お互いの威信をかけて予想対決する馬券名人の六車奈々(左)と宮川一朗太。時には爆笑してしまう場面も

写真拡大

第80回の節目を迎える、競馬の祭典・日本ダービー。ひと筋縄ではいかないレースを、芸能界きっての“競馬通”である宮川一朗太と六車(ろくしゃ)奈々のふたりが、ズバリと大予想!

■あの大本命馬を負かす馬はいる?

宮川一朗太(以下、いち) 先日、ボクと奈々ちゃんで立ち上げたネットの競馬番組『いち−奈々で、鉄板!!』は、すごい反響だったね。

六車奈々(以下、奈々) ホント! 視聴率もよかったし、初めての試みだったのですごく楽しかった。

いち もっといろいろ話したいけど、とりあえず予想にいこうか。

奈々 今回は第80回という節目のダービーなので、気持ちよく当てた〜い!

いち 実は、近年のダービーですごいことに気がついちゃったの。

奈々 なになに?

いち この5年間で、「1−7」がナント3回も絡んでるんだよ!

奈々 へぇ〜! ダービーで1枠の馬を押さえるのは基本だけど、7番は知らなかったなあ。

いち 2008年は1番ディープスカイが1着、7番スマイルジャックが2着。10年は1番エイシンフラッシュが1着で、7番ヴィクトワールピサが3着。11年は1番ウインバリアシオンが2着で、7番ベルシャザールが3着。これはもう、ダービーはボクらのためにあるレースじゃないですか(笑)。

奈々 じゃあ、1−7のワイド馬券を買えばいいんだね♪

いち うん。とまあ、それはさておき、もう少し真面目な話をすると、ダービーにはすごく重要なデータがあって、それはこの10年間で連対した馬はすべて重賞を勝った馬だということ。しかも、2歳秋の11月以降の重賞を勝ってないと、本番では通用しないんです。

奈々 へぇ〜。それは知らなかった。私のダービー予想で軸になるのは3つ。ひとつは、大きなプレッシャーがかかるので、20代の若い騎手が勝つのは難しいこと。

いち おっと、いきなり大本命馬(ロゴタイプ)に乗るジョッキーにケチをつけましたね(笑)。

奈々 それから、1枠の馬は押さえることと、馬体重が479kg以下の馬は軸にしないことです。

いち なるほどね。じゃあ、そろそろ本命馬を発表しようか。


奈々 かなり悩んだけど、現時点での本命はフラムドグロワール

いち すごい馬を挙げてくるね。

奈々 前走のNHKマイルCは休み明けで僅差の3着。次は叩き2戦目で変わり身が期待できるし、しかも、この子のお母さんはオークス馬のシルクプリマドンナ。距離は絶対に延びたほうがいい。人気もないし、ダービーに向けてすごく楽しみだなって。

いち あのぅ、さっきボクが力説した「ダービーは重賞勝ち馬じゃないとダメ」って話は聞いてた?

奈々 まあまあまあ(笑)。ただ、私は軸狙いだから3着以内に入ってくれればいいやと思って。実績ではほかの有力馬が上だけど、未知の魅力にかけてみたい!

いち ボクの本命は、目下4連勝中のロゴタイプ。勝った皐月賞を何回も見直したんだけども、やっぱりこの馬は強いよ。

奈々 うん、強いよね。

いち 皐月賞は1000mが58秒というハイペースのなかを早めに動いていって、一番外を回ってねじ伏せるような強い競馬をした。

奈々 うん。私も、朝日杯FS(フューチュリティステークス)のときは、うまく乗って勝ったという印象があったけど、皐月賞を見たときには強い!と思った。

いち それで、今度のダービーは大逃げを打つ馬がいないので、スローペースの“よーいドン”の競馬になるはず。そうなると、好位につけられるロゴタイプは、ますます有利になると思う。

奈々 うん。ただ、私は距離延長が不安なのと、馬券的な妙味が薄いので少し印を下げました。じゃあ、対抗は?

いち これも人気だけどエピファネイア。皐月賞では、勝ったロゴタイプからわずか0.1秒差の2着。3着以下とは0.2秒以上の差があることからも、今年のダービーはロゴタイプとエピファネイアの2強だと思ってる。

奈々 実は、私の対抗もこの馬で、母は名牝(めいひん)シーザリオという良血馬。3走前のラジオNIKKEI杯2歳Sステークスを勝った後、手綱を取った福永騎手は、「この馬は化け物」だとコメント。相当高い能力を秘めてるんだと思う。でも、気性的な部分はすごく心配だな。

いち わかる。そういう意味でも、エピファネイアは枠順にものすごく左右される感じがするよね。

奈々 ちなみに、私が特注馬として推したいのはコディーノ。距離に不安がささやかれてるけど、父キングカメハメハ×母父サンデーサイレンスの血統からは、距離が延びたほうがいい気がする。

それから過去にレコード勝ちしている馬って、割とGIに絡んでくるし、近走は勝ちきれてないだけで結果は出してるんですよ。


いち そうだね。ただ、勝ち負けまではどうかと思うけど。ボクの特注馬はメイケイペガスター

奈々 攻めますね〜!(笑)

いち 3走前の共同通信杯では、スパーンと弾けて快勝。この共同通信杯で好走した馬って、クラシックでけっこう活躍してるよね。

それから皐月賞ではメンバー最速の上がりで9着。実は、98年のダービーでスペシャルウィークの2着に激走したボールドエンペラーも、皐月賞で2番目に速い上がりで6着。すごくカブるんだよね。ただ、この馬は弾けたときと不発のときの差が激しすぎるので、そこはすごく不安だけど。

奈々 ところで、京都新聞杯を完勝したキズナはどう?

いち キズナは毎日杯、京都新聞杯とここ2走の勝ちっぷりが素晴らしいので、相当人気になると思うけど、正直、そこまで強いと思ってないかな。だって、ラジオNIKKEI杯2歳Sで、エピファネイアはともかく、バッドボーイすら捕まえられなかったからね。結局、強い勝ちっぷりだったこの2戦は、メンバーのレベルが低かったってことだろうね。

奈々 同感。タイムは平凡なんだけど、豪快な勝ち方だけが目立ってる感じがする。

いち とにかく、ダービーは重賞勝ち馬を重視したほうがいいということ。その上で、今年の3歳牡馬は、ロゴタイプとエピファネイアがちょっと抜けてるというのがボクの見解かな。

奈々 ごもっとも。そこの評価はまったく一緒ですね。ただ、競馬っていうのは枠順や当日の馬場など、いろんなものがあいまって決まるわけだから、そういう意味では未知の魅力にかけてみるのも競馬の醍醐味だと思うの。

いち ともかく、1−7のワイドだけは買っておこう(笑)。

★ふたりの最終的な予想は、5月25日(土)21時よりUstreamで放送予定の第2回『いち−奈々で、鉄板!!』をチェック!


URLは【http://www.ustream.tv/channel/ichi-nana-teppan】

(取材・文/浜野きよぞう 撮影/西山奈々子)

●宮川一朗太(みやがわ・いちろうた)


2冠馬ネオユニヴァースをはじめとする数々の名馬を見いだす相馬眼の持ち主

●六車奈々(ろくしゃ・なな)


『サンケイスポーツ』(関西版・毎週土曜)にコラムを連載中