今日はプリンスリーグ関東を観に行く。
成立学園、横浜FCと今年まだ見ていないチームだ。
まず会場的に具合が良かった。
成立学園は東京都北区に校舎がある。
ただ試合会場の成立学園鷲宮グラウンドは埼玉県久喜市だ。
更にキックオフが11時だから、
今晩の栃木×町田戦と掛け持ちするのにちょうどいい。

初めて来たけれど、素晴らしい施設だった。
東鷲宮駅から歩いて約10分。
東北本線、東北新幹線に挟まれた敷地だ。
天然芝、土、フットサルサイズの人工芝とピッチが「2.5面」ある。
更にウエイトルーム、部室棟、寮も完備。
同じ敷地には野球部用の球場、室内練習場もある。
Jクラブと学校の「経済力格差」を改めて痛感した。
ただ赤羽の校舎から、移動に1時間くらい掛かります。
成立ゼブラFCという中学生チームも持っていて、
「限りなくクラブチームに近い」部活とも言い得る。

プレミア関東2部は今日が第10節。
10チーム総当りの「後期初戦」である。
成立学園は3勝2分3敗。勝点11の7位だ。
試合消化が一つ少ないので、上積みの余地がある。
総監督は元女子日本代表監督の宮内聡氏だ。
ロンドン五輪代表の大津祐樹を筆頭に、Jリーガーを複数輩出している。

横浜FCユースはプリンス初年度ながら、
6勝1分2敗で首位に立っている。
ただ5位・佐野日大まで勝点5差と混戦状態だ。
関クラの9決トーナメントでは川崎、千葉を連破。
全国大会の出場を決めている。
千葉から4得点を奪ったのが木下康介。
188cmの大型FWで、僕も彼のプレーを楽しみにしていた。
しかしU−19代表に招集されてこの試合は欠場だ。
監督が重田征紀氏でコーチは小山健二、早川知伸、貞富信宏の各氏。
横浜FCのOBが名を連ねている。

成立学園高校
GK  1 中座大輔  2年 180/63 ソシエタ伊勢SC
DF 23 鈴木和希  3年 180/70 FC東京深川
    4 荷平雅史  2年 181/71 アルビレックス新潟
   16 信川将   3年 180/70 クリアージュ
   15 鈴木京介  3年 173/65 成立ゼブラFC
MF  6 大友郁也  3年 173/66 成立ゼブラFC
    8 吉村郷史  3年 173/65 桶川西中
    7 松井優斗  3年 176/62 横浜FMみなとみらい
   12 新田佑介  3年 169/60 成立ゼブラFC
FW 11 千葉嘉人  3年 171/57 成立ゼブラFC
   13 岩元翔平  3年 176/63 トリプレッタ

−−−−岩元−−−−千葉−−−−
−−新田−−−−−−−−松井−−
−−−−−吉村−−大友−−−−−
−鈴木−−信川−−荷平−−鈴木−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−中座−−−−−−−

横浜FCユース
GK  1 高丘陽平  2年 179/65 横浜FC・JY
DF  2 剣聖矢   3年 171/66 横浜FC・JY
    4 羽毛勇斗  3年 180/70 横浜FC・JY
   20 南祥巧   3年 174/68 横浜FC鶴見JY
   14 宮川開   3年 176/60 横浜FC・JY
MF 13 石井圭太  2年 174/66 横浜FC・JY
   25 江口諒   2年 169/63 横浜FC・JY
    8 河野稜磨  3年 165/53 横浜FC・JY
    7 田中舟汰郎 3年 169/58 横浜FC・JY
FW 10 松田大斗  3年 164/57 横浜FC・JY
   11 榎下隼人  3年 167/61 横浜FC・JY

−−−−榎下−−−−松田−−−−
−−田中−−−−−−−−河野−−
−−−−−江口−−石井−−−−−
−宮川−−-南−−−羽毛-−−剣−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−高丘−−−−−−−

成立学園は中座大輔がスタメンGKに入っている。
昨年6月に見た時は1年(当時)の芝崎寛文を起用していた。
同学年だし、ライバル関係なのだろう。
中座は前所属はソシエタ伊勢SC。
中村研吾(四日市中央工業)と同学年ということになる。

0分、横浜FCは松田大斗、榎本隼人が前線でパス交換。
松田は左からのリターンを受けて、右に開く。
河野稜磨がエリア右に抜け出してシュートを狙うも枠上。

成立は序盤からダイレクトにスペースを狙ってくる。
左利きの信川将が最終ラインで起点になる。
クリアージュでは左サイドMFをやっていた選手だ。
ただ横浜FCの最終ラインも跳ね返しが強い。
羽毛勇斗は高さがあるだけでなく、ボールも動かせる。
前線は河野稜磨、松田大斗、榎下隼人のドリブル、抜け出しが持ち味。
そこが攻め手になっていた。

22分、横浜FCは羽毛勇斗が左サイドに鋭く展開。
田中舟汰郎はエリア内にドリブルで切れ込む。
石井圭太がこぼれ球から右足ミドルを狙って枠を捉えた。
これはGK中座大輔にブロックされる。

30分、横浜FCは剣聖矢が右サイドに縦フィード。
河野稜磨がスペースに抜け出して左、右と切り返して…。
エリア右からシュートを狙うも枠上。

36分、成立は松井優斗がDF裏に一発浮き球フィード。
千葉嘉人が身体半分抜け出してエリア内に切れ込む。
ここはCB南祥巧が横から身体を寄せてぎりぎりクリア。

前半45分は静かな展開でスコアレスのまま終了する。

51分、横浜FCは河野稜磨が右サイドから切れ込む。
今度も得意の切り返して左、右とスラローム。
ゴール右からシュートを狙うがGK中座大輔にブロックされる。

後半は成立の応援が賑やかにになっていた。
野球部員がサッカー部員に混ざり、メガホンを叩いて応援に加わる。
いつも隣同士で練習をしているから、仲がいいのだろう。

52分、成立は岩元翔平が前線で競って落とす。
千葉嘉人がゴールからシュートを狙って決定的だった。
ここは剣聖矢がいい寄せでシュートブロック。

64分、横浜FCは松田大斗→奥津翔太。
65分、成立は千葉嘉人→中沖夕星。

71分、成立は中沖夕星が左サイドから強引に切れ込む。
岩元翔平は右サイドからセカンドをエリア内に折り返す。
鈴木京介が攻め上がって詰めてシュート。枠外。

76分、横浜FCは左CKからの攻め直し。
石井圭太が左サイドから右足で折り返す。
羽毛勇斗はゴール前でヘディングを競る。
最後は奥津翔太がゴール右からこぼれ球を押し込んだ。
<横浜FCユース 1−0 成立学園高>
横浜FCがセットプレーから先制する。
代わって入った奥津翔太がいい仕事だ。

77分、横浜FCは河野稜磨→窪園大地。
窪園はパワフルな突破が特長のアタッカーだ。
ちなみに前所属は我らがFC町田ゼルビアジュニアユース!

78分、成立は鈴木和希が中盤からのFKをエリア内に合わせる。
中沖夕星はヘッドに競り勝って前に落とす。
吉村郷史がセカンドに反応し、ゴール右からフリーで押し込んだ。
<成立学園高 1−1 横浜FCユース>
確か早めのリスタートだった。
横浜FCは得点後の緩み、「虚」を突かれた。
中沖夕星は突進、ハイボールの競り合いでパワーを発揮。
どちらも交替選手が前線で効いていた。

81分、横浜FCは窪園大地が右サイドをえぐって折り返す。
榎下隼人はニアから右足のダイレクトボレーを狙う。
浮き球から豪快に狙うも、シュートはバーに弾かれる。

85分、成立は鈴木和希が右中間から縦にクサビを当てる。
千葉嘉人が右に流れてマークをずらし、右足ミドルを狙う。
横浜FCのDFがブロックして枠外。

86分、成立は岩元翔平→浅野裕永。
浅野は2年生で、182cmの長身FWだ。
成立の最終布陣がこう↓
−−−−浅野−−−−中沖−−−−
−−新田−−−−−−−−山本−−
−−−−−吉村−−大友−−−−−
−鈴木−−信川−−荷平−−鈴木−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−中座−−−−−−−

93分、横浜FCは南祥巧が右から折り返す。
奥津翔太がトラップして右足ミドルを狙う。ぎりぎり枠外。

試合は1−1でタイムアップ。
お互いに「流れの中」で決め手を欠いた。

試合後に横浜FCユースの重田征紀監督からお話を伺いました。
●試合の振り返り
負けているゲームは立ち上がりが悪く、そこで失点することが多い。
そこを慎重にという意識付けをして、試合に入りました。
消耗戦になるのも予測できたので、
ボールをしっかり持てるように、という部分も強調した。
ただあまり意図的にボールを持ちきれなかった。
ウチはサイドからの攻撃が多いので、
クロスのところからゴールを奪えればよかったんですけど…。
出ている選手によって試合運びが変わる部分はある。
今日出ている選手は、スペースに走る選手が多い。
木下康介は高い位置でボールを収める、前で時間を作ることが得意です。

●目標
夏のアウェイ3連戦を上手く進められなかったのは少し残念です。
ただ長いリーグなので、状態の維持もそんな簡単なことではない。
リーグ戦は1回中断が入るので、
また夏にしっかり積み上げて、秋の再開に備えたい。

●横浜FCにとっての育成
ウチはトップチームも含めて、大きなクラブではない。
トップがしっかり勝ってJ1に上がってくのが、クラブとしての目標ではある。
ただそれを支える育成分がしっかりしないと、
長い目で見て、安定してJ1で戦っていけるということにならない。
今日もほぼジュニアユースから来ている選手。
6年間うちにいて、そこからトップに行けるのが理想だし、
その辺は大切にしていますね。
横浜FCがある程度、こういう形でサッカーを積み上げている中で、
まずはそこでやってみたい、という気持ちを持ててくれれば、
一番いいことなのかな?という風に思う。

●選手
今の選手たちは技術レベル、戦術的理解が
すごく上がってきていると思うんですよね。
ただ逆に昔と比べて、少し「個」が弱いのかな?という部分もある。
上で勝負していくには、特長を大きくしないと勝負にならない。
でも今の子達は一生懸命やってくれるので、すごく楽しみです。