず最初にざっくりまとめると、「価格のPS4、内容のXbox ONE」という感じでしょうか。Xbox ONEは米国での本体価格が499ドルなのに対し、PS4は本体価格が399ドルと100ドルも安いことが判明しました。

一方でXbox ONEはモーションセンサーの新型キネクトが標準装備。このキネクト、日本の家屋にもあわせて、より狭い部屋でもプレーできるようになり、プレーヤーの表情や心拍数まで読み取ってくれる優れモノです。なんだかセガサターン(4万4800円、当初は4万9800円と発表)と初代PS(3万9800円)のつばぜり合いを思い出します。

出展ゲームもマイクロソフトがローマ帝国が舞台のアクションゲーム『Ryse: Sun of Rome』を筆頭に、Xbox ONEのタイトルを中心に展示したのに対して、SCEはPS4向けにアクションゲーム『Knack』が人気を集めたものの、展示スペースは『グランツーリスモ6』を筆頭にPS3とPS Vitaが中心。とはいえ100ドルの差は大きく映ったようで、いち早くプレーしたい業界人がPS4展示エリアに朝から殺到。会場内でも一番の混み具合のように感じられました。

本体はどちらも黒い長方形のAVスタイルとなり、パッと見た感じではあまり見分けがつかないほど。Xboxのアメリカンでスパルタンなスタイルはなりをひそめ、地味な優等生になった感じです。一方のPS4もPS3の曲線フォルムから一転して、PSシリーズで最も売れたPS2を彷彿とさせるイメージに。ただ、どちらもACアダプタの形状は不明でした。できるだけ小型化(できれば本体内蔵)を希望したいところです。

おもしろいのが専用コントローラの方向性に見る両者の違いです。共に大きな変化はなく、握った感じはしっくりきます。ただしPS4ではデュアルショック4にタッチパネルが装備され、指でなぞって操作したり、クリック入力が可能になりました。SFアクションシューティングの『WARFRAME』では上下左右に指でなぞって4種類の必殺技が繰り出せます。コントローラもより軽く、長時間握っても疲れなさそうです。

一方Xbox ONEでは従来2つだった振動素子が4つに増え、人差し指のトリガー部分が振動する「インパルストリガー」を採用。ブースでは車のブレーキや銃を連射する感じが振動で体験できるデモも行われていました。また新型キネクトのマイクも使えるなど、コントローラとキネクトがセットになって使われることが当初から想定されています。

このほかSCEではプレスカンファレンスで「PS4は中古ソフトOKで、ネットに常時接続する必要もない」とアピールしましたが、一方でアイテム課金スタイルの無料配信ゲームを発売日から用意。マイクロソフトはオンラインサービスのXbox Liveを打ち出す一方で、基本プレイ無料ゲームには慎重な姿勢と、戦略の違いが興味深く感じられます。

ただ、どちらも下位互換性がないのが玉に瑕(PS4ではインターネットに接続すれば、クラウドゲームサービスで過去のゲームをプレイ可能としていますが)。またサードパーティの多くはPS3・PS4・Xbox ONE・Xbox360・PCのマルチプラットフォーム戦略をとる予定です。つまり現行機のままでも多くのゲームが遊べるということ。そのため買い換えが促進されるか、いまいち不明瞭な感もぬぐえません。特に日本では『パズル&ドラゴンズ』など、無料のスマホアプリが人気ですしね。

またPS3もXbox360も8年以上も現役のハードとなりましたが、ではPS4とXbox ONEが10年持つハードになるかというと、誰もが疑問というのが正直なところ。いまやモバイルゲームにクラウドゲームと、ゲームを巡る環境は大きく様変わりしています。「これが最後のコンソールゲームになるかも」といった声があちこちで聞かれました。

PS4とXbox ONEは共に米国などで11月発売予定。日本での発売時期、価格は未定ですが、おそらく9月の東京ゲームショウ前後で発表されると思われます。任天堂のWii Uも含めて、ゲーマーには熱い年末商戦がやってきそうです(Xbox ONEの国内発売日は未定)。
(小野憲史)