『AKB48総選挙 公式ガイドブック2013』講談社MOOK
とりあえず投票しようと思っている人は必携の本書。投票は6月7日(金)15時まで。急げ!

写真拡大

いよいよ今週土曜日(6月8日)に開票発表の迫った「AKB48 32ndシングル 選抜総選挙」。AKB48の32枚目のシングル曲を歌うメンバーを選ぶこの“総選挙”の開票発表は、昨年までは日本武道館にて行なわれてきたが、今年はより広い日産スタジアム(横浜市)での「AKB48スーパーフェスティバル」の後半に行なわれる。チケットはすでに完売したようだが、当日はフジテレビでの生中継のほか、AKB48の本拠地・秋葉原では目下開催中の「AKB48選抜総選挙ミュージアム」の会場にてパブリックビューイングが予定されている。

AKB総選挙についてこのエキレビでは一昨年から記事を書き、自ら投票もしてきた私だが、今年はここへ来てもまだ誰に入れようか悩んでいる。これというのも、推しメンだった秦佐和子(SKE48)がこの春に卒業してしまったからだ。

もちろん、それ以外にも気になるメンバーはSKE48にも、もちろんAKB48はじめほかの48グループにもいる。それに、ファンにとってはいわば一年に一度の祭りなのだから、やはり参加しない手はないだろう。そんなわけでこの記事では、順位予想というよりは、あくまで自分が投票するメンバーを決めるため、気になるメンバーを何人かとりあげていきたい。それを通して、今回の選抜総選挙のみどころもお伝えできればと思う。

■最後の総選挙でも「板野△」と言わせてください
今年の選抜総選挙がいままでと一番違うところは、何といっても、立候補制になったことだろう。去年まではAKB48とその姉妹グループであるSKE48、NMB48、HKT48の全メンバー(研究生を含む)参加だったのが、出馬するかどうかは本人らの自主性に委ねることになったのだ。このことが、立候補受付の時点でさまざまなドラマを生むことになる。2期生の秋元才加(チームK)が、出馬辞退とともに卒業を発表したのをはじめ、その後も出馬辞退者のなかから卒業を決めるメンバーがあいつぎ、グループが世代交代の時期を迎えていることを印象づけた。

そのなかにあって、すでに卒業を発表しているメンバーのなかで唯一、総選挙にエントリーしているのが、AKB48の1期生(オリジナルメンバー=オリメンとも呼ばれる)のひとり、板野友美(チームK)である。総選挙の公式ガイドブックでのインタビューによれば、当初は出るつもりはなかったが、握手会でのファンたちからの声に心を動かされ、「ファンのみなさんへの恩返しの意味も込めて、最後の思い出というか、みんなで楽しめる“お祭り”になればいいな」と立候補を決めたという。

クールで、我が道を行くタイプのようでいて、じつはまじめで努力家という一面を時折垣間見せ、ネットで「板野△(いたのさんかっけー)」として称賛を浴びることも多い。一昨年、昨年は8位にとどまったが、最後の総選挙でどこまで票数を伸ばすのか、そしてステージ上でどんな“名言”を聞かせてくれるのかも楽しみだ。

■AKB随一のオタク女子、初のランクインなるか
正直にいえば私は、毎年、ベストテン争いをしているメンバー以上に、シングルの選抜常連ではないものの、一芸に秀でたり我が道を行くタイプのメンバーの動向が気になったりする。AKBの中堅どころはまさにそんなメンバーの宝庫だ。ここ最近、スポーツ番組でレポーターを務めるなど単独での活動が目立ち、つい先日にはソロシングルもリリースされた倉持明日香(チームK)や、グーグルプラスにて「22時の嫁」と題して昨年3月から毎日22時に私服を披露し続け、ファッションセンスにも定評のある藤江れいな(チームB)など気になるメンバーは多々いるのだが、そのなかでもひとり選ぶとしたら、田名部生来(チームB)になるだろうか。

田名部といえば最近、『田名部生来のオタクカルチャー大全』という著書が出たばかり。この本は、単なるアイドルによるオタクカルチャーの解説書の域に収まらず、彼女自身のオタク遍歴が、郷里である滋賀での「滋賀県交通安全ふるさと大使」としての活躍ぶりなどとあわせて紹介されていてじつに濃い。また、お父さんから往年の名作マンガやプラモのつくり方などを教わったり、お母さんがコスプレ用の服を用意していたりと、家族ぐるみでオタク趣味を楽しんでいることもわかってほほえましかった。

総選挙ではこれまでずっと圏外だった田名部だが、同期(3期)で、この春に卒業するまで同じ事務所に所属した仲谷明香が、昨年の総選挙でランクインしたのにぜひ続いてほしい。仲谷のときも、『非選抜アイドル』という本を出したことが追い風になったわけだし。

■総選挙での「一本!」を期待!
AKB48の最新シングル「さよならクロール」のカップリング曲「バラの果実」には、AKB本体をはじめ姉妹グループから年少の精鋭メンバーが集結。そこでセンターを務めるのが、11期メンバーの小嶋菜月(チームB)だ。

今回の選挙ポスターでは、特技である剣道の胴着姿で登場した彼女。そういえば、研究生だった昨年、テレビ東京の「週刊AKB」で、番組プロデューサー相手に自己アピールということで、竹刀の素振りを披露していたのが初々しかったなー。その頃から気になる存在だっただけに、今回のセンター抜擢はうれしい。選挙でも、若手のエース候補としてぜひランクインを期待したい。

■SKE48、卒業メンバーの意志を継ぐのは誰か
続いてSKE48なのだが、ここはやっぱり推しメンだった秦佐和子との関係から、投票するメンバーを決めたい。まず思い浮かぶのは、秦本人がブログで投票すると書いていた、同期(3期)にして同じチームKII所属(チームS移籍予定)の後藤理沙子だ。劇場公演で初めて彼女を生で見たとき、写真で見る以上に美少女だったのでびっくりしたことを思い出す。このほかブログのタイトルが毎回ユニークだったり、握手会ではなかなかの毒舌家ぶりを発揮しているとの噂を掲示板で見かけたりと、いろんな意味で高いポテンシャルを感じる。

チームKIIからはもう一人、SKE最年長、現在26歳の佐藤実絵子をあげたい。同チームのキャプテンは高柳明音だが、“姉さん”とメンバーから慕われる佐藤は、チームの精神的支え的存在だ。地元・名古屋のテレビやラジオではここ最近、SKE48の冠番組以外にも、単独でレギュラー出演する機会が増えていることが目を惹く。本人としても地域に根づいた活動をしていきたいと公言している。その心意気をぜひ買いたい。

秦佐和子との関係でいえば、彼女と同期で無地の親友であった須田亜香里(チームS→チームKII移籍予定)も忘れてはいけない。昨年の総選挙では、17位から32位にランクインしたメンバーで構成される「アンダーガールズ」のうち、半数を秦と須田を含むSKE48のメンバーが占める大躍進を見せたが、今回、その再現はあるのか。あの発表時の興奮をぜひもう一度味わいたい。

今年に入り10人以上ものメンバーが卒業してしまったSKE48ではあるが、エースで総選挙ではベストテン常連の松井珠理奈と松井玲奈(いずれもチームS。珠理奈はAKBのチームK兼任、玲奈はチームEに移籍予定)がどれだけ順位を上げてくるか、また速報で、シングル選抜未経験ながらいきなり8位に飛びこんできた柴田阿弥(チームE→チームKII移籍予定)がどれだけねばるかなど、まだまだ見どころは多い。投票したいメンバーはたくさんいるけれど、いかんせん財力がなくて入れられる票数が限られてしまうのが悩ましい。いっそ、この選抜総選挙にも比例代表制を導入して、「SKE48」とか「チームKII」でも投票できたらいいんだけどなー。

■NMB48とHKT48の気になるメンバー、そしてOGからのランクインはあるのか!?
国内の3つの姉妹グループのうちNMB48とHKT48については勉強中で、メンバーの顔と名前が大体一致するようになったかなという感じ。HKT48は昨夏、エイベックス主催のアイドルフェス「IDOL NATION」で見ているのだが、唯一、NMB48だけはまだ生でステージを見たことがないので、今年中にも何とか実現したいところ。

ともあれ、NMBのなかでは、「難波発小笠原特急」をキャッチフレーズにしていることから、この4月の誕生日に、南海特急ラピートの車内でファンイベントを行なった小笠原茉由(チームN)、雑誌や新聞などで映画コラムを連載中の島田玲奈(チームM)がとくに気になるところ。あと、同じ苗字ということで、近藤里奈(チームN)にも勝手に親近感を抱いています。

HKT48のメンバーでは、前出のIDOL NATIONのステージで、「東京タワー!」というギャグを披露した村重杏奈(チームH)が強烈に印象に残っている。思えばそのポーズは、彼女のいまひとつの持ちギャグ「明太子!」とまったく同じだったのだが(笑)。

おっと、忘れていた。今回の選抜総選挙では「AKB48グループに4年以上在籍した」などの条件つきで、OGの立候補も認められたのを受けて、昨年末に結婚した大堀恵をはじめ6人が名乗りをあげている。当「エキレビ!」では、結婚が報じられた直後に、彼女の夫で脚本家の金沢達也さんへのインタビューを掲載しているだけに、ここは大堀さんもプッシュしておかなければならんでしょう。

こうして、あれこれメンバーをチェックしていると、推しメンはどんどん増えていき、肝心の総選挙で誰に入れるか、かえって迷わせることになるのだった。うむ、どうしたものか。

ひとまず、投票シリアルナンバーカードの封入されたシングル「さよならクロール」は全3タイプは入手したし、AKB48モバイルサイトとSKE48モバイルサイトからの投票分と合わせて5票入れられる。ここは票のすべてを1人に注ぎこむのではなく、分散させることにしたい。

開票イベントには私は行けないけれども、自宅にてテレビでの中継やAKB48のモバイルサイトで追いかけるつもりだ。すでに関東も梅雨入りしたとか。当日は晴れないまでも、雨に降られないようにてるてる坊主でもつくっておきますか。
(近藤正高)