――共演者の真木よう子さんと、寺島しのぶさんの印象は如何でしたか?

柴咲:二人とも想像してた通りではないですけど、近い感じでしたね。ちゃんと自分の意見を通して、伝えて、意思表示をしっかりする。例えば、演出で「ん?」って感じたのを顔に出すし、「それ、なんで?」ってちゃんと聞くのが想像してた感じだったから、信頼に繋がりますよね。溜めてコソコソ思ってたりすると、こっちも気になるけど、そういうのが全然無かったから、すごく楽でした。

――特に3人のピクニックのシーンが印象的でしたが、自然体でしたね。

柴咲:そう!普通は間とか伺ったりするじゃないですか。全然無いですね。特にしのぶさんのお芝居が自然体というか、ご本人と役が近い所があったのか分からないですけど、すごく飾り気の無い感じで、そこに疑いが無かったですね。まいちゃんとは二人で泣いたり感情的なシーンもあるので、役としてすーちゃんがまいちゃんを伺う所もあるから、ちょっと別なんですけど。

 

――柴咲さんご自身には、まいちゃん、さわ子さんのような友人関係はありますか?

柴咲:私、友人は大分少ないと思うけど、あります! ちょっと前まで、友人が多い人を羨ましく思ってたんです。だってその分、人と会うし、あまり孤独を感じなくて済むじゃないですか。例えば、真木さんとしのぶさんとメールアドレスを交換したし、たまに呟くようにメールしたくはなるけど、独特の距離感があったり、ベッタリした付き合いでもない。家族的に付き合う友人となると本当に少数しかいない。

 更に大人になると、話すべきこととか、相談したいことが減ってくる。相談しても無意味だということが分かってくるので(笑)。前は「聞いて!どう思う?」みたいに答えを求めてたけど、答えが出ないことも分かってきちゃったから。結局は「自分がどうするか?」なので。でも、ただ一緒にいるとか、世間話でも政治の話でもいいし、相手の今のシチュエーションとかを聞くだけでも、何かヒントをもらえたりする。自分だけの空間じゃない、人と一緒にいると違う空気をもらえるから、それ自体が癒しになってますね。

――対する男性陣の井浦新さん、染谷将太くんの印象は?

柴咲:新さんは空気を読む方だなと。見てないようで、色々と現場を見ている方だなという印象がありました。すごく柔らかい印象の見た目だけど、それだけじゃない。男性としてか、人間としてか、しっかりした所があって、それが周りに支持されている理由の一つなのかなと感じました。

 染谷くんは、会う前から感じてたんですけど、会ってもそうだと思ったのが、年齢不詳だし、魂が古風のような気がして(笑)。何遍も生まれ変わっているような、不思議な奥行きがある人だなと思いました。年下なんですけど、それを全然感じなかったですね。ちょっとミステリアスな部分もあるので、より一層助長させている気がします。

 

――柴咲さんご自身は、中田マネージャーみたいな男性のタイプはいかがですか?

柴咲:中田マネージャーみたいに優柔不断なのは嫌ですね。ちょっとキツいです。自分が物事をハッキリしたいタイプだから、もしかしたらそっちの方がいいのかもしれないけど。最終的には「大丈夫だよ」と言ってくれる人がいいから、「うーん…」って迷われちゃうと、より一層自信がなくなっちゃうので。

――アルバイトの千葉くんみたいなタイプは?

柴咲:いいと思います! すーちゃん的には年齢が引っ掛かると思うんですけど、私はあまり気にしないので。経験の差はあるかもしれないけど、その人が元々持っている感性があるから。感性が豊かな人が良くて、いくら年を取っていても感性が無い人には共感できないので。千葉くんは独特な感じがするので、興味が沸きますね。

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