29日、中国の著名な経済学者、郎咸平氏は「新たな景気刺激策は中国を日本式の大不況に陥れる?」と題した記事を中国のブログサイトに掲載した。写真は上海。

写真拡大

2012年5月29日、中国の著名な経済学者、郎咸平(ラン・シエンピン)氏は「新たな景気刺激策は中国を日本式の大不況に陥れる?」と題した記事を中国のブログサイト・騰訊博客に掲載した。以下はその内容。

【その他の写真】

23日に開催された中国国務院常務会議で、構造的減税政策の継続や内需拡大の推進などを盛り込んだ安定成長のための11項目が示された。情報筋によると、これに続き、財政・通貨・産業に関する具体的な新政策も相次いで公布される。要するに、これは新たな景気刺激策を打ち出すという号令だと解釈できるが、効果はさほど期待できないと筆者は考える。

我々は冷酷な現実を直視しなければならない。中国経済の高度成長を支える方法はただ1つ、大規模な固定資産投資だ。輸出も内需も全く当てにならない。新たな景気刺激策は中国を日本式の大不況に陥れるだろう。鉄道部から地方政府に至るまで、中国経済はすでに深刻な債務危機に陥っている。鉄道部は中国経済の発展モデルの縮図といってよい。

筆者は早くも2011年の春節(旧正月)に鉄道部の財政は危険な状態だと警鐘を鳴らしていた。もっとも、当時の鉄道部はまだ「大躍進」の真っただ中で、誰も筆者の話には耳を貸さなかったが。鉄道部は「政府に8000億元(約10兆210億円)の支援を求めた」との報道を「全くのデマ」と否定したが、本当にデマなのかどうか疑わしい。

普通に考えて常に手元に運転資金を残しておくのは常識だろう。開発も1つのプロジェクトの投資回収が済んだ時点で、次のプロジェクトに取り掛かる。手元の資金をすべて投じて同時に10数件のプロジェクトを進め、資金繰りに困ったらあちこちに借りに行くなんてことはあり得ない。そんなことはMBAを持っていなくても分かることだ。

皆さんは当時の日本経済の過熱ぶりを覚えているだろうか?言っておくが、今の中国とほぼ同じ状況だ。日本のように「失われた30年」に陥らないためにも、我々はケインズ主義を踏襲すべきではない。日本の失敗は簡単な道理を教えてくれている。それは、財政刺激策も低利率も国債発行も、全く効果がないということだ。

経済周期は、冬が来れば必ず春が来るという四季のようにはいかない。厳冬期の後に氷河期がくる可能性もあるのだ。昨今の大不況は過去数年にわたる「大躍進」のツケが回ってきたもの。これを相変わらずの方法で脱しようとすれば、その先には必ず日本式の「失われた30年」がやって来ると断言する。(翻訳・編集/NN)