ソシャゲバブルな2011〜12年。ものすごい数のソシャゲがあらわれては消えました。その中で、頑張っていると感じた作品をいくつかピックアップ。写真はモバゲーで「戦国」で検索した時の画面。戦国だけで30あります。戦国多すぎィ!

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●頑張っていると感じた今年のソシャゲ個人的ベスト5
いやあもう本当にさ。
びっくりするほど2012年は、ソーシャルゲームバブルでしたね。
具体的に言うと、ケータイ、スマホ、PCのブラウザを使った、オンラインゲーム。しかも複雑ではなく簡単な、ちょっとやってすぐ終われるようなものをさします。

ソシャゲに触れてない人には全くなんのことやら、というくらい距離感のある話だとも思います。お店に行ってパッケージが売ってるわけでもなく、ネットの情報や友だちとの口コミくらいでしか話題にならないものですから。
「形のないゲーム」というのがしっくり来るかと。

本当に数多いので全部はできないのですが、100作くらいプレイした上で、個人的に今頑張っているなと感じるサービスベスト5+αを紹介してみます。
え、なんでサービスで「ゲーム」って書かないかって?
ソシャゲって「ゲーム」なのか「サービス」なのか難しいのが多いのです。
いくつかの点を最大★3つでポイントつけましたが、あくまでも主観なのでご了承を。

1位 パズル&ドラゴンズ(アプリ)
ゲーム性:★★★
ソーシャル性:★★
お手軽度:★★★
課金の必要性:なし〜
ネット安定度:★★
萌えキャラ度:★
なんか懐かしい度:★★★

アプリでのサービスになる『パズル&ドラゴンズ』は、3つくっつけると消えるタッチパネルパズルで連鎖を組んで攻撃をする、という、極めて懐かしい感じのパズルゲーム。
ガチャでドラゴンなどのキャラを入手して育成。進化もするので、じっくり遊べます。強いと連鎖時の攻撃も強くなります。
出てくる敵の属性にあったパネルを消すほど有利、連鎖が必要と、絶対的にテクニック重視です。
その属性にあったキャラも必要ですが、まずは連鎖を組めないとどうにもならないので、練習もいります。
またフレンドの強いキャラを一人仲間にできるので、ちゃんと連鎖が組めればちょっとずつですが前に進めます。テクニックを磨けば磨くほど、キャラをしっかり育てるほど、前に進めるのは快感。
課金は急いで前に進みたい場合はすることもできますが、しなくてもアイテムがもらえるのも嬉しい。
他のソーシャルゲームが比較的、カードとバトルありきだったのに対し、普通のパズルゲームにソーシャル性をくっつけた発想と、自分の腕を磨く楽しさを大事にしたバランスがよくできているアプリです。
決して派手じゃないんですが、ちょっとした時間に遊ぶ、ちゃんと面白いゲームは出来る、という好例です。

2位:ガーディアン・クルス(アプリ)
ゲーム性:★★★
ソーシャル性:★★
お手軽度:★
課金の必要性:なし〜
ネット安定度:★★★
萌えキャラ度:★
シューティング度:★★★

カードでデッキを組むゲーム、という点は他のゲームと同じなんですが、カードを入手する方法がなんとガチャガチャじゃなくてスナイパーライフルというのが斬新すぎる作品。
ようするにスナイパーの腕が高くなければ、どんなに頑張っても1枚しか手に入らない。完全無課金でも腕さえあがればカードは努力次第で手に入る、というのが実にいい。
イラストが全体的にバタ臭くて、古きファンタジー要素強め。好みはわかれると思いますが、ハンティングで手に入れたモンスターがモンスターしているのはなんだかニヤっとします。
シナリオはミッション性。クォータービューのマップにいる敵とカードバトルをして進む仕組みです。
他のソシャゲにある「進む」のコマンドが一切なく、ほとんど家庭用RPGと同じ。
ストーリーもあるため、一人でも十二分に遊べるRPGになっています。
更に遊びたい人はコロシアムで対戦したり、カードトレードをしたりとソーシャル性もそこそこあります。
しかしこの時代に、よくこんなガチファンタジーキャラの主人公持ってきたなー。主人公全然イケメンじゃないしハンティング場の看板娘かわいくないぞ。びっくりするわ。
女の子モンスターはかわいいです。

3位:戦国武将姫-MURAMASA-(モバゲー)
ゲーム性:★★
ソーシャル性:★★
お手軽度:★★
課金の必要性:★★〜
ネット安定度:★
萌えキャラ度:★★★
おしりと乳度:★★★

『戦国コレクション』『戦国サーガ』『百花繚乱!戦国アスカ』等、戦国武将を女体化したソーシャルゲームは多いのです。多すぎるくらい。
その中で飛び抜けておかしな方向に向かっているのがコレ。まさに「肌もあらわに」といったセクシー具合。なのに、変なところで史実に忠実で勉強になり……ません。
時々すごい気持ち悪いキャラも出てきますが、捨てたらダメ。進化したらすごいかわいくなるから!
基本ベースは、「ガチャ」「進む」「攻撃」という繰り返しで、他のソシャゲと同じ。
ところが週1ペースで変わるイベントがとにかく凝ってます。育成ゲーム要素の強いイベントだったり、ギャルゲー的なシナリオのあるイベントだったり。
毎回とにかく何か新しいシステムやストーリーを作ろうという意欲が見られます。毎週って大変よ。シナリオも凝っていて、これ一週間で見られなくなるの?ともったいない気分に。シナリオライターさんまじ大変だな。
ギルド戦も陣取り戦略が必要だったりと面白いのですが、現時点ではサーバー落ちが多いのが難点。
イベント内容やシステムが複雑なので、情報集めないとわからないことも多いですが、その分凝ってます。
イベントをこなすと強いデッキが組めるようになってますが、それ以外に欲しいキャラがいる場合はちょっとトレード用にお金かかるかも。ガチャ泥沼には要注意。
最近は公式でキャラに独自の個性を持たせたりデフォルメキャラを作ったりして、キャラコンテンツとしても育っているのも気になるところ。

4位:神撃のバハムート(モバゲー)
ゲーム性:★★
ソーシャル性:★★★
お手軽度:★★★
課金の必要性:★〜
ネット安定度:★★★
萌えキャラ度:★★
絵がすごい度:★★★

今伸び盛りの作品。『シンデレラガールズ』のついでに初めてはまってしまった、って方も多いのではないでしょうか。誰だよ。ぼくだよ。こっちのほうがサービス開始は先だよ。
このゲーム最大のウリはやっぱりカードのイラスト。どうでもいい弱小カードでも一切手を抜いていない、ファンタジー色の強いカードがそろっています。しかも進化によってがらっと絵柄が変わるので、全部集めたくなる。加えて新カードがドバドバ追加されるので、見ているだけで飽きません。
特に欧米ファンタジーを下地にした、和風アニメテイスト、というのを初期に確立しているのは大きいです。
ついでにレアガチャのチケットもどんどこ配られるので、のんびりやるなら十分楽しめます。
といっても根っこはやっぱり「進む」「ガチャ」「戦う」のシステム。ここはあくまでベースで、その上で行われるイベントが楽しいので、ある程度我慢して育てる+仲間とギルドを作ってからが面白さの本領発揮。
最も面白いのは「聖戦」と呼ばれるギルド戦。すごい弱くて戦えなくても、それなりにやることがあるのもユニーク。システムは複雑ですが、その分戦略は組めます。
その他にも、ものすごいアホみたいに強い敵を、知らないメンバーとフルボッコにするイベントも定期的に行われ、非常に爽快。
ベーシックなソシャゲの中ではよくできている方ですが、強さのインフレがちょっと不安なところ。

5位:大連携!!オーディンバトル(モバゲー)
ゲーム性:★★★
ソーシャル性:★★★
お手軽度:とても大変
課金の必要性:なし〜
ネット安定度:★★★
萌えキャラ度:★★
忙しい度:★★★

正直最初、システム複雑で何をすればいいのかさっぱりわからなかったんですが、これ、一日四回のギルド戦のためにキャラを育てるゲーム。
大体のソシャゲってギルド戦は何ヶ月かに一回、とかなんですよ。でも毎日4回ですよ。いやいやいや、それ大変すぎでしょ! このゲーム中心の生活になるでしょ!?と思うんですが、まあそのへんはうまくやりくりするのが大人。あんまりどっぷりはまりませぬよう。
キャラ自体はアバター式で(あとから変えることも可能)、ガチャで出るのは武器です。
普通のソシャゲの、いわゆるお仕事パートは、あくまでもこの作品の場合は「育成」です。メインになるのはギルド戦。ギルドに入ってなかったらすることないです。
それだけあって、やはりギルド戦の激しさや凝り方は尋常じゃない。たとえ弱くてもすること必ずあります。そのアクションによって「連携」をつないでいくのが最重要。
あとは前衛・後衛にわかれて作業分担し、勝利を手に入れるのが最大の目的。当然、作戦を打ち合わせておかないといけません。
ソシャゲのあり方として、ソーシャルの部分をとことんまで突き詰めたらこうなった、という感じのゲーム。非常に面白いのですが、とにかく毎日四回全部やるのはちょっとむーりー。
勝ち戦術がある程度ユーザー内でパターン化している部分があるので、そこは打破していただきたいところ。

●このソシャゲの今後に注目したい!

その他いくつか気になっているのをご紹介。

ペロペロ賞:アイドルマスターシンデレラガールズ(モバゲー)
オレの嫁度:∞

多分僕が一番やってる作品ですが、実質ゲームではなくコンテンツサービス化しているのでこっち。
最初の頃は「アイドルマスター」の名前に引っ張られつつ、ゲーム性を模索していました。しかし、今はきっぱり割りきって「キャラクターを愛でるサービス」へ移行しました。本体にゲーム性はあまりなく、ゲーム性をプレイヤー側が作り出す場になっており、ソーシャル度は高いです。そういう意味ではコミュニケーションツールに近い。
なんといっても150人以上のアイドル全員キャラが立っていて、しかも捨てキャラがいない、全員セリフがしっかりしていて一定のファンがいる、ってのはちょっとすごい。特に「アイドルプロデュース」というイベントはゲーム性をかなぐり捨てて(ランキングはあります)、ギャルゲーのように特定のアイドルと会話することを軸に置きました。
でも見たかったのはそれなんだよー、そこなんだよー。アイドルとしゃべりたいんだよー。
キャラ重視でライター・イラストレーターが力を入れているため、そこからTwitterやpixivとのつながりや二次創作が盛んになり、今はマンガ・フィギュア・CD・コンシューマゲームとメディアミックス展開が期待される作品になっています。
ファン活動が活発なのが最大の特徴。溺愛度が高いため、Sレア(希少レア。ソシャゲによってはウルトラレア、レジェンドなど上位もあります)カード入手が困難なのが難点。
ぼくの担当アイドルはパッションの大槻唯ちゃんです。大槻唯ちゃんをよろしくお願いします。

頭悪いで賞:秘書コレクション(GREE)
意味がわからない度:∞

人気のゲーム『戦国コレクション』『ドラゴンコレクション』と同じコナミチームなんですが、初めて数分で目が点になります。戦コレもたいがいでしたけどね。明らかに戦国じゃないキャラばっかりだし。
秘書のカードを集めていくんですが、その秘書の種類がすごい。
ちょっと見ただけでも「SP秘書」「消防士秘書」「溶接工秘書」「ヒッチハイク秘書」「イビルシャーマン秘書」「ニート秘書」と、それ秘書なのかなんなのかわかんねえよ、ってのばかり。
そのうち合わせ技なネタが増えてきて、「パンプキン吸血バニー秘書」「湯けむり黒電話秘書」「Xmasチェンソーサンタ秘書」「女王水着ぬいぐるみ秘書」なども登場。
ごめん、わからん。全く。
最近だと「10mガチャ」というのがあったんですが、これなにかというと「バストサイズ合計10mまで引けます」というガチャ。
バカだろう(褒め言葉
ソシャゲだからなんでもできる、っていうのを「○コレ」シリーズは貫いている感あります。
しかし秘書コレの狂いっぷりには惚れ惚れします。特にゲーム性はないんですが、カード見ているだけでお腹いっぱいになれます。
個人的に「アマゾネス秘書」が好きです。

期待してます賞:拡散性ミリオンアーサー(アプリ)
声優発表して度:★★★

イラストレーター名をちゃんと明記している、数少ない珍しいソーシャルアプリ。
主人公3人のアーサーをめぐる物語は、作家鎌池和馬によって硬派なシナリオで執筆されており、がっちりした物語があります。
その反面イベントは「水着の写真を集めろ!」だの、なにかトンチンカンでアッパー。最近だと、地球滅亡を免れたのでガチャチケ配布とか、運営のアッパーな雰囲気はちょっと楽しいです。
が! シナリオの解放(まだ全然完結してません)や、「フルボイス化」などを高らかに語っていただけに、現時点でそこまで至ってないことがとにかく歯がゆい! 歩くだけのイベントも歯がゆい!
非常に凝ったことができるはずのスタッフだと思うので、来年に期待。

期待してます賞2:夕暮れのバルキリーズ
成長の伸びしろ度:★★★

キャラカード式じゃなくて、シナリオに沿ったメインキャラのみが使えるという稀なタイプ。レベルが高くなっても強くならないのはびっくり。強くなるためには武器防具が必要で、そちらがガチャ。
ストーリーがしっかりしており、キャラに対する愛着もわいてきてアニメを見ているように楽しめるのがいいところなんですが、最大の難点はイベントがないと何もすることがないのと、イベントでの強さ=ガチャでの運だということ。
無料のガチャでさっくり手に入れば新しいジョブも手に入るんですが、出ないときはとことん出ない。課金してもでない。トレードもできない。そうなるとまったくゲームにならないという諸刃の剣。
ストーリーの見せ方、キャラクター描写、画面のインターフェイスなど非常に優れているので、運じゃなくて努力でなんとかなるゲーム性を何とか作って欲しい作品。惜しい!


●間もなくバブルが弾けそうですが。
ソシャゲが日本で最初に盛り上がったのは、多分『怪盗ロワイヤル』。モヒカンの青年が「取られたー!」って宣伝が懐かしい。あれが3か4年前でしょうか。あとは『サンシャイン牧場』がmixiアプリで大流行しました。

それから急激に膨れ上がり、2011年から2012年はソシャゲ乱立時代。
うん十万人、うん百万人登録、というゲームも増えて、市場は拡大するばかり。
大手ゲーム会社はこぞって参戦するようになりました。今後も増える予定でびっちりです。
なんせお手軽に出来る。気分転換としてはケータイ・スマホで出来るのは非常に便利でした。

その一方で負の側面もありました。
ニュースにもなったコンプガチャ(ガチャガチャで出る絵をあわせて、そろうとレアカードが手に入る。ぶっちゃけ全然揃わない)や、ガチャの確率操作問題など。これは今は自主規制という形で影を潜めています。
同時に、まさに乱立しすぎていて、とりあえず作ってみました→サービスあっという間に終了、なんてケースも山ほど。通常のゲームと違って、初期の作成コストが安いのもあるせいか当たり外れの上下幅がとんでもなくでかい。とはいえお金払っていたユーザーにしてみたら、遊んでいたのにあっさり終了とか泣き寝入りしかできません。
ゲームのシステムも、「進む」「ガチャ」「戦闘」という基本の部分はいまだ変わっておらず、カードの種類が違うだけ、という「中身は同じで側だけ違う」物も多々。

あんまりにも多すぎて、ちょっとモバゲーやGREEを覗いて見ると、本当に日本の90年代バブルのにおいがします。
そこを打ち破るために頑張っているサービスが徐々に出始めている2012年。
もうガチャガチャだけではユーザーは付いて来ません。
コンシューマゲームのソーシャル化も進んでいるので、今後このままとはいかないでしょう。
ガチャを回したいんじゃない。ゲームがやりたいんです。
面白いものの対価として、つりあうお金を払ってプレイしたい。満足をしたい。

ゲームとして成立するのか、それともサービスとして特化していくのか。
課金した人と無課金の人でどう異なるのか。
そこにお金を費やすゲーム的価値はあるのか。
2013年どうなるのかが、ひとつの転換点になりそうです。

(たまごまご)