ベテランが、日本人のもっとも重んじる『和』を乱した。かつて三冠王を獲得したこともある、ソフトバンクホークスの松中信彦(39)が懲罰二軍行きを命じられた。


松中は、交流戦優勝を飾った6月13日のヤクルト戦に、8対4と4点リードした8回裏に代打で登場。センター前ヒットを放ったが、試合後に優勝セレモニーをボイコット。 


この行動が、秋山監督の逆鱗に触れ、松中は無期限の二軍行きを命じられた。


5回までに6点リードしたことで、松中は一度、「今日(の代打)はない」と言われたという。しかし、急遽8回に代打を告げられたことで、松中の怒りが爆発したらしい。


日刊スポーツによれば、松中はこうコメントしている。


「1打席1打席、打てなかったら引退という思いで1軍に上がってきて、たとえ10点差でもどんな場面でもいく決意でいた。ないと言われていたので、準備せずにいくことになった。プロ17年間、しっかり準備する気持ちだけは欠かさなかった。そこは譲れない部分だったので、カッとしてしまいました。ペナルティーは覚悟していました」


しかし、「ないと言われたから準備しなかった」では本当のプロフェッショナルとは言えない。リリーフ投手は10点リードして、今日はないと思っても、万が一に備え、心の準備は欠かさない。実際、この試合で5回までに6点をリードしたソフトバンクだったが、一時は追い上げられ、2点差まで迫られている。それにもかかわらず、松中は本当に出番がないままだと考えたのだろうか。


仮に、6対4と2点リードの7回ウラに代打を告げられても松中は、「ないと言われたから準備しなかった」と話したのか。


これは、単なる油断としか言えない。


「譲れない部分がある」「どんな場面でもいく決意でいた」とは聞こえのいい言葉だが、単なるわがままをカッコの良い言葉に変換しただけである。


言葉でいくら覆いかぶせても、人間は行動で判断される。


松中は代打で登場し、ファンの大声援に向かえられたにもかかわらず、その声援に背くような行動を取り、チームの交流戦優勝にも水を差してしまった。


自分のルールが絶対で、それ以外は認めない。これでは、『無駄なプライド』と批判されても仕方がないだろう。 


ここで、ある人物を思い出さざるを得ない。不倫騒動後に離婚し、体調不良を理由に芸能活動を休止している矢口真里(30)だ。


矢口は自宅の寝室に男を呼び寄せ、その結果、夫と鉢合わせてしまうというまさかの失態を犯した。


そうなる可能性は十分に考えられ、矢口も松中と同じく「ペナルティーを覚悟の上で」の行動だったはずだ。


しかし、その後に取った行動は松中と矢口で大きく異なる。松中はその日のうちに秋山監督に謝罪し、マスコミに対してもキチンと話している。


そんなにすぐに謝るのであれば、何のために造反したのか、全くもって意味不明だ。ただ、矢口のように、何も口にせず、一向に表に出てこない態度と比べれば、良いだろう。


「矢口だって、当事者である前夫の中村昌也に謝ったんだろうからいいじゃないか。マスコミに向かって会見する意味などない」という意見もあるだろう。


だが、矢口はテレビタレントとして飯を食っている以上、メディアとの接触は避けられないのだ。「番組スポンサーに謝ればいい」といっても、その企業が番組をスポンサードする向こうには、視聴者がいる。テレビの前の視聴者に何も言わないまま、テレビに出演すれば、叩かれることは目に見えているだろう。 


これまでの矢口真里の立ち位置からしても、テレビタレントである以上、会見をしないと、“みそぎ”は済まないのだ。


普通の人間に取って、松中の行動に学ぶところは一つもない。でも、同じく窮地に立たされている矢口真里にとっては、『謝罪する』という形を取ることをマネすべきだろう。


※写真は福岡ソフトバンクホークス公式サイトより


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