在日外国人のマーケティングリサーチパネルを運営しているACCUENT(アクエント、本社:東京都渋谷区、社長:赤沼悠介)は、日本の一流大学でマーケティングを専攻する中国人留学生が中国版ツイッター新浪微博(ウェイボー)の投稿代行や簡易な中国の市場調査を行う「ウェイボースタッフ」を6月4日から始めた。

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 在日外国人のマーケティングリサーチパネルを運営しているACCUENT(アクエント、本社:東京都渋谷区、社長:赤沼悠介)は、日本の一流大学でマーケティングを専攻する中国人留学生が中国版ツイッター新浪微博(ウェイボー)の投稿代行や簡易な中国の市場調査を行う「ウェイボースタッフ」を6月4日から始めた。「中国市場ではウェイボーなどのクチコミ情報が効果的な企業PRにつながる」という同社代表取締役社長の赤沼悠介氏に、サービスの概要と期待される効果を聞いた。

――「ウェイボースタッフ」を始めた狙いは?

 中国を大きな消費市場と考え、中国向けに商品やサービスを提供しようと考える日本企業に、中国国内での知名度拡大や中国への進出の手助けができると考えました。中国に進出しても企業の知名度がなければ商品を買ってもらえません。中国で3億人ものユーザーを持ち、アクティブユーザーが多いことでも知られる「新浪微博」を使って、企業PRやプロモーションを行うことは、中国で知名度を上げる簡便で効果的な方法です。

 ただし、ウェイボーに投稿する内容は、中国人の感覚で投稿しないと共感の輪が広がりません。単純に日本語を翻訳して投稿しているだけでは多くのフォローが期待できません。

 当社では在日外国人のリサーチマーケティングパネルを運営している関係から、約80カ国1万人の方々とのネットワークがあります。そのうち、中国人登録者は約4000人です。このネットワークを生かして、日本企業が中国向けのプロモーションを行う際の「外部スタッフ」と考えていただけるようなサービスを提供することにしました。

――「外部スタッフ」のようなというのは、単なる翻訳ではないのですか?

 「ウェイボースタッフ」は、東京大学、一橋大学、早稲田大学、慶応大学などの一流大学に通う日本語に堪能な中国人留学生が担当しますが、特にWebリテラシーが高く、マーケティング、PR、プロモーションの知識、経験、強い興味があることを条件に、200名くらいを選抜します。

 基本サービスとして1日2投稿(1回140文字以内)までの投稿翻訳・代行を行いますが、中国に対する質問や現地の流行等についての情報提供、また、より効果的なPRやプロモーションの提案なども行います。留学生とともに中国について考え、効果的な施策を一緒に立案していくことも可能だと考えています。

 また、20代の学生ですから、ウェイボーの利用者の中心と重なっている世代ですので、その翻訳文章も現地の消費者と同じ感覚で翻訳されます。

――留学生というと学業があるので毎日は対応できないのでは?

 2−3人でチームを作って対応する計画です。1週間当たり28時間以上は働いてはいけないという規定もありますので、その範囲で連携しながら業務します。また、チーム制にすることで、中国に関する質問の答えも個人的な感想を超えて、より一般的な回答もできます。新しいプロモーションの提案についてもチームで意見を出し合うこともできます。

 また、マーケティングに興味のある留学生ですので、スタッフにも日本企業を知る学びの機会になると考えてもらえ、月額1万8750円でサービスを提供することができます。

 オプションサービスになりますが、ウェイボーを使ったアンケート調査、受診したメッセージの翻訳、希望する投稿者をフォローして投稿内容を翻訳することもできます。

――サービスへの反響は?

 広告代理店、ホテル、倉庫などからお問い合わせをいただいています。

――今後の展望は?

 中国人観光客事業や中国向けWebショップ事業を展開している企業に対して、メールコンタクトセンターやチャットサービスなどを代行することが可能です。また、中国での有効なWEBマーケティングについて専門家のアドバイスを掲載したメルマガの発信なども計画しています。

 中国をはじめ海外で成功するためには、現地を良く知り、かつ、現地に対する情報発信が欠かせません。このサービスへの反響から、そのようなニーズは大きいということを実感しましたので、今後も在日外国人によるマーケティングやリサーチ関連のサービスを拡充していきます。(編集担当:風間浩)