学校で日本語を学んだ経験を持つ、日本好きな台湾人女性がブログを使って思いを執筆。「バスや電車でお年寄りに席を譲らない日本の若者が多い」とつづり、悲しかった旅の思い出を振り返っている。

 65歳の母親と一緒に、関西旅行に出かけたという台湾人女性のTsubasa(ハンドルネーム)さん。ツアーには参加せずフリープランで行動したため、毎日電車やバスで移動していたという。「私の母親は、白髪まじりの頭で体格は大柄。台湾では電車に乗ってもバスに乗っても、席を譲ってくれる人が必ずいる。でも日本ではゼロ。誰ひとり席を譲ってはくれなかった。日本の若者は、“席を譲る行為”を、あまり意識していないらしい」と、気付いたそうだ。

 「大阪では、電車の優先席に若者が座っているケースも多いことにも気付いた。みんな下を向いて携帯電話をいじり続けているので……近くでお年寄りが立っていることに、気づかないのかもしれない。日本の若者たちは、人間関係の中で生まれるアイコンタクトを避けているとしか思えない。周囲の人々に興味がないのかもしれないが、私の母や70歳を超えていると思える老夫婦に席を譲ろうとしないのは、どういうことか。着席したいと思っている人の姿が、視界に入ってこないのだ」と、実体験を元に嘆いたTsubasaさん。悲しく思えたことだろう。

 続けて京都に行った時には「バスの優先席にしっかりお年寄りが座っていたので、大阪よりは少しは状況が良さそうだ」と、感じたとのこと。Tsubasaさん自身が年配の女性に2回ほど席を譲ったことも述べ、「お婆ちゃんに90度の角度で頭を下げられたこと」に恐縮したそうだ。「席を譲ることなんて、大した行為ではなく簡単なこと。お辞儀されるなんて申し訳ない。席を譲るのはごく自然な気持ち。そういう感覚が身についていない日本人は冷たい」と率直に述べている。

 だが日本好きのTsubasaさんは、「大阪や東京などの大都市と、地方では違うかもしれない」と冷静な分析もしてくれている。「田舎に行くと、席を譲ってくれる人が多いような気がする。そして仕事帰りで疲れている人たちは、席を譲る気持ちの余裕はないだろう。人に迷惑をかけたくない、という日本人の国民性にも関係あるかもしれない」とまとめた。お年寄りの中には、人様に席を譲られるのを好まない人もいるのでは、という発想だ。

 そしてブログの最後では、「台湾にも席を譲らない学生はいるが、1つ言えることは日本よりはお年寄りたちに席を譲る傾向が強いということ」と台湾を誇らしく述べたTsubasaさん。「でも韓国の場合は、また事情が違う。韓国ではお年寄りに席を譲らないと、居合わせた人たちから“非道徳”といった冷ややかな視線を注がれる。例え車内にお年寄り不在でも、若い世代が優先席に座るのはマナー違反で、もし座れば殺意を持ったような目でにらまれてしまう」とブラックジョーク的な例を挙げて締めくくった。台湾からは数多くの観光客が日本を訪ねているが、乗り物の中で席を譲ろうとしない日本人の姿に失望し、ショックを受けた人々が多いのかもしれない。(編集担当:饒波貴子・黄珮君)