有明の森で「か〜め〜は〜め〜波ぁぁ！」映画「ドラゴンボールZ 神と神」天下一試写会イベントレポ
幕があがると、そこには懐かしの天下一武道会会場がリアルに再現。そのクオリティの高さに、集まった800名のドラゴンボールファンがどよめく。
興奮ぎみの観客の視線の中、会場中央に設けられた武舞台には「ドラゴンボールZ」声優陣が続々登場。そして最後に現れたのが、クリリン役の田中真弓と、孫悟空役の野沢雅子の二人だ。第22回天下一武道会準決勝・クリリンvs.悟空の入場シーンを彷彿とさせる。
「オッス、オラ悟空！」
おなじみの挨拶で、悟空が戻ってきた。
今回の映画の特徴はなんといっても、原作者の鳥山明が「ストーリー」と「キャラクターデザイン」のクレジットで、企画の初期段階から加わっている点だ。「ドラゴンボール」の劇場版は過去17作品あるが、鳥山明がここまで深く関わったことは未だかつてない。
司会者から映画の見どころを質問された野沢雅子も、この点を強調する。
野沢：ストーリーはやっぱり、鳥山ワールドですよ。すっばらしいですよ。私は、試写を鳥山先生と一緒に拝見したんですが、映画が終わって私が「うわー、面白かったぁ。良かったですねぇ」と言ったら、鳥山先生も「思っていた以上の出来です！」と。原作者が太鼓判を押しているんです。日本中の皆さんとは言わず、私は世界中の皆さんに見ていただきたいです。
この話を隣で聞いていた田中真弓は、全く別な切り口から映画の見どころを語る。
田中：面白いのは当然なんですけど、クリリンに……毛が生えてるんですよ！ そのことが気になって（笑）。毛のないクリリンは、体を洗う石けんで頭も洗っていたと思うんですけど、今回はシャンプーを使ってると思うんです。でも、シャンプーはどれくらい（の量を）使えばいいのかわからない。そして、悟空みたいなヘアスタイルにしてみたいなーと思っている……まあ、これは私の妄想なんですけどね（笑）。
しかし、この妄想が劇中でも大いに役立っていたことを明かす。
田中：作品の中でパーティ会場がありまして、その中でガヤというか、みんなでおしゃべりをするシーンがあるんです。そこで私、勝手に「その頭、どうやって作るんだ？」と（笑）。＜髪のことが気になっているクリリン＞というのが、私のなかのイメージなので。
すかさず野沢雅子もこの「ガヤ」に言及。
野沢：このガヤは必見ですよ〜。いろんな人が、それぞれの役で台本にない台詞をしゃべってるんですよ。みんなアドリブで！ 豪華です!! あり得ないです、先にも後にもこんなに豪華なガヤは!!! それを探ってみるのもひとつの楽しみ方だと思いますよ。
声優陣の豪華さ、それもまた「ドラゴンボールZ」の楽しみのひとつだ。
この日登壇した声優陣は、それぞれ過去の思い出深い名台詞を再現してくれた。
野沢雅子（孫悟空）：みんなぁ、オラに力をわけてくれー！！
田中真弓（クリリン）：悟空ぅぅぅぅぅぅぅ
堀川りょう（ベジータ）：カカロット……お前がナンバーワンだ
草尾毅（トランクス）：スーパーサイヤ人は孫悟空さん一人じゃない。ここにもいたということだ！
台詞を聞くだけで、いつの、どの場面かが浮かんでくるから「ドラゴンボール」はやっぱりスゴい。
かと思えば、亀仙人役の佐藤正治は、「エッチなビデオ……じゃなかった、DVDはないのかのぉ？」とおどけてみせる。
でも、ギャグとバトルシーンの振り幅の大きさこそが鳥山ワールドだったりもする。今回の映画の中でも、鳥山ワールドらしいおちゃらけ感が満載だ。
そして、17年ぶりの劇場版にもかかわらず、変わらないチームワークの良さを実感する。「ドラゴンボールZ」のキャラクターの面々を総じて「Z戦士」とかつて呼んでいたが、この日集まった声優陣は戦士ではなく、「Zファミリー」と呼ぶべき連帯感を醸し出していた。
最後にはその出演者が勢揃いし、全員で「かめはめ波」のポーズを決め、イベントを締めくくった。
映画「ドラゴンボールZ 神と神」、3月30日から全国ロードショー！
間もなく、全国のスクリーンに「か〜め〜は〜め〜波ぁぁ！」の雄叫びが響きわたる。
（オグマナオト）
