こういう基本的な事項を間違えられると、非常に困るなあと思ったので、他サポながらクリップ。新潟サポの皆さまにはお見舞い申し上げます。ポイチさんは返せません、というか元からウチの人ですが、残念ながら(注:昨年までコーチとして新潟に在籍)。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120521-00000039-spnannex-socc
 

 ガッツリ「解任」と書いていますが、実際のところは辞任でした。

 http://www.albirex.co.jp/news/top_team/35713
 
 
 社長のコメントが以下のとおり載っています。強調は引用者。

>まず、選手として、コーチ・監督として約6年半、クラブにご尽力いただいた黒崎監督、選手、コーチとして約1年半クラブにご尽力いただいた西ヶ谷ヘッドコーチに感謝申し上げます。今シーズン、チームとして多くの皆様の期待を寄せていただきながら、期待を大きく下回る結果となり、黒崎監督から辞任の申し出があり、受諾することといたしました。ここ数試合は、新潟らしい粘り強く、ひたむきなプレーができず、チームとしてのアグレッシブさが欠けていました。


 ということで、内情はともかく形としては辞任です。「実質的には解任でしょ」という意見もあろうかと思いますし、確かに「実質的には」解任なのかもしれませんが、辞任と解任とはもちろん大きく違う点があります。それは、違約金の有無です。

 そもそも違約金とは何かというと、契約を途中で「違える」ことへの補償金です。「2年契約って言ってたけど、あんた気に入らないから解雇ね」とはできないように、契約に盛り込みます。もちろん契約書の中身を見ることはできないので、推測ではありますが、解任ではなく辞任となっている以上違約金は発生しえません(場合によっては、チームから監督への違約金請求もありえますが、今回は成績不振である以上お互いの合意があるものと推測できますし、社長のコメントからもそれは明らか)。

 この間違いは小さなものに見えますが、新潟が今後黒崎前監督に違約金を支払い続けるか否かは財政面で大きな違いがあります。仮に黒崎前監督が辞任せずさらに負けが込み、解任「せざるを得なくなった」場合、新潟はさらなる成績不振に加え違約金の負担がズッシリとのしかかります。
 
 黒崎監督が辞任というカードを切ったのは、そうした面も考慮してのことかもしれないわけで、そこは解任とは大きく違うわけですね。素人のブロガーが書き間違えるのは仕方ないですが、yahoo! ニュースに配信されるメディアはそこんところしっかり書き分けてほしいな、と思うわけでした。

※ひょっとしたら「黒崎解任」というソースをつかんでいたのかもしれませんが、いずれにせよ誤報に違いはありませぬ※