中国青年報は27日、香港はアジア地域でも名だたる「汚職・腐敗の害が少ない地域」と論じる記事を掲載した。社会全体が賄賂(わいろ)に対して「絶対不寛容」と特記して、さまざまな事例を紹介した。中国新聞社など中国大陸の各メディアが転載した。

 汚職問題などに取り組む非政府組織(NGO)「トランスペアレンシー・インターナショナル」によると、公務員や政治家の「清潔度」(2011年版)で、香港は世界182の国と地域のうち第12位だった。アジア(大洋州を除く)では5位のシンガポールに次いだ。

 記事は、「タクシーの乗客が運転手との雑談で『この間、(役人に)賄賂を渡したよ』と話したところ、運転士はそのまま客を(汚職問題を取り締まる)廉政公署に連れて行った」、「映画の撮影現場を“盗撮”しようと芸能記者が守衛に300香港ドル(約3070円)を渡して侵入したところ、裁判で『拘束3カ月』の刑が言いわたされた」など、香港では賄賂や類する行為を許さない社会意識が確立されていると紹介した。

 香港廉政公署の汚職通報審査尋問委員会の祖祥主席は、汚職行為に対して絶対に不寛容である「ゼロ容認」が大切と説明。「たとえ少額でも、汚職行為にだんだん慣れてしまい、大金でも大金と感じなくなる」と指摘。「汚職は汚職。小さくても汚職、大きくても汚職」であり、香港廉政公署は「たとえ1ドルの汚職でもきちんと処理する」意識を持っているという。

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◆解説◆ 中国青年報が、「汚職が少ない社会」として香港を特に取り上げた背景には、同じ中華系社会であり、しかも、特別行政区とはいえ「中華人民共和国の一部」という事情があると考えられる。すなわち、「中国大陸部では、腐敗問題がなぜ、これほどまでに深刻なのか」との問題提起があると考えられる。

 トランスペアレンシー・インターナショナルが発表する、各国と地域に関する「清潔度指数」の正式名称は「Corruption Perceptions index(腐敗認識指数)」。指数が大きいほど「腐敗度が低い」ことを意味する。

 日本は世界第14位、アジアでは3位、台湾(中華民国)は同32位、4位だった。韓国は世界第43位、マカオ(澳門)は同46位、中国は75位、北朝鮮はソマリアとならんで世界最悪の第182位だった。なお、北朝鮮については2010年まで、指数そのものが算出されていない。(編集担当:如月隼人)