――百々子は、優との同棲生活の中で彼に結婚する意志が無いことを知り、つやを愛する松生との違いを感じますが、真木さんご自身は、結婚する意味や、夫婦生活を共にすることついて、どのように感じますか?

真木:付き合ってる時って、変な話いつでも別れられるし、結婚してからの方が、色々と割り切れるようになったし、楽になったかもしれない(笑)。将来ずっと一緒に、側にいる相手だと考えた時に、以前の付き合っていたスタンスのままではいけないと思うんです。ただ、私が結構、仕事で出て行くことが多いから、家の中のことをやってくれたりするし(笑)、前だったら無かったかもしれないけど、感謝する部分はいっぱい出てきました。

――真木さんが、結婚相手に求める条件とは?

真木:何でも話を聞いてくれる人(笑)。

――真木さんが喋る方が多いですか?

真木:仕事が忙しくてストレスが溜まった時とか、私のサンドバッグになってくれるのは旦那です。思いっ切り「ウワァー!」って旦那に喋って(笑)。

――百々子は“愛を待つ女”でしたが、真木さんにとって“愛”とは?

真木:私にとっての愛は、見返りを求めない、無償なものかなと思って。ただ、その人が元気で幸せでいてくれれば、それで良いと思える相手には、愛をもっていると思います。

――真木さんが、誰かからこう愛されたいと望むことは?

真木:あまり無いなぁ。この前30歳の誕生日だったんですけど、事務所の人とかが盛大にパーティを開いてくれて「嬉しいなぁ」と思いました(笑)。

――真木さんはにとって“つや”のある女性とは、どんな女性だと思いますか?

真木:常識に捕らわれずに自由に生きたり、自分勝手って結構、素晴らしいですからね(笑)。なかなか、そうなれない世の中だから。他人に迷惑を掛けるということではないけど、他人からの批判とかを一々気にしないことかな。

――真木さんご自身は、どうですか?

真木:私は、ちょっとウジウジ考えたりしてますね。自分勝手になりたいとは思うし、そういう人には憧れるけど、リスクも伴うし。強い人にもなりたいとは思うけど、でも役者っていつも不完全な人間を演じることが多いから、決して完璧になりたいと思っている訳ではないし、完璧にはなれないと思っているけど。自分のコンプレックスだったり、嫌なことがあっても、ちゃんと受け止めて苦悩して、ダメな自分を知って葛藤しながら成長していきたいと思ってます。

――では最後に、これから本作をご覧になる方へのメッセージを。

真木:この映画は男性にも女性にも観てもらいたいですね、きっと男性と女性の感じ方って、色々と違うんだろうなと思うので。色々な女性が出てくるので、観終わった後に、「あのエピソードがすごく感動できた」とか「理解できなかった」とか、色々なエピソードがあるけど一つの作品になっていて、最後にみんなで語り合って頂ければなと思います。

――ちなみに、真木さんご自身は本作を観てどのような印象を持ちましたか?

真木:「女性って、大変だなぁ」って。結局、艶みたいなのが一番幸せなのかな?って思いました(笑)。

 落ち着いた声のトーンもあり、強い女性のイメージを持たれがちな彼女だが、時折覗かせる可愛らしい笑顔など、配役とはまた異なる彼女の素顔をわずかながらも垣間見た様で、人間としての魅力を覚えた。本作で、艶が一石を投じた水面の波紋によって、自分の最も身近な存在である人の知らなかった過去の“愛”を知り、自信が揺らいだり、コンプレックスを感じた経験は、きっと誰にでもあるのではないだろうか。6人の女優が描き出す“愛”の形は、女性に共感を与えるだけでなく、男性が複雑な女心を理解する手掛かりにもなるだろう。

『つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語』特集ページ


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