チュートリアル画面。こんな風に、Vitaの画面に写る箱をタッチで開けていきます。ボタンを押したり、スライドさせたり、さまざまな操作を箱に試してみましょう。ちなみにこれはiPadにマーカーを表示させ、それをPS Vitaの背面カメラで見ています。

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目の前に箱があります。しかも、「OPEN ME」なんて書いてあったりします。どうしますか。これはもう開けるしかないでしょう。宝箱とかが目の前にあったら、ゲームなら絶対に開けちゃいますし、中に何が入っているのかわからないのもわくわくしますよね。現実でだって、Amazonで本を注文したときに厚手の封筒みたいなので届くとちょっとがっかりし、箱で届くとちょっぴりうれしい(でも片付けのことを考えて少し気が滅入る)という人もいるんじゃないでしょうか。

そんな全国の箱開け好き待望のゲームがPS Vitaで登場しました。その名も「箱! -OPEN ME-」です。これが、とても面白いんですよ! 12月20日の販売以来、ダウンロード購入して(ちなみにこれはダウンロード版しかありません)それからしばらく友人と箱の話をし続けたぐらいには面白いのです。

いったいどんなゲームなのか。ゲームを起動すると、画面の中に「箱」が出てきます。箱は当然蓋が閉まっているのですが、ボタンがついていたり、他のギミックがついていたりします。この箱を、タッチパネルを使って開けていくのですね。そして中身を取り出せたらクリアになります。

もちろん、開けるのを邪魔するギミックもあります。罠ですね。やっぱり宝箱には罠がなくっちゃいけません。その罠にひっかかると指を怪我してしまいます。10本の指全てに怪我をすると(10回怪我をすると)ゲームオーバーになります。

これが基本的なゲームの流れなのですが、面白いのは実はそこだけではないのです。これだけでは新感覚とは言えないでしょう。このゲームでは、PS Vitaの背面カメラを利用し、ARで画面に箱が登場するのです。その箱を操作し、開けていくのですね。

なので、実際にPS Vitaを構え、見えている箱の背後に回ると箱の背面が見えます。遠ざかると箱も遠ざかり、近づくと箱もアップになる。そう、まさに、PS Vitaの画面を通して目の前にある箱を開けていくんですよ。これが本当に面白いんですね。

基本的には公式ページからダウンロードできるマーカーかARカードを印刷して、それらをテーブルなどに置いた状態で遊びます。印刷するのが面倒という人は、マーカーをiPhoneやiPadに表示させても遊ぶことができるのは確認しました。でも、マーカーなどを用意しなくてもコントラストがはっきりしたものがあれば、そこに箱を表示させることも可能です。雑誌とか、新聞とか、テーブルクロスなんかでもいいでしょう。試しに実験してみたところ、MacBookAirのキーボード上にも表示させることはできました。遊びづらいのでそのまま遊ぶところまではいかなかったのですが、一応表示ができたという報告です。

というわけで遊ぶためには、結構広いスペースが必要になります。箱の周りをぐるぐる回ることになるので、ちょっと広めにスペースがないと物にぶつかって危ないのですね。

実際にPS Vitaを近づけたり遠ざけたり、周りをまわってぐるぐる見るという感覚はとても新鮮で、面白いです。あれ、箱のこの部分に違和感がある……ちょっと近づいてタッチしてみよう……あ、こんなところにボタンが! みたいに、あれこれ試しながら箱を開けていくのがたまりません。ARをうまく使っている体感型ゲームと言えるでしょう。

ちなみにこの箱を手探りで開けていく感覚。昔どこかで味わったことがあります。PlayStationでの名作ゲーム「鈴木爆発」と感覚がとてもよく似ているのですね。鈴木爆発にはまった人なら間違いなく「箱」を楽しめるでしょう。というか、現代の技術で鈴木爆発をリメイクして欲しいです。

残念ながらまだ試せていないのですが、このゲームはマルチプレイにも対応しています。PS Vitaを持っていて、さらにこの「箱 -OPEN ME-」をインストールしている友人がいて、ちょっと広めのスペースがなければ遊べないという、少し高めのハードルなのですが、あれこれ相談しながら箱を開けていくのはとても面白そうです。これは是非ともこの年末年始に遊びたい。

他にもフレンドが開けられなかった箱(その分ポイントが貯まっている)がインターネットを通じて配信されたり、コラボ箱が配信されたりと、相当長いこと遊べそうです。さっそくどこでもいっしょの「トロ」のコラボ箱をダウンロードしちゃいました。

この年末に登場して、なんかひょっとするとこの1年でベストのゲームじゃないかと思っちゃうぐらい新感覚が楽しいこのゲーム。1500円と比較的お安い価格ですし、100円のダイジェスト版もあります。さらに100円のダイジェスト版を買って本編を遊びたくなったら、差分を払って本編を買えるお買い得仕様! PS Vitaを持っている人は是非とも試してみてください!
(杉村 啓)