(写真)野田首相の実弟、野田剛彦市議が船橋市に提出した領収書のコピー(一部画像処理しています)

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 野田佳彦首相の実弟市議が受領した政務調査費を返還していたことがわかり、波紋を呼んでいます。同首相の政策秘書の関連会社が介在していたからです。

架空発注指摘受け

 問題の市議は、野田首相の公設第1秘書を経て、1999年に千葉県船橋市議に初当選した野田剛彦氏。市議会文教委員長や消防委員長を歴任し、現在4期目です。

“金庫番”

 介在していた会社は、「(株)タウンプランニング」(船橋市、資本金1000万円。2008年5月までは有限会社タンプウプランニング)と、有限会社「東央工美」(同、資本金300万円)。首相の政策秘書で、首相の資金管理団体「未来クラブ」や「野田よしひこ後援会」、首相が支部長の「民主党千葉県第4区総支部」の事務担当者を兼任する“金庫番”でもある竹口由利人氏がそれぞれ取締役、代表取締役を務めています。

 船橋市に提出された「支出伝票」などによると、野田市議は、「市民意識調査」「政策宣伝資料作成」にかかった代金として、06〜10年に、2社から計134万129円の領収書を受領。これを添付して同額の政務調査費を受け取りました。

 ところが、タウン社のホームページや登記簿によると、同社の事業内容は、不動産業や住宅リフォームなどとなっています。東央工美は、登記簿によると、「機械のスケッチその他の工業美術一般」「写真修正」で、会社所在地は竹口氏の自宅です。いずれも「市民意識調査」や「政策宣伝資料作成」とは結びつきません。

 野田市議側は、「2社に依頼したのは事実で、架空の領収書ではない」としていましたが、「活動実態が乏しい会社で、不正受給ではないか」という指摘があり、受け取った政務調査費を市側に返還しました。

回答なし

 竹口秘書が、タウン社、東央工美の役員を務めていることについては、首相が竹口氏の「兼職を許可する」との「議員秘書の兼職届」を衆院議長あてに提出しています。これによると、両社からの報酬はともに「ゼロ」となっています。

 地方議員に支給される政務調査費を「政務活動費」とし、その使途を拡大する地方自治法改悪が、民主、自民、公明、国民の生活が第一の各党によって強行されたばかり。首相の政策秘書が、首相の実弟市議の政務調査費受領に関与したことの政治的責任についての本紙の問い合わせに、野田事務所からは回答がありません。