今月のメ〜テレ「Spoken!」は、今季大活躍で日本代表にまで登り詰めた大島の特集と、今季限りで引退、来季からコーチとして後進の指導にあたる英智がスタジオに登場、伊集院所長とのトークを展開してくれてました。

大島特集。

WBC3連覇を目指す侍ジャパン。日の丸を背負い戦うという重圧の中、今シーズン急成長を遂げた男が存在感を示した。中日ドラゴンズ・大島洋平。

大島「まず自分の中でこういう経験がなかったんで、すごいいい経験になると思うんで」

プロ3年目となった今シーズン、大島はリーグ3位となる打率.310をマーク。走塁では俊足を生かし、盗塁王のタイトルを獲得した。守備では2年連続となるゴールデングラブ賞を受賞。走攻守すべてでトップクラスの成績を残し、ベストナインにも選ばれた。

大島「今まで144試合全部出たことなかったので、とにかく144試合出たことが、自分の中で成長できたんじゃないかなと思います」

大島の飛躍をひもとくキーワード、それは144試合出場。今シーズン、セ・リーグで全試合に出場した選手は7人しかいない。

大島「試合に出ないと覚えれないですし、自分が(打席に)立たないと分からないので。1日1日の積み重ねだと思うんで」

プロ3年目にして達成した144試合出場。その裏側に迫る―。


(2011年取材)
大島「144試合出るっていうのが目標だと思うんで」

(2010年取材)
大島「とにかく144試合、1軍の試合に出るというのを目標に」


大島は入団以来、その目標をずっと掲げてきた。プロ1年目、ドラゴンズのルーキーでは11年ぶりとなる100試合超えの出場となるも、目標には届かなかった。プロ2年目は出場機会が減り96試合。2年間で全試合出場達成とはならなかった。

(2012年1月 熊本自主トレ)
大島「こういうチャンスは滅多にないんで、チャンスだと思って決めました」


3年目を迎えた今年1月。大島はプロ17年目の荒木に誘われ、熊本で自主トレを行っていた。長年レギュラーとして活躍し、チーム随一の練習量を誇る荒木のもと、大島は成長へのヒントを探そうとしていた。


大島は沖縄キャンプで荒木から教わったことを練習に取り入れていた。

大島「荒木さんがレギュラー獲ったころにやってたらしくて、それを僕も(荒木さんから)言われたことを感じたんで、ちょっと今回続けてみようかなと思って」

それは早振り。疲れたときでもトップの位置をしっかりと覚えさせるため、バットを連続で振り続ける練習。

大島「1番は試合に出るスタミナですかね。なかなか鍛えれないと思うんですけど、やっぱり経験もあるだろうし、自分が疲れているときに、どうやったら成功したのか?とか、そういうのを2年間やってきたんで」

全体練習が終わったあと、試合が終わったあとでも、キャンプ中は欠かさず続けた。144試合に出るために、大島はできることをやり続けた。

大島「自分で決めたのをやるっていうので、もう1個上に行けるんじゃないかなと」


プロ3年目のシーズン。大島は3年連続となる開幕スタメン出場、順調なスタートを切った。しかし5月に入るころには徐々に疲労が溜まっていく。

大島「やっぱ交流戦の時ですかね、一番キツかったのは。思ったように体がついてこなかったりとか、バットが出てこないっていうところですね」

実は過去2年間、大島はシーズン序盤に結果を残せず2軍落ちしていた。プロ1年目は開幕直後の4月、2年目は5月と、安定した成績を残せなかった。それが今年は交流戦に入っても調子をキープし続けていた。交流戦終了後の打率はチームトップの.286。今までとは何が違うのか?。大島に尋ねると意外な言葉が返ってきた。

大島「毎日同じことをそのままやっていく中で乗り越えれたんで。練習の取り組み方自体は変えてないですね、1年目・2年目とほとんど。全く同じことをずっとやって、今年はそれが144まで行けたんで。やっぱりある程度、自然に体力もついてきてるんじゃないかなと思います」

プロ1年目。

大島「自分の心の中で『何でできねぇんだろ?』って思ったり、自分に何か苛ついてました」

3度の2軍落ちを経験。その悔しさをバネに、納得するまでバットを振り続けた。

2年目に入ってもその姿勢は変わらなかった。

大島「気持ち切り替えるのは、やっぱり試合で取り返すしかないんで」

自分を信じ、ただひたすら練習に打ち込んできた。継続してきたことが、3年目にしてようやく花開いた。


大島を入団時から見てきた井上コーチも評価する。

井上コーチ「ちょっと怪しいな?っていうときもありましたよ。あったけど、そこで踏ん張れたっていうのが大きかったでしょうね。(大島の入団時は)プロの世界で2年・3年やってる連中に引けを取らない、逆にそれ以上の動きとかタフさというか、そういうものを持ってたんで。あの子はこれからまだまだ伸びしろはあると、僕は思いますけどね」


今シーズン最終戦。ようやくたどり着いた144試合目の舞台。試合に出場し続けたことで結果もついてきた。最終戦では3安打猛打賞の固め打ち。今シーズン32個目となる盗塁も決めた。何よりも充実したシーズンとなった。

大島「センターは自分が出るんだというつもりで、今年1年はずっとやってきたんで、これからまた来年・再来年、ずーっとそれを続けていけるようにやっていくだけですね」


11月。今シーズンの活躍が評価され、侍ジャパンのメンバーへと選出される。

大島「全日本って、今まで出たことなかったし、何かこうタイミングが悪く、(社会人時代)招集の紙が来てるのに、自分がケガしてたりとか、あんまり縁がなかったんで。プロに入って一番高いレベルのところで、そういう中に選ばれたんで、やっぱりすごいうれしかったです」

侍ジャパンの強化試合でも2試合にフル出場した。大島はポストシーズンを含め155試合を走り切った。

大島「1年目・2年目に比べて、自分がすごい成長できた年だと思うんで、また来年、そこで調子に乗らないように、しっかり練習して、またやっていきたいと思います」

経験を自信に、大島は来年もその歩みを止めることはない。


英智トーク。

金沢アナ「中日ドラゴンズの英智さんで−す!」
伊集院「ようこそ!」
金沢「まずは14年間お疲れ様でしたー」
英智「ありがとうございます」

伊集院「コーチ・英智という肩書には慣れましたか?」
英智「徐々にですね」
伊集院「じゃあいろいろとお話を、徐々にうかがっていきますので」


今夜のゲストは、今シーズン現役を引退した中日ドラゴンズ・英智。プロ生活14年、守備・走塁のスペシャリストとして、リーグ優勝4回、日本一にも大きく貢献した。英智といえば記憶に残るスーパープレー。まさに神業!これぞプロの妙技!。

(引退会見)
英智「14年の選手生活に幕を下ろすことを、ここに報告させていただきたいと思います」


惜しまれながら10月に引退を表明。しかし、現役最後に見せた遠投で観客の度肝を抜いた。ファンに愛された男・英智。14年間の激闘を、今夜は存分に語っていただきます。


伊集院「まずは、もう嫌というほど言われたと思うんですけど、まだできましたよね?」
英智「僕も引退会見で言ったんですけど、まだできるか?ここまでやったのか?、自問自答したんですけど、その答えは神様に聞いたんですけど、すぐにその答えは出ました。神様と会話はできないので、答えは聞いてないんですけども」(スタッフ笑)
伊集院「聞いてないんかい!。また回りくどいところから来ましたね。遠投は直球で来るのにすげぇ中継してきましたね」

伊集院「でも、自分の中で『もうそろそろ選手生命が終わる』っていう自覚ってあったんですか?」
英智「いやぁ正直ここだけの話になりますけど、2年ぐらいは余分に、自分の思う年数よりは長くできたかなと」
伊集院「え?逆に?。もう2年できたじゃなくて、2年前に、もしかしたら一声かかっててもおかしくないっていう感じがした?」
英智「2年前ぐらいからは、自分の思うプレーと、ちょっとその差が出てきているというのは感じました」
伊集院「最後の遠投、あれだけの球投げられる人って、僕らが考えたら引退しないですよ」
英智「この時点でこれぐらいっていうのを、最後みなさんに喜んでもらえるとしたらって自分なりに考えただけで、よくあそこまで投げたなと言っていただけるんですけど、僕からしたら、このぐらいしか投げれないなっていう感覚だったんで」
金沢「でも2回投げましたからね」
英智「あれ小田さんが拾ってきちゃったから…」(一同笑)
伊集院「(笑)あれ小田さんが拾ってきたんですか。オレ見てて、最初に『スゲェ!、ポール狙ってポールにぶつけた』と思ったんですよ」
英智「あ、確かにポールは目がけたんですけど、当てようという気持ちはあんまりなかったですね」
伊集院「『どっちかぶれるだろう』ぐらいの気持ちでいったら、ホントに当たっちゃって?」
英智「そうですねぇ。サザエさんで最後にジャンケンポンで、チョキだろうなと思って、自分は出してないんですけど勝っちゃったみたいな感じですね」(一同笑)
伊集院「この英智ワールドに困らされるんです」(一同苦笑)


1997年、リーグ最下位に終わったドラゴンズ。その原因、それはこの年にオープンしたナゴヤドームの広さにうまく対応ができなかったからだと言われている。

(以前放送)
中田スカウト部長「最下位になったときに、やはりこのままじゃダメだろうと。守りを重視した野球に転換しなければ、この球場じゃ勝てないなと」


球団は、広いドーム球場ならではの野球を目指し、脚力や守備力を重視した選手の補強に乗り出した。そこでリストアップされたのが、当時名城大学4年の蔵本英智。1998年ドラフト4位でドラゴンズに指名される。自慢の足と強肩を武器に徐々に頭角を現し、落合政権となった2004年からは重要な場面での守備・走塁に欠かせない選手として輝き続けた。スペシャリスト英智。プロ14年間の知られざる思いとは?。

伊集院「スペシャリストとしての決意みたいなものができたのは?」
英智「使われる場面がそういう場面なので、そこからは落ちないようにしようという不安に負けないように練習してた結果、そこのポジションに定着したということではないかと思います」

伊集院「例えば守備。英智選手が思う守備、心がけてたところはあります?」
英智「え?例えばっていうと、2時間ぐらいかかりますけど…」(スタッフ笑)
伊集院「そのうちの1個、さわりでお願いできます?(笑)」
英智「あー。ベンチでその空気感を十分味わっておくということですね。ウチのピッチャーの調子、打者の調子、前の試合で中継ぎ・抑えの肩がどうやって投げてるのか。それでこの点差でこのイニングで、もし自分が行ったら…例えば今の浅尾の調子だったら大丈夫だろうって踏んでる守備位置なのか。きょうはちょっと調子が悪いと思う守備位置なのか。相手バッターの調子、点差。プレーボールかかるまで考えれることを全て考えて、まずそこの位置に立てるか?っていうのを学びました。局面になればなるほど、井端さんにも伺ったことあるんですけど、飛んで来てないけど、頭の中で何十個も飛んでくる打球をイメージするって、同じことを考えてて。自分の中ですごく格闘するんですね。今は無理しちゃいけない場面だけど、捕れると思って思い切ってスタート切っていいものだろうか?。それとも自重して安全に行く場面なのだろうか?。このバッターとこのピッチャーで、飛ぶ方向は大概こっちだけども、こっちに抜けると、長打でもしかして点が入ってしまうかもしれない。セオリーだとこの場所でいいのだけれども、何となく感覚で言ったらこっちに来そうだな」
伊集院「データ以外にも、何か嫌な予感がするんだみたいのも最終的には加味されてく?」
英智「そうです。天秤に乗せながら、最終的には1回消しゴムで軽く消して、最後に自分の感性で1メーター2メーター、自分では動いてたつもりですね」
伊集院「なるほど。僕らは英智選手、ちょっと天才肌だと思ってて、強靱な体力や反射神経みたいなものがあるから、最後に言ってた野性の勘みたいなのは分かるんだけど、その手前の用意みたいなのに関しては、あまりしてると思わなかったんだけど、やっぱりそういうシミュレーション全部やった上で初めて発揮されるのが勘、みたいなものなんでしょうか」
英智「そうですね。1個ずつ、自分にとって決心が必要なので、よく井端さんとか荒木とか、森野もそうですけど、セオリーで言うとここにいるはずなのに、何でそこにいたんだ?っていうときに、いいプレーすると、『あれってこうだからさ、ここにいたんだろ?』って言われて、『そうなんですよ。井端さんありがとうございます』だとか、『荒木そうなんだよ、だからあっちにいたんだよ』っていう会話をしてくれるときがあったりして、『あぁ、この内野の後ろで守ってて良かったなぁ』って思ったりします」
伊集院「分かってくれる人がいっぱいいたチームなんですね?」
英智「そうなんです」


伊集院「そしてきょう、実際に使ってたグローブを持ってきてもらったわけです」
英智「まだ(背番号『57』番のときのなんですけど。試合用はこれと決めていたので、これをずっと、試合のときは使わせてもらってました。2002年の刻印が入ってます。僕は三男なんで、幼いころから新しいグローブを自分の形にしたっていう覚えがなくて、兄がもらってきたグローブをそのまま使ってたということが多かったんで、これがたぶん、自分でしっかりつくったグローブは初めてじゃないかと思うグローブですけど」
伊集院「人差し指が入ってないのかな?」
英智「そうですね。前は(指を)1本ずつ入れてたんですけど」
金沢「人差し指が入ってないとはどういうことなんですか?」
英智「ここにも穴があるんですよね。内野手から外野手になった人って、手のひらにボールが当たる感覚がほしいので、こう(全部の指を収めて)使う人が多かったりします。だけど、これ(外野用グラブ)はラクロスのようにネット状の感覚のところで捕るので、これ(人差し指を収めない)に慣れないと。急に僕がこっち(全部の指を収めて)で捕れと言われても捕れないですし、こう(全部の指を収める)はめてた人が、僕みたいにはめてって言ったら、ちょっと捕りづらいと思います」(※分かりにくいんですが、英智は人差し指をグラブの中指に収めて、中指を薬指に、薬指と小指を小指1ヶ所に収めているようです)
伊集院「1個空けることで、より深くポケットをつくれるというか」
英智「そうですね、ポケットを深くっていうのは心がけてます。今回これ視聴者の方に…」
伊集院「マジで!?」
英智「見せましょう」(一同爆笑)
伊集院「ビックリしたぁ」


現役を引退したドラゴンズ英智。守備だけに留まらないスーパープレーの数々。続いては走塁の技術に迫ります。

伊集院「走塁のポイントってあります?」
英智「あー走塁もちょっと…2時間半ぐらいかかるんですけど」
伊集院「じゃあさわりをお願いできますか?」
英智「走塁も、やはり長いこと試合を見る、ベンチでの観察力が大事でして。相手の動き、相手の性格ですよね。そういうのも大事になってきますから、いかに相手の気持ちを読むかですよね。ひとつ例えて言うなら、だいぶ前になりますけど、日本ハム戦・札幌ドームで2塁から帰ってきたプレーがあるんですけども(2006年5月10日)、岡島(秀樹)さんが珍しく警戒するような牽制を1回入れたもんですから、ひょっとして次カーブあるんじゃないかな?と思いまして、それまでの投球よりも1メーター多くリードを取りまして、シャッフルも勢いよくキャッチャーからピックオフで投げられたらアウトになるか?というところまで出まして、球の軌道がワンバンになったときは、もう体重がサードの方にかかっている、案の定パスボールした、ホームインっていう予測ですね。普通にリードして普通にスタートしてては帰れないので、そういうプラスアルファのものが、長いことやらせてもらってると、たまに風に乗ってやってくるときがありまして」
伊集院「野球深いねぇ。VTRにするとホントに数十秒のことなんだけど、これは確かに、さらに置くまで話したら、確かに2時間半かかりますね(苦笑)」
英智「これ、ホント嘘みたいな話なんですけど、いいプレーすると切って、このあたり(頭の斜め後ろ)で、僕前は蔵本でクラって呼ばれてたんですけど、『クラ、来るよ!』っていう声が聞こえるんです。これ、たぶん誰も信用しないと思いますけど。たまたま空耳だと思ってたんですけど、最初のころは。でも途中から疑いだして、『ホントに来るんじゃないかな?。来た!』って感じですね。横浜で捕ったときもあるんですけど、サヨナラの場面で。そのときも呼ばれたんですよね」
伊集院「『こっち飛んでくるぞ』って?」
英智「はい。こっち(右側頭部方向)から呼ばれたんですよね。分かんないですけど。空耳だと思いますけど」

その驚愕のプレーがこちら(2010年8月27日 ハマスタ)。左中間真っ二つの打球を横っ飛びでダイビングキャッチ。何度見ても思わず目を疑いたくなる超ウルトラファインプレー。伊集院所長もこれには脱帽です。

伊集院「これ空耳じゃないです。何か得体の知れない野球の妖精なのか神なのか。男の声ですか?女の声ですか?」
英智「男ですねぇ」
伊集院「じゃあ女神ではないっすね。神ですね」
英智「だから、高校とか大学の同級生が、何か言ってくれてる声のトーンですね」
伊集院「へぇぇ。すげぇな何か」


(引退会見)
英智「僕の中で、これはお世辞抜きでずば抜けてド肝抜かれたのが、谷繁さんの捕ってからのスピードで…すいませんちょっと…すいません…」


14年のプロ生活を振り返り、思わず涙がこぼれ落ちた。

英智「一番うれしかったのは、いいプレーしたりしたときに、谷繁さんがホームから指を指して、何も言わないんですけど、『ナイスプレー』っていう合図をしてくれたときの映像が、今でも残っています」


現役生活を終え、2軍外野守備走塁コーチとして新たなスタートを切った。秋季練習では次世代のドラゴンズを担う選手たちに、つきっきりで指導に当たっている。果たして、英智が描くコーチ像とは?。

伊集院「今回の会見も英智ワールドだなと思ったのは、全然泣くつもりなかったでしょ?」
英智「泣いたら負け的な感じがあったんで、カメラマンさんとかも泣いたときは撮らないでくださいって頼んだんですけど、やっぱりちょっと映像が出てきましたんで、自然に気持ちが…」

伊集院「もうコーチとしては動き出してるんですか?」
英智「秋のキャンプスタートしてからは、徐々にですけど、やらせていただいてます」
伊集院「コーチとして心がけていることは?」
英智「いやぁいろいろありますけど、選手はどう考えてるのかな?って、思ったことを全部口にしてたら頭がいっぱいになっちゃいますので、泳がすタイミングとか、ここは言った方がいいかな?と模索しながら、接するようにしてます」

伊集院「中でも素材として面白そうだなって、いますか?」
英智「みんな面白いからプロ入ってるわけですから、みんな面白いですけど、みんながみんな4番バッターになれないですし、みんながみんな代走要員にするわけにもいかないので、その選手の特徴、どういう役割を果たす1軍の選手になるのか?っていうのを考えて。せっかくおいしい北海道のジャガイモなら、もうちょっとおいしく料理すれば、もっとおいしいって言ってくれる人が多いんじゃないか?って思いながら、こうやって料理したらどうか?こうかな?なんて会話しながらやるようにしてます」

伊集院「会見でも言ってたじゃないですか。谷繁さんは口に出して褒めてくれるわけじゃないんだけど、いいプレーをしたら指さしてくれる、もうあれだけで感激した。たぶんコーチのひと言って、おそらくそういうもんだと思うんですよねー。『あのコーチ、オレのこと分かってくれてるんだ』とか。若いころって腐るじゃないですか。ケガしたりうまくいかなかったり。そんときに、自分は失敗したけど…思い出したくないけど例えば自分はエラーをした(2002年7月26日 甲子園)。何でもないゴロをトンネルしたときに、いち早く荒木選手と立浪選手だけは来て、ただのエラーじゃないっていうことが分かるじゃないですか。ランナーがどう動いてくるか?の方に少し行き過ぎちゃったから出たエラーだってことを分かってくれる、それだけで救われるじゃないですか。何かコーチってそういう局面多くなりそうですね?」
英智「……何の話でしたっけ?(苦笑)」
伊集院「伸び悩んでる子とか、落ち込んでる選手とかに、たったひと言で救うこともできるだろうし、逆にたったひと言でおかしくなっちゃう子だっていると思うんですよ」
英智「言霊ですよね。言葉の力ですね。それは感じますね。選手のときは何も考えずに言ってたことも、同じ言葉でも立場がこうなりますから、その選手の残り方が違うと思いますので、それは気をつけて言わなきゃいけないなと思っています」

伊集院「ドラゴンズファンの中には未だに、英智選手が現役でなくなっちゃったことを、ちょっと惜しいと思ってる人いっぱいいると思いますけど、またその倍も3倍もいい選手を、いいチームをつくって、われわれファンを楽しませてください」
英智「何とかいい形で、ドームにたくさんいい選手を送り込めるように、足場から固めるように、送り出せるように努力しますので、球場の方に足をたくさん運んでください。よろしくお願いします」
伊集院「というわけでゲスト、英智コーチでございました。ありがとうございました」
英智「ありがとうございました」




モコ感想:相変わらずの英智ワールドものぞかせてましたが、真摯な話もいろいろとあった、見応えあるトークでしたねぇ。

伊集院さんも言っていたように、僕も英智の一連のファインプレーの数々は、類い稀な身体能力や動物的な勘で生み出されてきたものばかりなんだと思ってましたが、それはとんでもない勘違いだったと分かりました。目には見えない事前の準備がしっかりとなされた結果だったんですねぇ。

好プレーをしたときに、荒木や井端から声をかけてもらい、根拠を分かってくれる内野陣の後ろで守っている喜びを語っていたくだりには感動しました。

もうすでに第2の野球人生・コーチとしての活躍も始まってますが、まぁなかなか大変だとは思いますが、後継者の育成を是非とも期待したいですねぇ。お疲れ様でした。