『アハトゥンク ガールズ&パンツァー』は、アニメ『ガールズ&パンツァー』の戦車だけを徹底的に紹介しまくった戦車本。水島監督が「やり過ぎだぞ」と言うくらい、とにかく戦車戦車。初心者でもわかりやすく、実際の戦車と比較しながら解説しています。戦車の形状の面白さを知るにはもってこいの一冊。

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この本、主に戦車しか載っていません。
アニメ『ガールズ&パンツァー』のフルカラー公式資料集のトップバッターが、戦車解説本でキャラではない、っていうのがいいですね。

『アハトゥンク・ガールズ&パンツァー』は、アニメ『ガールズ&パンツァー』に出てくる、実際に使われた戦車の3DCGを撮り下ろした資料集です。
タイトルで吹いた人も多いはず。出版している大日本絵画は、『アハトゥンク パンツァー』という戦車研究書を出しているのです。
それのセルフパロディ。アニメに出てくる戦車、本物の戦車と比較しながら解説している本です。

あんこうチームのIV号戦車D型から、黒森峰女学園の超重戦車マウスまで。登場するほぼすべての戦車が、見開きで紹介されています。
作中の3DCG戦車を、斜め、前、横、後ろ、下と、それはもう、なめまわすように掲載されています。
解説も、非常にかゆいところに手が届く内容。スペックや実際の活動時期、特徴をピンポイントで紹介しています。

それだったら戦車本買ったほうがいいんじゃないのか?
いえいえ、この本がやりすぎな(褒め言葉)ところは、大洗女学園の戦車はバージョンアップごとに全部載っていること。
例えば大洗あんこうチームのIV号戦車D型は、発見時、全国大会時、F2型仕様、H型仕様と少しずつ、本人たちや自動車部によって改良されていきます。
これらのバージョンが全部載っている。
わからない人から見たら、細かすぎて伝わらない戦車選手権状態です。
でも砲塔が伸びたり、装甲をつけたりすることでどう変わるかちゃんと書いてあり、分かる人にはニヤニヤです。

戦車の面白いところは「その形状になるには理由がある」というところ。
それがこの一冊で、かなりわかるようになっています。
いずれも実在した戦車ばかり。ストーリー解説もちょびっとだけ載っており、なぜ彼女たちがその戦車を使っているかもわかるようになっています。
戦車の内部、操縦席の設定も詳細に載っています。
これも「何をどうするために、そういう構造なのか」が非常にわかりやすい。不思議な戦車内も、ちゃんと理由がある構造なのがわかります。

戦車入門としてはもってこいの一冊。オススメです。
アニメを見る時、プラモデルを作る時、戦車のディティールの細かいところが気になってくること間違いなし。

それにしても最後のページにあれもってくるの、ちょっとずるくない? 笑ってしまったよ。

『アハトゥンク・ガールズ&パンツァー:ガールズ&パンツァー公式戦車ガイドブック』

(たまごまご)