築地市場移転問題/豊洲整備費用が増大/3926億円→4500億円/東京

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東京


 東京都が計画している築地市場(中央区)の移転先、豊洲新市場(江東区)の整備費が計画(3926億円)より574億円ふくらむことが26日までに分かりました。新市場予定地の土壌汚染対策に手間取り、開場が2015年度中と1年遅れることが明らかになったばかりです。

 都は09年2月に策定した新市場整備方針で、豊洲市場の整備費を総額3926億円と公表していました。ところが、13年度予算案を編成する過程で事業費を見直した結果、4500億円になる見込みとなりました。土壌汚染対策費が672億円(86億円増)に、施設建設費が1532億円(542億円増)に、基盤整備費も436億円(66億円増)に、それぞれ大幅に増えました。減少したのは用地取得費だけです。(表)

 中央卸売市場管理部では「東日本大震災を踏まえて防災対応力を強化し、業界の要望を受け入れた施設に変更して、周辺の緑地帯対策を拡充し、民間業者が整備する計画だった加工パッケージ施設などを都整備に切り替えたためだ」と説明しています。

解説

汚染次つぎ ずさんな計画

 豊洲への市場移転計画は石原慎太郎前知事が策定し、猪瀬直樹知事も継承しています。

 新市場予定地は東京ガス工場跡地で、ベンゼンやシアン化合物など有毒物質で高濃度汚染されていることが判明し、都は土壌汚染対策事業をすすめています。しかし、調査をするたびに新たな汚染箇所や問題点が判明し、浄化処理するための土壌量と処理費がふくれあがっています。

 11年3月の東日本大震災の際には、新市場予定地で液状化現象が108カ所で発生しました。市場関係者、消費者、専門家からは「都の汚染対策には欠陥がある。食の安全が保障できるのか」と批判の声があがっています。

 都議会の委託を受けて、議会局が10年8月に作成した築地での再整備案の建設費は、中央区晴海への仮移転費用を含めて1460億円〜1780億円でした。

 今回、豊洲の整備費が大幅に増額したことは、建設財源問題に影響を与えることは必至です。(岡部裕三)

移転は白紙に 築地再整備を

 清水ひで子共産党都議のコメント 豊洲新市場計画をめぐっては、土壌汚染問題だけでなく、入出荷する魚介類などの荷がスムーズに流れにくい施設計画であることなど、土地形状に起因する致命的な欠陥があります。その対策を講じるために整備費を増やしていますが、それでも解決できるかどうかは不透明です。また、業者の負担が増えるため、市場の運営についてのリスクも増えます。都は消費者と業者、専門家の声を聞き、移転計画を白紙に戻し、現在地再整備にこそ力を注ぐべきです。