韓国のコミュニティーサイト「ガセンイドットコム」の掲示板に「韓国大統領の就任式を80分も生中継したNHK」とのスレッドが立てられたところ、韓国人ネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。

 スレ主は、「朴槿恵(パク・クネ)大統領の就任式をNHKが80分間生中継しました。これに日本のネットユーザーたちは、異常な状態を超えて、恐ろしいことと言いながら驚愕し、怒っている様子だ」と述べ、これに対する日本人ネットユーザーのコメントを紹介した。

 日本人ネットユーザーの反応として、「天皇陛下のお言葉はほとんど放送もしないくせに」 、「本当に不思議」、「韓国の大統領の就任式は80分間生中継して、竹島の日の行事は1分間」、「どこの国の放送局?」、「誰が見るの?」などと、NHKを批判する意見が多く上がったと紹介した。

 一方、これらの反応を見た韓国のネットユーザーからは「ありがたく見ました」という人や、「アジア初の女性大統領なのだから、大きく報道するのは当然」、「NHKが放送した理由は、朴槿恵大統領が今後の日本に大きな影響を及ぼすと想定したから」などと、韓国の新政権が日本にも影響を及ぼすからであり、当然だとするという意見が多く見られた。

 また「嫌いなのに見るのはなぜ?」と日本の反応に疑問を抱く声もあった。

 さらに「韓国で日本の首相就任式を地上波で生中継すれば、どんなことが起こるだろう?」という問いには、「放送局には抗議電話が殺到します」、「テレビを壊す人が続出」との答えも見られた。

 韓国では、今でも地上波で日本のドラマや音楽を放送することは規制されている。今回の就任式も、日本ではNHKをはじめとする多くの放送局が報道したが、韓国で日本の首相の就任式が放送されることはない。両国のテレビ放送に対する考え方の違いが、ネットユーザーにも影響を与えたといえそうだ。

 韓国と日本は現在、政治的には極めて微妙な関係にある。自由主義という共通の価値観を持ち、ミサイルや核実験を繰り返すという極めて危険な行為を繰り返す北朝鮮には、共同で対処することが必要だ。

 一方、竹島の領有を巡る問題では、両国の対立がエスカレートした。両国とも民主主義国であるだけに、政権はたとえ「過剰にすぎる」と考えていたとしても、国民の感情的な盛り上がりに配慮せざるをえないという事情もある。

 NHKがで朴大統領の就任式を衛星放送で長時間にわたって放送したのは、就任演説における対北朝鮮政策、対日政策が、日本にとって大きな意味を持つと考え、放送の価値があると判断したからにほかならない。(編集担当:李信恵・山口幸治)