日本テレビのタレント社員「T部長」を覚えているだろうか。
 物議をかもした『進め!電波少年』というヒット番組を世に送り出した土屋敏男元プロデューサーのことだ。
 猿岩石に香港からイギリスまでヒッチハイクを指示、一躍スターにしたことでも知られる。だが、その後は表舞台から消えていた。
 インターネットを駆使した『第2日本テレビ』を立ち上げるなど“IT系ビジネス”に手をそめてきたが、いずれも成功を収めたとはいえない。
 「現在は、編成局専門局長という立場です」(日本テレビ関係者)

 そんな土屋氏が責任者になり、7月にスタートさせるのが『ライフビデオ(株)』である。「あなたの人生をビデオにする」をコンセプトに、顧客の写真や映像をベースにして局のアーカイブ映像やインタビューをおりまぜ“ライフビデオ”を制作するというもの。成功者が出す自叙伝のビデオ版というところだ。
 そのお値段だが、もっとも廉価なのが「親孝行パック」で45万円(税抜き)。80枚以内の写真と6分程度のインタビューなどをもとに計12分ほどで構成される。
 ほかにも「おまかせパック」が60万円(同)、時間無制限でタレントが出て盛り上げる「プレミアパック」などもあり、これは価格相談という。

 しかし、最も安いとされる12分ビデオの制作費が45万円は高過ぎないか。テレビ局はほとんど投資するものがないので、原価はゼロに等しいからだ。もっと価格を下げないと注文殺到とはいかないとの指摘は多い。
 そのせいか「T部長」、いや「T社長」は発表会見で「作品のクオリティーには自信はあるが、初年度はほとんど利益が出ないと思っています」とやや自信なげな様子。
 タレントをあごで使っていた時代とは違い、今は頭を下げて仕事をとってくる立場。果たして成功させることができるのか、お手並み拝見である。