中国大手検索サイト百度の反日的思想を持つ中国人たちが集まる掲示板に、「H7N9鳥インフルエンザは日本のスパイの仕業ではなかろうか?」というスレッドが立てられた。スレ主が抱いた疑問に対して、中国人ネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。

 スレ主は、2002年に発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)も日本と中国が東シナ海で争っていた際に発生したと述べ、「今回は釣魚島(尖閣諸島の中国側呼称)を巡って争っているさなかに鳥インフルエンザが流行したが、これは日本のスパイの仕業ではないだろうか」と述べた。

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 スレ主の主張に対して、中国人ネットユーザーからは「かなり可能性は高い。小日本は何でもするからな」、「日本は鳥インフルの新薬を開発しているのだから、さらに疑わしい!」などといったコメントが多く寄せられた。

 そのほか、日本を疑ううえで具体的に理由を挙げるユーザーもおり、「オレもそう思っていた。長江デルタ地域はわが国の動脈だ! 731部隊が残したウイルスに違いない!」、「証拠はないが可能性は高いな。第2次大戦中の日本の生物兵器は凄かった」など、戦中の731部隊を引き合いに出す意見もあった。

 一方で、「無知って本当に恐いね」、「中国人ってどうしようもないバカだな。あきれるわ」という冷静な意見も少数ながら寄せられた。

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 鳥インフルエンザの流行が日本の仕業だという主張は当然根拠などは存在せず、まともに取り合うだけ無駄な荒唐無稽な意見にすぎない。中国メディアによれば、14日までに中国全土での鳥インフルエンザH7N9型の感染者数は60人に達し、うち13人が死亡した。これまでは上海など長江デルタ地域での感染が中心だったが、北京や河北省など内陸部でも感染が確認された。

 世界保健機関(WHO)によれば、鳥インフルエンザH7N9型ウイルスの人から人への感染は確認されていないが、中国での感染拡大もいまだ食い止めることができていない状況だ。(編集担当:畠山栄)