ローム、低VFを実現したSiCショットキーバリアダイオードを発表

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ロームは6月7日、太陽光発電のパワーコンディショナや産業機器、サーバ、エアコンなどの電源回路向けに順方向電圧(VF=1.35V)を実現した第2世代SiCショットキーバリアダイオード「SCS210AG/AM(600V/10A)」を発表した。

産業機器や太陽電池、電気自動車、鉄道などパワーエレクトロニクスの分野では、SiCデバイス/モジュールの実用化への期待が高まっている。

同社は、2010年にSiC-SBDやSiC-MOSFETなどのSiC製品の量産を実現しており、2012年3月には”フルSiC”パワーモジュールの量産にも成功している。

現在、SiC-SBDは各メーカーで量産されるようになってきたが、定常損失となる順方向電圧は1.5Vで横並びの状態が続いており、さらなる低損失化のために順方向電圧の低減が求められていた。

通常、順方向電圧を低減すると逆方向リーク電流が増加してしまう。

これに対し、同製品ではプロセスとデバイス構造の改善により、リーク電流を低く保ったまま順方向電圧の低減を実現した。

また、順方向立ち上がり電圧が低く、使用されることの多い低負荷状態での効率改善も期待されるという。

同シリーズでは、まず600V/10Aの「SCS210AG/AM」の量産を開始し、順次ラインアップを拡充。

数カ月以内に1200V品の量産も開始する予定だ。

なお、「SCS210AG/AM」のサンプル価格は500円。

生産拠点は、ローム・アポロ(福岡県)で、6月からサンプル出荷を開始し、順次量産に移行する予定。