さらに、風力発電で一番怖いとされるのは、風車への落雷による発電機の損傷やブレードの破壊。ところが、ディフューザの外枠部分には避雷針をつけることが可能なので、落雷の心配も無用だ。

 ちなみに、首が固定された通常の風車と違い、レンズ風車は風の強いほうへと首が回る「風見鶏型」の設計を施している。これもレンズ風車の大きな強みである。

 騒音の心配もなく、空を飛び交う鳥の命をしっかりと守る文字どおり環境共生型の発明だ。

(取材・文・撮影/長谷川博一 写真提供/九州大学 応用力学研究所 図/nmnm)

レンズ風車の生みの親、大屋裕二九州大学教授は、「風にしろ海洋にしろ、自然エネルギーを使うには自然を知ることが大事」と語る。

【関連記事】
環境ドキュメンタリー映画『第4の革命』監督、カール-A・フェヒナー「5%の人が変われば、社会は変わる」
原発燃料再処理と自然エネルギー実用化。どちらもコストは約50兆円
究極のクリーンエネルギー「振動力発電」の可能性 速水浩平(株式会社音力発電社長)
HV、EV、クリーンディーゼルに第3のエコカー。どのエコカーを選ぶのが正解?
自転車発電で1時間テレビを見るには3時間半こぎ続けなければならない