そしてKISSプロジェクトが2012年5月13日に発見した最初の超新星が、かに座の方向の約4億光年先にあるSN2012cmである。

広島大学のかなた望遠鏡での追加観測により、この天体は超新星であることが判明し、国際天文学連合(IAU)への報告が行われ、2012年5月27日にSN2012cmと命名されたわけだ。

SN2012cmは、爆発後10日経過したものであることも判明している。

その後、かに座の方向の約3億光年先に、爆発約5日後の発見となる「SN2012cq」(かなた望遠鏡、台湾国立中央大学鹿林天文台1m望遠鏡、ガリレオ3.6m望遠鏡で追加観測)、ヘルクレス座の方向の約5億光年先に、爆発約3日後の発見となる「SN2012ct」(台湾国立中央大学鹿林天文台1m望遠鏡、ガリレオ3.6m望遠鏡で追加観測)の2個も発見した(画像7・8)。

なお、探査の本格的なスタートは2012年秋で、その後3年間の観測を予定している。

目標としては超新星を100個以上発見し、その中の数個の超新星に対しては、その爆発の瞬間をとらえることができるだろうという見通しである。

また、木曽観測所におけるもう1つの大規模観測プロジェクトである「天の川銀河面変光星探査」でも、順調に未知の変光星が発見されつつあるという。

そしてKISSプロジェクトでは、天文学に興味のある一般の方々との協力体制を組み、共同で研究を進めるという世界的にも珍しい試みも計画中だ。

超新星発見までの過程において、研究グループは、画像同士の引き算を行い、引き算画像上に写っている天体、すなわち明るさの変化している天体を超新星候補とする。

しかし、この引き算画像には、本物の超新星以外に、宇宙線や引き算のミスなどの偽物が、本物の超新星よりも多く存在する。これらを人間の目でチェックし、本物だけを選び出す作業を、アマチュアチームによって行い、その結果を受けて、早急な追加観測を行うことを予定している。