福士蒼汰ファースト写真集
After Chicken Rice Go To Merlion
東京ニュース通信社

アキが恋しちゃった種市先輩を演じる福士蒼汰もキラキラしてます

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アイドルは人を元気にする。
大衆は少女が健気にがんばっている姿に弱い。
そんなシンプルながら不滅の真理をエネルギーにして疾走し続ける連続テレビ小説「あまちゃん」(NHK/脚本 宮藤官九郎)が放送開始から早くも1ヶ月が過ぎました。もうあっという間。
ヒロイン・アキ(能年玲奈)は東京から「寂れた老人とヤンキーと狐しかいない過疎の町」(ヒビキ一郎談)・岩手県北三陸市に移住し、海女になり、ウニをとってと行動が加速するにつれて町もにぎわっていきます。やっぱりアイドルパワー強しです。

第5週(4月29〜5月4日)「おら、先輩が好きだ!」では、アキが北三陸のアイドルとしてユイ(橋本愛)と人気を二分するほどにまで上り詰め、さらに恋をしちゃいます。
憧れの先輩・種市(福士蒼汰)、毒舌の事務員・花巻(伊勢志摩)、潜水の先生・磯野(皆川猿時)など新キャラも続々登場で、北三陸市がますます沸きます。

アキが自転車を猛スピードで漕ぐときのグングンパワーのように、キャラクターの勢いで押しまくり、情報量を増やし、どんどん出来事を転がして、情緒的な部分は極力あっさりめにする見せ方は、朝ドラが新たなターゲット視しているらしいネットユーザーやオタク層などには、ちょうどいいのかもしれません。

27回にて、「天野アキ、高校2年にして初めての一目惚れでした」というナレーション(宮本信子)が入ったとき、「初恋」と言わず「初めての一目惚れ」とあるのは、アキちゃん、初恋は既に経験済みなの? と気になったものの、その説明は特になく、アキは恋へ一目散。見る者をやきもきさせ、振り回していくこともアイドルの役割のひとつですから、仕方ありません。
北三陸の魅力を吸収するばかりの受動的だったアキが、次第に能動的になっていく、そのもようを9つに分けて、おさらいしていきます。

1.アキ、ユイの人気を超える!


観光協会のサイトにあがった、アキがはじめてウニを撮ったときの映像「なまりすぎる 海女のアキちゃん」(撮影:ヒロシ)が注目を浴びて、北★鉄のユイちゃんの映像のアクセス数を超します。
ユイは洞窟で「めっちゃ悔しいー!」と本音をぶちまけますが、ふたりの友情は壊れません。ユイはアキのことを「かっけー」と認めています。互いにリスペクトし合うなんて清々しすぎる友情なのでしょう!

2.アキとユイの同人誌ができる!


アキとユイの人気が高まり、ファンによる、彼女たちを主人公にした同人誌まで誕生します。
「UNIT」というタイトルで漫画の載った同人誌を、観光協会長・菅原(吹越満)から見せられた、アキの母・春子(小泉今日子)は驚愕。
アキとユイのガールズラブなどの同人誌ではなく見ているほうも胸をなでおろしましたが、中身は「アキの初恋」という漫画で、キスシーンも描かれています。むむむ。
これだって「何これ!」と春子を怒らせるに足るもののような気がしますよね。

3.アキとユイの、奇跡のコラボレーションはじまる!


アキとユイの人気に頼る地元の人たちは、ふたりに、海女の格好をさせて北鉄でウニ丼の車内販売をさせることにします。
これが案の定、大当たり。ほくほくの菅原(吹越満)と北鉄駅長大吉(杉本哲太)たち。夏ばっぱ(宮本信子)もまんざらではないようす。
しかし、春子(小泉今日子)は、娘が好奇の目にさらされ消費されていくことを心配します。

4.アキ、一目惚れする!


10月になって海女としての稼働ができなくなると、海女たちは燃え尽きたようになって、何に使うかわからないながらミサンガ作りで時間を潰す日々。
新人ながら気持ちを持て余していたアキでしたが、高校の潜水土木科の授業を見て、3年生の種市浩一(福士蒼汰)のしゅっとした(春子談)姿に夢中になってしまいます。
久慈における男の花形・南部潜り(女の花形は海女)の達人である浩一の影響で、アキは潜水士を目指すことに。

憧れの先輩・種市役の福士蒼汰は、93年生まれの19歳。首からアゴのラインがまだまだ華奢で瑞枝のよう。11年に「仮面ライダーフォーゼ」の主役に抜擢された注目株です。

北三陸では、男の花形は南部潜り、女の花形は海女 ですが、
テレビドラマでは、新人男子の花形はライダー、新人女子の花形は朝ドラヒロインなのです。

5.アキ、恋で盲目に!


アキは、高校のパンフレットに載った種市の写真を見て、山田奈緒子(トリック)のように「エヘへへ」と字に書いたように笑い、すっかりデレデレ。

「海女の次は潜水士、まったく目の離せない子です」とは、28回で流れたツッコミナレーションですが、いくら、海が冷たくなって海女の仕事ができないとはいえ、男だらけの潜水土木科に編入するなんて無謀過ぎ。そして、案の定、彼らが男くさい応援歌を唄う姿にどん引きするのです。
そもそも種市への恋心で自分の進路を決めるなんて、アキの流されやすさに、今後が心配になってきます。

それに、アキに夢中のヒロシ(小池徹平)に「間が悪い」といい放つことも、いくら海に入ると嘘がつけなくなると事前にエクスキューズしているにしても、残酷な子です(涙)。


6.南部潜りの男たちがかっけー!

「なんぼ技術が進歩しても基礎工事は人間が潜ってやんねばなんねえ。そういう仕事に自分は誇りを感じてるんだ」という種市のセリフは、アキじゃなくても「かっけー」と目がハートになるってもんです。

プールに潜る種市の姿にボーッとなり、ヘルメットをかぶって顔が見えなくてもわかると自信満々のアキでしたが、それは、実は種市と似ても似つかないおっさん先生・磯野(皆川猿時)だというオチ。
母・春子も同じ間違いをして、似た者母娘だなあと思わせます。

ギャグに使われている磯野先生が、潜ってる姿はかっこよくて、種市と間違われるというのは、やっぱり北三陸の漢ってことで、ちょっといい話な気もします。


7.アキ、ヤンキーの存在を知らなかった!


春子が高校時代、ヤンキーだったと聞いて「包丁もって子供を追いかけたりした?」となまはげと混同するアキ。
春子は現在も長いスカートを好んで着用していますが、ヤンキー時代の長いスカートの名残なのでしょうか。
ズルズルのスカート、薄いカバン、風邪でも花粉症でもないのにマスク・・・というヤンキーファッションの春子と、メガネくん菅原の3日間のみの交換日記の中身、80年代ソングネタはクドカン先生の名人芸です。

ヤンキーを知らないアキですが、母の80年代の青春がつまった部屋に入り浸るようになります。そして、種市との恋の夢のBGMはYMOの「君に胸キュン」。

そんな80年代部屋に大興奮したのはユイでした。
彼女は80年代カルチャー好きであることもわかります。ユイって、プロ意識高い子であると同時に自らが、ある種のアイドルオタクなのでしょう。
アイドルについてよく知っているからこそ、いろいろな心構えももてるのではないかと思わせます。

8.夏ばっぱも恋?


春子の80年代部屋は30年近く放置されていたわりにはキレイ。これって、夏がいつ帰ってきてもいいように掃除していたという母の思いの表れなんでしょうかね。
そんな夏ばっぱが、妙に浮かれていることが気になる、アキと春子。
亡くなった夏の夫・忠兵衛(蟹江敬三)の写真が仏壇からなくなっているのもあやしい。
すると勉さん(塩見三省)が、夏ばっぱが漁業組合長(でんでん)と浮気していると言い出して、夏に不適切な関係、泥沼交際疑惑が持ち上がります。


9.じぇじぇじぇ過ぎる展開。アキのおじいちゃんが生きていた!? 


アキが列車の中で海女の格好をしてウニを売っていると、客の中に見覚えのある顔が。
それはまぎれもなく仏壇に飾ってあった忠兵衛で、アキはたまげて・・・。
夏とのなれそめ(胸を露にして潜る夏の姿を観光客に見せたくないと反対した)などの思い出エピソードなどがとても魅力的な忠兵衛ですから、回想だけで済まない気はしていましたが、忠兵衛も種市と同じ潜水土木科出身という情報が語られた週に登場とは、考えられた構成であります。
最初の1ヶ月は海女という女たちの姿を描き、2ヶ月目は、男たちがクローズアップされそうですね。
今週、第6週は、月曜から忠兵衛を中心に早くも大盛り上がり。5月の風のようにさわやかな少年に恋する「あまちゃん」なのか、おじいちゃんパワーで濃い「あまちゃん」なのか、どっちに転ぶか目が離せません。
同人誌漫画「アキの初恋」のようなチュー展開も待っているのでしょうか!
(木俣冬)

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