今井麻美さん

今井麻美さんのニューシングル「Limited Love」が7月25日(水)に発売となる。9枚目となる今回のシングルは、8月2日(木)発売予定のPSP用ソフト「コープスパーティー -THE ANTHOLOGY- サチコの恋愛遊戯♥Hysteric Birthday 2U」のオープニングテーマ『Limited Love』と、カップリングに『三日月色』を収録。初回限定盤と通常盤とで全く異なる表情をみせるジャケットにも注目だ。そんな今井さんに、各曲の聴き所や収録エピソードなどについて、お話をうかがいました。



――「コープスパーティー -THE ANTHOLOGY- サチコの恋愛遊戯♥Hysteric Birthday 2U」のオープニングを担当すると聞いた時の感想を教えてください。

今井:今作はラブコメということで「主題歌はどんな曲になるんだろう?」と思っていました。ゲームの台本を読むまではここまでの内容とは知らなかったので、台本をいただいたその日に「今までのコープスで考えたらまずいです」と濱田智之プロデューサーに電話したんですよ(笑)。「キュンキュンな曲にすると、今作には合うけどコープスらしさが減るし、逆におどろおどろ系にすると今作のテイストに合わないし、難題ですね」と話して、電話を切ったのを鮮明に覚えています。


――『Limited Love』の曲作りはいかがでしたか?

今井:(作品のテイスト的にも)いわゆる“PPPH”を打てる曲がいいなと思ったんですよ。私にはあまりそういう曲がなかったので、大チャンス!ということで作っていただきました(笑)。曲の入りや全体的な音色は、「コープスパーティー」らしいクールで格好いい感じを混ぜつつ、みんながノリやすい曲に仕上げてもらいました。今回は、アレンジ(編曲)もコンペを行ったんですが、格好いい部分・可愛い部分・疾走感をひとつの楽曲としてまとめてくれた、奥山アキラさんのアレンジを聴いた瞬間に「これ!」という感じでした。


今井麻美さん

――歌詞についてはどのような感じでしょうか?

今井:「コープスパーティー」でシナリオを書いている祁答院(けどういん)慎先生が、共作という形で作詞に参加しています。今作はかなり遊び心のある作品なので、シリーズファンの方に亜流だと思われたら嫌だなと思い、祁答院先生に話を持ちかけたら、ふたつ返事でOKをいただきました。難しい言葉の中にサチコさんの隠された気持ちも描かれていて、まごうことなくコープスの歌詞となりました。“愛らしさ”と“格好良さ”の共存がどこまで出来るのか、ギリギリまで挑戦した作品になったと感じています。


――祁答院先生が作詞に参加しているということで、印象的な言葉づかいなどはありますか?

今井:ゲームでも難しい漢字や初めて知る言葉がいっぱい出てくるんですが、歌詞にも無間(むけん)や慰撫(いぶ)などの難しい言葉が出てきます。それが作品の世界を上手く表現しているし、言葉の並びも芸術的で祁答院先生の繊細さが出ていると思います。

また、タイトルの日本語訳でもある「時限の恋」という歌詞は、「ジゲン」の漢字が1番(時限)と2番(次元)で違うんですね。時空に閉じ込められた子供たちの物語という意味でも、誕生日という限られた時間の中でラブコメをするという意味でも、ピッタリな言葉だと感じました。


――初回限定盤のDVDに収録される『Limited Love』のミュージッククリップは、どのような内容でしょうか?

今井:軽い雑談で「久しぶりに男装して、(男性と女性の)ひとり2役やりたいですね」と言ったら、実現したのでビックリしました(笑)。こういう遊び心のある作品の時じゃないと出来ないですからね。私はすっと画面を通り過ぎるぐらいのイメージだったんですが、蓋を開けてみたら男役の方が登場時間は長くなっていました。

ベースメイクだけでアイシャドウやアイラインはほとんど使わずに男性バージョンの撮影をしたんですけど、自分でも驚くぐらいに別人になり、つくづく私は男顔だなと思いましたね(笑)。でも、その後に女性バージョンを撮影するために衣装を変えると、気持ちが急に女の子になって、別人になる感覚が味わえて楽しかったです。それから、撮影場所にはすごく高価な家具や椅子があったので、小心者の私は高価な椅子に座っての撮影はすごくドキドキしていました(笑)。

また、今回のミュージッククリップは双子のアメリカ人の子供と共演しているのですが、この子たちがすごく可愛くて、幸せな時間でした。子供好きな私は、子供と共演するとリラックスするみたいです。ただ、ふたりが出てくるのは男装のシーンが多く、私は睨んでいる感じになっていますけどね(笑)。


――今回のミュージッククリップはストーリー仕立てなんですね。

今井:そうなんですよ。これまでは、(解釈は)皆さんの感覚で感じ取ってくださいという内容が多かったんですが、今回は「男の子が女の子を閉じ込めてしまい、お互い恋焦がれているんだけど、ふたりは触れると消えてしまう」という明確なストーリーがあります。サチコさんがみんなを閉じ込めるという意味では男女逆の立場ではありますが、作品に芯が通っているからこそのストーリーだと思います。


今井麻美さん

――次に、カップリング曲『三日月色』についてお聞かせ下さい。

今井:この曲はタイアップではないので、どんな曲がいいか濱田プロデューサーに聞かれて、ドンドンした4つ打ちの曲がいいと言ったんですよ。結果、打ち込み系の音色を多用しつつ上手くピアノの音色や生バイオリンなどと融合した作品に仕上がったと思います。打ち込みを前面に出した楽曲はすごく好きで、私も歌ってみたいと思っていたんです。作詞・作曲・編曲すべてをコンペして作ったので、私のイメージ通りの曲が出来上がりました。


――レコーディングはいかがでしたか?

今井:すごく忙しい時期にレコーディングしたので、集中力を保てるのか心配でした。とても好きな曲であるが故に、愛情過多になって迷っちゃうこともあるのですが、今回は安心してナチュラルに臨むことが出来ました。透明感があり、映像が浮かぶような曲になったと思いますし、私らしいというか、私の心に近い世界観だと感じています。



――発売記念イベントも決定しましたが、ライブやイベントでは色々な歌い方が出来そうな曲ですね。

今井:その時の感情が出やすい曲だなと思います。ただ、イントロから歌が入る曲なので、歌い出しが上手くいくかどうか、今からドキドキしています(笑)。


――『Limited Love』は先日イベントで披露しましたが、歌ってみていかがでしたか?

今井:初披露でしたし、皆さん遠慮がちになっちゃったみたいで。歌い終わって「今後はぜひやってください」と言ったら、皆さん笑っていたので、やっぱり遠慮していたんだと分かって面白かったです。今度は遠慮なくPPPHをしてください!


――『Limited Love』は歌詞にも「赤い夢」とあり、今日も赤い服を着られていますが、イメージカラー的なものなのでしょうか?

今井:「コープスパーティー」のオープニングは赤のイメージが強くて、『Limited Love』を歌う時も赤い服を着たくなるんですよ。今日も『Limited Love』の取材だと思ったら自然と赤い服を手に取っていました(笑)。


――気が早いかもしれませんが、次は区切りの10枚目となります。10枚目に向けてひとことお願いします。

今井:がむしゃらに1枚目から9枚目まで駆け抜けてきました。その間にアルバムやライブもやらせていただいて、「一生懸命取り組めば、誰かが見てくれる」という思いがとても強くなりました。自分自身のやりたい気持ちと、それを求めてくれる人が両方合わさって、初めて10枚に手が届くと思うので、「よく来れたな」という気持ちと、「本当に色々な人に支えていただいた」という気持ちを感じています。

モノづくりに対して改めて自分の気持ちを整える、いい機会だと思いますので、もし次も出させていただけるなら、色々な思いを込めて作りたいと思っています。そういう意味では、今回のシングルは“1学期終了”のような感じかもしれないですね。また、男装のアイディアもそうですが、ふとしたことが実現したりするので、色々なアイディアを出せるように、今のうちから準備しておこうと前向きな気持ちでいます。


――最後に、メッセージをお願いします。

今井:今年の仕事始めに、「女子熱烈歓迎!」を1年の目標として掲げました。私のがむしゃらに進む生き方に共感してくれる女性が増えてきて、本当に嬉しく思っています。男性をないがしろにするということではなくて、同じ女性として憧れてくれる人が増えるのが、純粋に嬉しいなって。今回の男装は挑戦でもありますし、女性が入ってくる入口になってくれたら、という思いも詰まっています。

私は10代の頃、恋とかよく分からずに「人を好きになるのに、男性も女性も関係ないんじゃないか」と漠然と思っていたんです。もちろん、私は女性なので、素敵な家庭への憧れもあり、24歳で結婚して25歳で子供を産んで、という夢もあったんですよ・・・儚く消えていきましたが(笑)。「“人として”好きになりたい」という気持ちが、この年になって体感出来ているんですよね。なので、男女問わず、私をひとりの人間として見てくれて、共感してくれる人たちとの輪を大きくしていけたら幸せです。ファンの男女比が半々ぐらいになって、そこから愛が生まれたりしたら、それだけで私は生まれてきた意味があるんじゃないかと思います(笑)。

今回のシングルは、男装をしている通常盤のジャケットがセンセーショナルですので、見かけたらぜひお手に取っていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。


今井麻美さん今井麻美さん

(取材・文・撮影:千葉研一)


■今井麻美9thシングル「Limited Love」
初回生産限定盤
▲初回生産限定盤
通常盤
▲通常盤


【発売日】2012年7月25日(水)
【価格/品番】
初回生産限定盤(DVD付き):1,890円(税込)/SVWC-7878〜9
通常盤:1,260円(税込):1,260円(税込)/SVWC-7880
【発売】5pb.
【販売】アニプレックス
【初回特典】B2ポスター(アーティスト写真)予定

【収録曲】
01. Limited Love
02. 三日月色
03. Limited Love -off vocal-
04. 三日月色 -off vocal-


■今井麻美9thシングル「Limited Love」発売記念イベント

2012年8月22日発売の原由実さんデビューシングル「HANABI」との合同イベントも開催決定!

≪2012年9月1日(土)≫
【会場】アニメイト天王寺店 開演11:00〜
【ゲスト】今井麻美
【内容】お渡し会

【会場】ゲーマーズなんば店 開演16:00〜
【ゲスト】今井麻美&原由実
【内容】トーク&ライブ(「HANABI」合同イベント)

≪2012年9月9日(日)≫
【会場】Revolver(北海道札幌市) 開演13:00〜/開演16:00〜
【ゲスト】今井麻美
【内容】トーク&ライブ

≪2012年9月29日(土)≫
【会場】都内某所 開演13:00〜/開演16:00〜
【ゲスト】今井麻美&原由実
【内容】トーク&ライブ(「HANABI」合同イベント)

※イベントへの参加をご希望の方はアニメイト、ゲーマーズ各店舗、または各HPで詳細をご確認ください。


©Team GrisGris / 5pb.