特殊メイクアーティストのデヴィッド・ルロイ・アンダーソン
 - 左はスポックの型

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 先週末に全米公開を迎え、大ヒットスタートを切った映画『スター・トレック イントゥ・ダークネス』の制作スタジオ、バッド・ロボット・プロダクションが公開された。本作のJ・J・エイブラムス監督が率いる同スタジオは近年、『SUPER 8/スーパーエイト』『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』といったヒット作を連発し、2015年公開予定の『スター・ウォーズ エピソードVII(原題) / Star Wars : Episode VII』も手掛けることになっている、今話題の映画スタジオだ。

 アメリカ・カリフォルニア州サンタモニカに位置するバッド・ロボット・プロダクション。傍目には無骨な建物といった印象が強いが、一歩足を踏み入れれば、SF作品のポスターやフィギュア、さらにはアートワークなどが飾られている遊び心あふれた空間だ。中には日本の東宝から送られたゴジラのフィギュアもあり、設立者であるJ・J・エイブラムスの趣味を反映したとおぼしきアイテムも散見される。

 当日は集まったプレス陣に対して、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』のスタッフによるプレゼンテーションが行われた。ピクサー作品の音楽を多く手掛け、『カールじいさんの空飛ぶ家』でアカデミー賞作曲賞を受賞したマイケル・ジアッキノ、ジェームズ・キャメロン監督の映画『アバター』(2009)でも小道具を担当したアンディ・シーゲルなどそうそうたる面々が登場。とりわけ印象深かったのが、『ナッティ・プロフェッサー/クランプ教授の場合』『メン・イン・ブラック』で2年連続アカデミー賞メイクアップ賞を受賞した特殊メイクアーティストのデヴィッド・ルロイ・アンダーソンだ。

 本作でデヴィッドは妻のヘザー・ランゲンキャンプ・アンダーソンと共に、ヴァルカン人特有のとがった耳などを手掛けた。スポック役のザカリー・クイントは撮影のたびに数時間かけて特殊メイクを施されたといい、その造形技術の見事さは本作の世界観に説得力を与えることに成功している。入念なディテールの作り込み、その天才的な手腕に集まったプレスは感嘆のため息を漏らしていた。

 もともとヒット作に恵まれているスタジオではあったものの、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』の大ヒットがさらに「バッド・ロボット」の名声を確固たるものにしたことは間違いない。そして、2015年には世界中の映画ファンが待ち望んでいる新『スター・ウォーズ』が制作される。「呼吸を知っている方がやりやすいからね」とJ・J・エイブラムス監督は、過去作でタッグを組んだスタッフと好んで仕事をすることで知られており、本作のスタッフの多くが新『スター・ウォーズ』にも参加することが予想される。映画界を代表する2大SFシリーズ、『スター・ウォーズ』と『スター・トレック』の架け橋となる「バッド・ロボット」に注目だ。(編集部・福田麗)

映画『スター・トレック イントゥ・ダークネス』は8月23日より全国公開