見開きを考えると10インチ以上 電子版コミックに適したタブレットはどれ? 【デジ通】
多くのコミックは印刷・製本した雑誌や本になった状態を想定しページ割がなされている。見開きを前提としたページも多く、スマートフォンやタブレットなどで読む場合、この見開きが泣き別れになってうまく表現できない場合がある。

画面が大きめのタブレットなら1画面に2ページ表示しても読みづらくはないが、最近注目されている7インチクラスのタブレットや5インチクラスのスマートフォンの場合、画面サイズの関係で2ページの見開き表示には向いていないモノもある。そこで電子版コミックの見開き表示に最適なデバイスのサイズを考えてみたい。

コミックは出版社などにもよるが、大判を除くと大きく分けて2種類のサイズ(判型)がある。いずれもB5変形だが青年コミックなどに多いB6に近い物が130mm×180mm程度。それよりも一回り小さい少年・少女コミックなどに多い物が110×175mm程度。

これらのコミックを見開きで表示すると、最近のワイド化したディスプレイでは横方向がかなり余ってしまう。
一般的なパソコンやテレビ用のディスプレイは16:9の縦横比で、縦を1とした場合は1.78:1となる。いっぽうコミックを見開きにすると、1.44:1や1.22:1となる。

1.78:1の縦横比は多くのスマートフォンで対応しているサイズだ。スマートフォンの場合、通常のページは縦位置で、見開きページだけ横位置にすることで、見開きは違和感なく表示できるが、サイズの関係で横位置表示にすると今度は文字が読みづらい。

タブレットはRetinaのiPad以外は1280×800ドットや1920×1200ドットの解像度、16:10の縦横比が多く、縦を1にした場合は1.6:1になる。こちらの方がコミックの1.4:1に近くなり見開きでも読みやすくなる。

しかし、コミックは文庫版コミックの縦150mm程度のサイズがないと、文字と絵のサイズが小さくなりすぎ読みづらくなるモノがほとんどだ。7インチタブレットで見開き表示にすると、縦位置では100mm程度なので、かなり小さく感じる。

4から5インチ程度のスマートフォンを縦位置表示した場合も100mm前後なので、この画面サイズで問題ないならかまわないが、なにしろ全体的に文字が小さめで読みづらいと感じる人も多いだろう。

結局、見開きで縦位置が文庫版コミックと同じサイズになるのは10インチ程度のタブレットだ。Kindle Fire HDやNexus 10などもインチ数自体は10インチ程度だが、縦横比が16:10となる。iPad(Retina)は4:3なので、縦を1にした場合は1.33:1になるため、1.4:1のコミックに最も近い。

見開き表示した場合の高さも文庫版コミックと同等の150mm程度で読みやすい。iPad miniも4:3だが、サイズが小さくなるのと解像度が低い事もあり、細かな文字などは読みにくくなる場合もある。

以上より、コミックを見開きで読むのにベストなタブレットはiPad(Retina)になる。次点としては10インチ程度で解像度も高いNexus 10などだ。しかし、紙のコミックの重量は200g程度だが、iPadはその3倍の650g程度あり、手に持って読む場合はかなり重く感じるだろう。重量面ではiPad miniの約300gという重量はかなり魅力的かもしれない。


上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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