「再生可能エネルギーは産業の裾野が広い。例えば、ディフューザの素材は航空機のボーイング787と同じCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を使うとより軽くなります。実はこの素材は日本が世界で7割のシェアを持っている。注文を受けた地域ごとに地元の中小企業に製作をお願いする方法が取れたらいいですね。するとコストも抑えられ、雇用も増えることになる」

 今年7月に再生可能エネルギーの買取価格が発表されると、多くの企業や団体が風力発電事業に参画するだろう。環境に優しく地域分散型の産業を生む可能性があるレンズ風車、そして洋上ファームが、エネルギーの革命児となる時代が、もうすぐやって来そうだ。

(取材・文・撮影/長谷川博一、写真提供/九州大学 応用力学研究所)

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