尖閣諸島を虎視眈々と狙う中国軍。現在は「質より量」で大量配備しているが、今後「質」が向上すれば、尖閣のみならず日本全体の脅威となるのは間違いない。もし不測の事態が起こったとき、日本は領土を守り抜くことができるのか。

現在、日中漁業新協定で、尖閣諸島の北方については「中間水域」とされ、日中どちらも操業できる。しかし、万が一、尖閣が中国に奪われると、「中間水域」ですら漁業はできなくなるだろう。地下資源も、中国は日中中間線に沿ってガスをすでに採掘しており、もし日本が尖閣の実効支配を失うと、中国側の身勝手な「自国の海域は大陸棚の先端の沖縄トラフまで」という主張で東シナ海の資源がすべて中国のものとなりかねない。

その中国軍の軍事費だが、世界の軍事費(2011年、約1兆7380億ドル=約139兆円)のうち、7110億ドルの米国に次ぐ1340億ドル(実際はその3倍とされ、毎年ふたケタ成長を持続)で第2位。一方の日本は6位の593億ドルで、年々予算が削られている状態だ。

中国は経済が減速しているといわれても、軍事費に費やす金額は減ることがない。第5世代のステルス戦闘機「殲撃20」や空母の開発がいい例だろう。一方、日本の次期戦闘機となるF−35は、納入のメドすら立っていない。

「このままでは、10年後には絶対に負けるでしょう。中国軍は日本よりはるかに優位に立っています。軍事に研究熱心で国を挙げて取り組み、自分たちで開発できないものは、金をふんだんに使って購入する。相手国が売ってくれない場合は諜報活動で技術を盗み、無断でコピーしてしまう恐ろしい国です」(軍事評論家・谷三郎氏)

近い将来、日本は中国に手も足も出なくなってしまうのか……?

(取材・文/本誌軍事班[取材協力/世良光弘 小峯隆生])