――演じた役と自分自身との共通点や、違いを感じることはありましたか?

ユリア:私はヒッピーに育てられて、彼女はナチスに育てられたんですけど、彼女にはとても共感がもてました(笑)。私は時々怖じ気づいてしまうことがあるんですけど、彼女はすごく勇気がある人なので、私も彼女くらい勇気があって、色んなことが出来たらいいなと思いました。また、彼女と同じように、私もとても感情的になることが多いです。あと、色んな人達のために何かをしたいという気持ちがすごく強い所にも憧れました。彼女は良かれと思って一生懸命色んなことをしてる訳で、私も時々裏切られてしまうこともあるけど、基本的に人はそもそも善人であると信じています。

――ユリアさん自身は、自分をどんなキャラクターの女性だと自覚していて、どんな女性に憧れますか?

ユリア:私は、基本的にすごく自由主義者なんです。ジプシーのように常に色んな場所を移動していたい。旅行が大好きですし、絵画、映画や音楽など芸術も好きです。あと、私はケイト・ブランシェットにすごく憧れていて、実際にお会いしてアドバイスももらったんですけど、彼女のように究極的な状況に直面して、何かを選択しなければいけないキャラクターを今後も演じたいと思ってます。『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』も時間との戦いですし、『ギフト』では自分の特殊能力をもったり、常に特別な状況に面した時に、人間はどういう選択をするかが描かれているような作品、または役を選びなさい、という意味だと私は解釈してます。今回『アイアン・スカイ』の脚本を読んだ時も、彼女は消滅してしまうかもしれない地球を救うために一生懸命頑張る訳だから、そういうことを参考にしました。あと、私はすごく理想主義者で、高い理想をもっています。ダライ・ラマのように、世界中の人のために一生懸命色んなことをしようとしている人は素晴らしいと思います。

――ご自身はどんなタイプの男性が好きですか?共演したゲッツ・オットーやクリストファー・カービーなど男性俳優の印象は如何でしたか?

ユリア:私はチビなので、ゲッツ・オットーやクリストファー・カービーは、すごく背が高くてビックリしました。ドイツの芸能界には、あまり男らしいタイプの人がいないんですけど、彼らは二人ともすごく男らしくて、ガタイが良いですよね。ゲッツはナチスの将校として外見もパーフェクトだったと思いますし、クリストファーも男性モデルの役なのですごく良かったと思います。あと、ウド・キアとは今回で3度目の共演なのですごく仲が良いですし、私の父役を演じたティロも映画の中ではアインシュタインっぽくて面白かったです。この4人とはすごく仲が良くて、ゴールド・コーストで撮影をした時に、バイロン・ベイというサーファーのビレッジに行く機会があって、バスに乗ったんですけど、『リトル・ミス・サンシャインで』ではなく『リトル・ミス・ムーンシャイン』と呼びながら、可笑しくて笑い過ぎちゃって、もう泣きっ放しでした(笑)。

私の個人的な男性のタイプというと、ユーモアのセンスがあって楽しい人。と同時に、周りの人が自分をどう見ても構わず、自分がやりたいことや、自分の信じることをちゃんと出来る人ですね。だから、私は俳優と恋に落ちれないのかもしれない。俳優は、常に周りの目を気にしていますから(笑)。

――では最後に、本作をご覧になる日本のファンに向けて、メッセージをお願いします。

ユリア:これはクレイジーな笑わせる映画なので、大声を出して笑って頂けるシーンがたくさんあると思いますし、とにかく楽しんで頂きたいです。とは言え、政治的な色んなメッセージも含まれていますので、そちらもお見逃しなく。

映画『アイアン・スカイ』オフィシャルサイト