日中のデスクワーク中はもちろん、通勤電車でも周囲にバレないようにPC筋トレーニングは可能。締める、緩める、締める、緩める!

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近頃、若者に多いといわれる“膣内射精障害”。勃起の持続時間が短い、性交時に射精できないなどの症状があるが、その原因とされるのが、排泄をコントロールする筋肉である骨盤底筋、通称「PC筋」が弱体化していることだという。

ネットではPC筋を鍛える方法として、“放尿中にPC筋に力を入れておしっこを中断させる”方法やスクワットや呼吸連動法などが紹介されているが、効果はあるのだろうか。

泌尿器科の専門医として活躍する東京・飯田橋中村クリニックの中村剛先生に聞いた。

「効果がないとはいいませんが、それらの方法はあまりオススメできませんね」

筋トレの定番であるスクワットは「鍛えられたとしても効率は悪い」とのこと。それよりもPC筋に重点を置いた簡単トレーニングがあるというので、さっそく教えていただく。

「スタンダードなPC筋のトレーニング法は、肛門を“5秒間締める”“5秒間緩める”を繰り返すだけ。このたったひとつの運動だけでOKなんです。簡単でしょう? 立っているときでも座っているときでもできる上、行なう体勢もバリエーション豊富だから、自分の好みに合わせられます。“締める”“緩める”を10回1セットにして、朝、昼、夕、就寝前の4回行なう。つまり一日40回。最初は3ヵ月間を目標に続けてください。早ければ2、3週間で効果を実感できる人も出てきますよ」

たしかに“締める”“緩める”だけなら、日々のデスクワーク中はもちろん、通勤中や家でゴロゴロしているときだってできる。だが、それで性行為の際に持続力が上がったとしても油断は禁物だという。

「PC筋は放っておくと弱っていく一方なので、トレーニングをやめると前の状態に戻ってしまう可能性が高い。ですから一日40回を今後、毎日の習慣にするのが一番ですね。ちなみに早漏の原因にもよりますが、PC筋を鍛えることが早漏改善になる可能性もあるんです。例えば自慰行為中に射精しそうになったとき、PC筋に力を入れて射精をこらえる“寸止め”は、早漏改善のトレーニングの一環ですからね。排尿中の中断行為は尿の逆流による尿路感染症の危険がありますが、射精前の寸止めは問題ありません」

勃起の持続時間改善だけじゃなく、早漏対策にもなるなんてまさに夢のようだ。ラクラクできるPC筋トレーニング、悩んでいる人もいない人も、始めてみて損はなさそうだ。

(取材・文/昌谷大介 照井琢磨[A4studio])