J2第14節 
東京ヴェルディ 0対1 ファジアーノ岡山
(5月13日 味の素スタジアム)

★前半は期待外れ
 J2でファジアーノ岡山が予想以上の健闘を見せている。開幕最初の4節は、2引き分け2敗と出遅れたが、第5節から8試合連続負けなし、6勝2引き分けである。第13節は岐阜に0対1で敗れたが、上位をうかがう地位につけている。この健闘が本物かどうか。味の素スタジアムで東京ヴェルディと対戦するのを機会に見に行った。
 前半は、まったく期待外れだった。相手からボールを奪うと前線の川又堅碁に合わせようと急いで縦に出す。それがつながらないで拾われて中盤を抑えられる。前半はシュート1本だけだった。決定的なチャンスはまったくなかった。
 「ファジアーノの良さは守りかな?」と思った。
 ヴェルディの前半のシュート数は6本だったが、こちらも決定的な場面はなかった。パスをつないで攻めるヴェルディを、岡山が厚い守りで抑えていた。

★厚い守りの布陣
 ファジアーノの布陣は3:6:1というふれこみだった、試合前に配布されたメンバー表では3:4:3だった。試合が始まって実際の布陣を見たところでは3:4:3のようだった。ただし、前線は川又堅碁のワントップに金民均と関戸健二が、中央で引き気味についている感じである。両翼は中盤からの進出を狙っている。
 いずれにせよ守備ラインは3人だが、3DFの布陣は、守りの場面、つまり相手がボールを持っている場面では、中盤のサイドプレーヤーが下がってDFラインは4人、あるいは5人になることが多い。3DFと表現すると守備ラインは3人だけで4DFより攻撃的だということになるが、実は5DFで守備的になるケースが多い。この日のファジアーノの前半は、そうだった。つまり守備的だった。中盤できびしくチェックし、ゴール前は厚いブロックで守っていた。

★川又堅碁の「はやさ」に注目
 前半は0対0だったので後半は両チームとも攻めに出るほかはない。攻め合いになって後半のシュート数は7本ずつと互角だった。
 面白いと思ったのは、岡山の前線プレーヤーが、のびのびと動き始めたことである。それぞれが自分の意思で動き、お互いにそれに合わせる攻めになった。サイドからの攻め込みとミドルシュートを織り交ぜ活発に攻めた。
 トップの川又堅碁の動きに注目した。前線への飛び出しがはやい。身長1m83と大型だが、スピードも技術もある。後半36分の逆襲速攻による決勝点は、川又のはやい飛び出しがチャンスを作った。22歳。得点をあげた関戸も22歳である。攻めの若い選手を生かして使えれば、上位を争う可能性はあるだろうと思った。
 岡山は勝ち点で、ヴェルディ、大分と並んで5位になった。