今回谷口は一回裏の初打席で送りバントを決めているし、八回の好守も首脳陣が想定できたものでは無い。偶然に作られたシチュエーションだ。それでも谷口には一定の充足感があったのではないか。

0対1で負けていたファイターズは八回裏、その谷口の代打、今浪隆博が一死から安打で出ると続く西川の一、二塁間の内野安打が相手失策を誘発し二、三塁。ここで中田翔の三塁線の打球がフェアと判定され、ファイターズが2点を取って逆転した。
敗戦処理。の座席だと死角になるのでわからなかったが、星野仙一監督が抗議していたから際どい当たりだったのだろう。星野監督は審判に手を出しかねない怒りを、ベースを蹴飛ばすことで発散させているように思えた。

ただちょっと残念だったのは抗議に出る星野監督にスピード感がなかったこと。短時間で抗議を取りやめたのは好感が持てたが、ドラゴンズやタイガースの監督時代には有事にはダッシュでベンチを飛び出していた人だけに年齢を感じた。

決勝打を放った中田は試合後のヒーローインタビューで後輩である西川と谷口を「若い選手…」と言って慌てて「僕も若いのですが…」とフォローしていた。
谷口、西川、中田…今浪、杉谷拳士…女性ファンならずとも鎌ヶ谷に足繁く通うファンの目線で見れば、鎌ヶ谷オールスターズそろい踏みといった感が強いものだった。

釜田佳直の予告先発が発表されている5日、栗山監督は再び谷口を使うだろうか。個人的には谷口の一軍登録はまだ早いと思っている。でも、きっかけなんてどこにあるか誰もわからない。結果を出せとまでは言わないが、仮にすぐファームに戻るとしても、何かを感じ取って、つかんでまたファームに戻ってきて欲しい。そのためにお試し期間中だけでも一打席でも多く打席に立たせて欲しい。