日本代表を倒す大金星をあげた幅口絵里香(左)と小野田恵子(右)。小野田はほぼ完璧なプレイ。自身初のベスト4へ進出

 ビーチバレーの国内ツアー第2戦・ビーチバレー大日本印章カップ第2日は11日、久屋大通公園(名古屋市)にて男女とも2回戦が行われた。

 男子は日本代表の朝日健太郎(フォーバル)・白鳥勝浩(湘南ベルマーレ)組などシード上位のチームは順当に明日の準決勝に進んだ。女子も第1シードで日本代表の浦田聖子(千の花)・西堀健実(丸善食品工業)組は勝ち上がったが、同じく代表の田中姿子(エコ計画)・溝江明香(産能大)組は、ワイルドカードで出場の幅口絵里香(大樹測量設計)・小野田恵子(KYUBA)組にストレートで敗れた。浦田景子(フリー)・浅尾美和(エスワン)組は準決勝に進んでいる。

 「しゃぁあー!」

午後4時を過ぎた、この日の最終ゲーム。西側にある10階建ての百貨店の伸びた影が覆い始め、季節外れの冷たい風が時折、息をしながら吹きつけるコートの中、幅口の言葉にならない大きな叫び声が響き渡った。

 幅口・小野田組は3月に行われた今シーズンの年間シードを決める大会で3回戦敗退。ツアー第1戦もワイルドカードで出場したが、予選プールを0勝2敗と1セットも取れなかった。

 相手は一昨日、ワールドツアーから帰国。ブラジル、中国、日本と4月から国内外で連戦を続けており、コンディションは万全ではなかったが、オリンピック出場を狙う日本代表をチームである。幅口・小野田は大きな星をあげた。

 「先週、負けたが浦田・西堀組と当たり、強いチームとやるイメージはできていた」と言う幅口。チームは巧妙に戦略を立てた。

 第1セットの序盤、セオリー通り、若く経験の少ない溝江にボールを集めるが簡単に強打で切り返された。そこで戦略を実行。サーブで田中を狙った。「(田中)姿子さんの動きにキレがなかった」(幅口)ネット際に落ちる短いサーブで田中の前のスペースを狙い、揺さぶった。中盤まで試合の主導権を握られていたが、じわじわと点差が縮まっていく。田中のレシーブが乱れ、トスもばらつき、日本代表は強打を繰り出せない。苦しまぎれのショットを幅口・小野田が拾っていく。終盤までもつれたが21−19で幅口組が取った。

 第2セットに入っても戦略は徹底。サーブで田中の動きを封じ、ディフェンスから攻撃につなげていく。立てた戦略だけでなく実行するプレイも思い通りだった。小野田は強いスパイクは皆無ながら、ブロックのうしろ、ライン際を次々にボールをコートに落としていく。「スピードも威力もないんですけど…」と小野田は笑うが、これで相手のリズムを完全に奪った。

田中姿子と溝江明香
まったく何もできず敗退した田中姿子と溝江明香。連戦の疲れが見えるが「それは他の代表も同じ」と自省

 セットもプライドも失った代表チームは、何とかリズムを取り戻したかった。溝江のツーアタック、ジャンプサーブと繰り出そうとしたが、実行もままならなかった。ミスが多すぎた。「リズム以前の問題。悪い流れが全部出ると、国内の小さなチームにも負けてしまう」と田中は話す。

 第2セットは21−18。競ったようなスコアだが、試合は完全に幅口・小野田のものだった。「ただ、必死にやった結果です!」と小野田。百貨店の影にすっぽりと覆われ、水着には少々寒く冷たい風。それでも二人は大きな笑顔を残してコートをあとにした。

結果は次の通り
□女子2回戦
浦田(聖)/西堀 2(21-15,21-14)0 石田/駒田
金田/村上 0(15-21,15-21)2 尾崎/草野
浅尾/浦田(景) 2(21-10,22-20)0 松山/宮川
小野田/幅口 2(21-19,21-18)0 田中/溝江

□男子2回戦
西村/Casey 2(21-18,21-13)0 奥平/瀬田
畑/日高 0(17-21,12-21)2 朝日/白鳥
青木/今井 2(21-16,15-21,23-21)1 仲矢/長谷川(翔)
高尾/畑辺 0(18-21,20-22)2 井上/長谷川(徳)

(取材・文=小崎仁久)

田中姿子と溝江明香
第1シードの浦田聖子。一昨日、北京でのワールドツアーから帰国するハードスケジュール。名古屋の繁華街での大会に「みそかつを食べて元気をつけます!」
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