雨や風で電車が止まる基準を聞いてみました!

台風などが都心を直撃した場合、強い雨や風の影響で電車の運行がやむなくストップすることがあります。では、こういった電車の運行が中止になる基準というのは、どうなっているのでしょうか?
今回は、自然現象によって運行を中止する場合の基準を、首都圏の鉄道会社に聞いてみました。
今回はJR東日本、京王電鉄、小田急電鉄、東武鉄道、西武鉄道の5社に、雨や風などの影響、または地震によって電車の運行が中止になる場合の基準を聞いてみました。
■JR東日本の場合
JR東日本・広報部によると、雨による運行中止の基準については、従来の時雨量や連続雨量ではなく、土砂災害に関連性の高い『実行雨量』というものを採用しているとことで、「雨が何ミリで運行を中止する」といった感じの簡単な回答は難しいとのこと。
地震についても、一般的な数値での基準ではないので回答は難しいとのことでした。
風による運行規制については、在来線の場合、風速が秒速20メートル以上になると徐行運転を行い、風速が秒速25メートル以上になると運転を見合わせます。新幹線の場合は、秒速20メートル以上の風速で段階的に徐行運転や運転の見合わせを行うと回答をいただきました。
■京王電鉄の場合
京王電鉄・広報部によると、京王電鉄の場合、雨量については具体的に何ミリの降雨量で運行を中止するという簡単な基準ではない、また運行区間で変わるため簡略した回答は難しいとのこと。
風速については17カ所で風速を測定しており、秒速15メートル以上で速度規制を行い、秒速25メートルを超えると運行中止。
また、地震については震度4以上が想定される場合、運行を中止するとのことです。
■小田急電鉄の場合
小田急電鉄CSR・広報部に問い合わせたところ、雨による運行中止の基準は、時雨量で40ミリ以上、連続降雨量で300ミリ以上となった時に列車の運転を見合わせ。
強風による運行中止の基準については、風速計または気象通報により、風速が秒速30メートル以上になると認めたときは、一時列車の運転を中止。一部区間では風速が秒速25メートル以上で運転を中止するとのことです。
次に地震による運行中止の基準ですが、震度が40ガル以上の場合は全列車を一時停止。その後、巡回点検および運転規制を行うとの回答をいただきました。
そのほか、天候不良によって運行を中止する基準について伺ったところ、雷鳴が激しく列車の運転が危険であると認めたときは、列車の運転を中止。降雪時は速度規制、列車種別、運転区間などの変更を行うことがあるとのことでした。
※これらの基準は小田急電鉄が指定した、雨量計、風速計、地震計を基準としています。
■東武鉄道の場合
東武鉄道・広報部に問い合わせたところ、雨による運行中止の基準は、1時間に40ミリ、12時間で300ミリの降雨量で運転見合わせを行うとのことです。
また、風の場合は秒速25メートルの風で運転見合わせ、地震の場合は震度5以上で運転見合わせになるとの回答をいただきました。
■西武鉄道の場合
西武鉄道管理部の広報担当に基準を伺ったところ、西武鉄道の場合は高麗〜西武秩父駅の間では降雨量が毎時30ミリ、その他の場合は一時的な降雨量が毎時40ミリを超えると一時運転中止。継続降雨量が250ミリに達した場合でも、一時運転を中止するとのこと。
風については、風速が秒速20メートル超では時速55キロ以下、秒速25メートル超では時速25キロ以下の注意運転を行い、風速が秒速30メートル以上になると運転を一時中止するとのことです。
また、地震については、地震計が震度4以上〜5弱を計測した場合、電車を一旦停止後、通常より速度を落とした注意運転を行い、安全を確認してから正常運転に戻し、震度が5強以上の場合は全電車を停止させ、全線の安全が確認されてから運転を再開するとの回答をいただきました。
以上が、今回調査を行った鉄道会社の運行中止の基準です。一般的な数値での回答が難しいというケースもありましたが、全体的に雨は毎時40ミリ、風は秒速25メートル以上というのが、電車が運行中止になるラインのようですね。
これから本格的な台風の季節がやってきますが、これらの数値以上の雨や風が想定される場合は、電車が動いているうちに早めに帰宅した方がよさそうですね。
(貫井康徳@dcp)