潘:「スタジオは今もありますけど、そこは駐車場になっちゃってるんで、観光として見に行ってください(笑)」

いやはや、34年も前のこととなるとおおらかに語れてしまうものだなと。なお、司会の女性に「池田さんはそのホテルにお泊まりになられたことは?」と問われ、「いやいやいや……」と否定するまさかの展開に。いろいろな意味でいいものを見させていただきました。

当時の収録は今と違いDVDでの予習などがなく、ちょうどマックロードができた頃で、自宅で予習できないため、リハーサルで映像を1回見て合わせるのだが、永井一郎や白石冬美らベテランは1回でうまくできるが、まだキャリアの浅い池田たち若手は1回では把握できず、リハの前にもう1回先に見ていたという。潘は当時忙しくて現場に行ったらリハが終わっていたこともあったそうで「私が後から行った時、(池田が)潘ちゃんこれから見る? って言ってくれて……つまりあれ3回見てたの?」と訊ねると、池田は「シャアは3倍だから(笑)」と笑わせてくれたが、アフレコ終盤からララァとして参加した潘へのさりげない気遣いと、それをユーモアで話をまとめるのがカッコイイ。

ファンからの質問で「当時の失敗談などあれば」ときて、池田は「失敗する暇がなかったんですね。当時はアフレコ現場の人数が8人ぐらいで、ジオン軍兵士なんかをその中の誰かがやっていて。永井一郎さんなんかは大変で、シャアの部下やら連邦軍の兵士やらいろいろやっててごちゃごちゃになって(笑)。大変そうなので僕も(モブを)やると言ったんですが、見事に(シャアと)変わらなくて、(スタッフに)もういいですと言われました」(場内爆笑)

これはもう、池田とシャアがよくぞ出会ってくれた、と言いたくなるエピソード。もし池田がガルマにキャスティングされていたら、ガンダムの歴史は変わっていたに違いない。……続きを読む