このところ、黒田博樹の最大の武器であるシンカーの球速が落ちていることを懸念していた。私はそれを衰えだと思っていたのだが、BSの解説武田一浩は、「立ち上がりに力を抜いていた」と言った。

果たして、昨日の黒田は1回から150km/h超のシンカーを2球投げた。

hiroki-Kuroda20120608



コントロールも良かったのだが、ニューヨーク・メッツ=NYMの各打者も積極的に打つ姿勢が見えた。その流れにうまく乗って、アウトカウントを積み重ねていった。

確かに肩の調子も良かったのだろう。シンカーがよく曲がっていた。早い回からスプリッターを投げることが多くなっていた黒田だが、この日はシンカー主体の投球になっていた。
何事も起こらない。淡々と回が進んでいく。

黒田が好調の時はいつもそうだ。ストライクが先行し、間合いを開けることなく投げる。審判も、迷うことなくコールをする。信頼感があるのだ。

昨日、私は鳥取のホテルで見ていた。いつも黒田の投球は翌日にブログにしているのだが、ノーヒットピッチなら、すぐにあげたい。ホテルのチェックアウトの時間が迫るし、どうしたものか、と思っていたが、その矢先にクインタニアが、あまり変化をしないシンカーを左翼線へ二塁打した。

しかし、走者を背負っても全く動じることはなかった。7回にはドゥーダを歩かせたが、この時点で89球。3度目の完封も視野に入ってきたが、マーフィーのピッチャー返しが黒田のかかとに当たって跳ね返り、3塁A-RODが捕ってアウト。珍プレーではあったが、用心をしてここで降りることとなった。少し残念だ。

この3試合、調子が上がっている。期待が出来る。

9回、前日にAAAから上がってきた五十嵐亮太がマウンドへ。古巣との対戦だ。しかし、NYMの各打者は、五十嵐が「勝手にカウントを悪くする投手だ」と熟知している。

黒田よりもはるかに速い球を投げながら、五十嵐はじりじりと攻略され、失点した。
MLBでは、良い投手とは速い球を投げる投手ではなく、打てない球をストライクゾーンに投げる投手だということを、改めて思い知らされた。