早退VS遅滞!楽天と西武がプロの技をいかんなく発揮して雨天泥試合を演じた件。
帰りたい×帰りたくない=帰ればよかった!

個人的にちょっと忙しく、曜日の感覚も狂っている最近。毎日深夜まで会社に留まり、世の中の役にも立たない業務に打ち込んでいると、自分が何をしているのかさえわからなくなります。ついには自宅でのわずかな休息時間にスカパー!でエロ番組でも見ようと思ったら、「今日の調教」なんてドSMなプログラムに目が留まってしまい、「すでに全裸やん!」「すごい、調教師が馬乗り!」「ムチめっちゃ打ってる!」とグリーンチャンネルの競馬番組をボンヤリ眺めていたほど。

そんな中、僕以上に苦しい職場環境を嘆いていたのが、楽天イーグルスのみなさん。10日に行なわれた楽天VS西武戦はあいにくの雨模様。強い雨が試合中に降り注ぎ、グラウンドもビジャビジャ。ドーム球場でも何でもない吹きさらしのKスタ宮城は、もはや野球などやっている状況ではありませんでした。

イニングは4回。点差は6点。予報は通り雨とも数時間降りつづくとも情報が錯綜。楽天選手の想いは「もう中止やん」「無理です」「降雨コールドで勝ちたい」で一致。出塁した走者がボケーッと離塁して牽制で刺されたり、絶対にボールに当たらないようなスイングで三振したり、とにかく試合を早く成立させるために、自ら積極的にアウトになろうとし始めたのです。

これは敗退行為ではありません。彼らが目指していたのは、あくまでも「降雨コールド勝ち」。勝利のために最善を尽くした結果が集団自殺だったのです。言うならばこれは早退行為。雨だし寒いし結果は見えてるし、5回終了時点でやめて帰ろうとしただけのこと。それが全視聴者に伝わるレベルで露骨だったのはともかくとして、何ら責められるところはないのです。さすがプロ集団・楽天です。

しかし、一方西武もまたプロ集団。逆に彼らは降雨試合不成立を狙い、ダラダラと試合を引き伸ばし始めたのです。早退VS遅滞。プロならではの工夫と、ルールの間隙を突いた知恵の数々。そこで繰り広げられたのは、程度こそ低いものの、まったく互角の大熱戦だったのです。

結果的にその試合は、雨も止んで試合は9回まで行なわれ、6点差を跳ね返して西武が逆転したものの、楽天が再度逆転して勝利。「やっぱり途中で止めて帰ればよかった」と思わなくもありませんが、通常の試合では見せない「プロの奥深さ」を堪能できたことは幸いでした。僕もダラダラと会社に拘束されるだけでなく、無駄に仕事を引き伸ばしたり、とっとと切り上げたりする術を身につけたいもの。プロフェッショナルを目指して…!

ということで、数々のプロの奥深さが垣間見えた、10日の楽天VS西武戦をチェックしていきましょう。



◆返金チケットよりも、カッパつきチケットとか傘つきチケットが欲しい…。

「争いは同じレベルの者同士でしか生まれない」なんて言いますが、この試合はまさに同レベル&互角の争い。向いている方向が逆だっただけで、がっぷりと噛み合った攻防には美しさすらありました。切り上げVS引き伸ばし以外にも見所満載のクソ…面白く、バカ…みたいに盛り上がる、クズ…れ落ちそうになるほどの大熱戦となったのです。

●1回
すでに小雨ぱらつく中で試合を強行した楽天。西武は無死一・二塁のチャンスを3番・4番で豪快に潰すと、楽天も三者凡退で応戦。「テンポよく帰ろう」で両者の思惑はとりあえず一致。

<1回に見られたプロの技>
★西武・中島:無死一・二塁のチャンスにバットを折るピッチャーフライ
★西武・中村:一死一・二塁のチャンスに豪快な併殺打


●2回
西武は三凡でテンポ維持するも、楽天は掟破りの裏切り行為。去年まで西武にいたフェルナンデスがフェンス直撃のスリーベースを放ち、西武ファンを「ウソだろ!」「何だ西武戦でか」「西武の守備が何かやったな」と驚かせます。これで一気に崩れた西武の先発・小石は、犠飛→四球→四球→安打で満塁→走者一掃の三塁打で一挙に4点献上。

<2回に見られたプロの技>
★西武・外野陣:センターとライトが2人でフェンス際までボールを追っ掛けた上で、クッションボールに間を抜かれる
★西武・秋山:華麗なダイビングキャッチ
★西武・小石:1回2/3で帰宅


●3回
西武は引きつづきテンポ維持で、あっという間に攻撃終了。楽天は去年まで西武にいたフェルナンデスが二塁打を放つと、四球→安打で満塁とし、併殺崩れの間に1点追加。さらに四球で再度満塁とすると、ピッチャー前のゴロを、西武・木村が足で蹴り飛ばし、返球間に合わず生還を許します。雨も激しくなる中、早くも点差は6点に。

<3回に見られたプロの技>
★楽天・テレーロ:併殺崩れを生む快走
★西武バッテリー:満塁のピンチで投前ゴロを足で蹴り飛ばした投手・木村と、突っ込んでくる三塁走者に足で蹴り飛ばされた捕手・炭谷
★楽天・テレーロ:西武バッテリーが蹴ったり蹴られたりしている間に、二塁から生還を狙うもここは憤死。足は速い
★西武・炭谷:テレーロにも蹴られた


●4回
西武は安打→四球→二塁打で、際どいタイミングながら2人が生還。なお無死二塁とするも、貫録のトリプルゴロで攻撃終了し、引きつづきテンポ維持。一方楽天も「雨が強くなってきたぞ」「これ試合中止じゃね?」「試合成立させないと勿体ない」とチーム団結。先頭・聖澤はワンバウンドのフォークを振りに行って三振。つづく高須は初球打ちで速攻アウトになるつもりが、誤ってヒットとしてしまうミス。しかし、ここは落ち着いて塁から離れ牽制死すると、次打者・松井稼頭央は「バント失敗を偽装した初球空振りで一塁走者を殺す演技」「セーフティバント失敗を偽装した2球目打ちの演技」「始球式みたいなスイングでクソボール三振の演技」というハリウッド仕込みの演技力を披露。試合成立へ早退行為を繰り返す。

<4回に見られたプロの技>
★西武・中村:足おせーよw
★球審:絶対アウトのタイミングでセーフって言っちゃた。てへぺろ
★楽天・聖澤:フォークなら全然違う軌道でバット振ってもいいよね!
★楽天・高須:初球打ち失敗したけど、牽制死したからいいよね!
★楽天ベンチ:「よくやった高須」のハイタッチ
★楽天・松井:絶対ボールに当てないメジャー仕込みのバットコントロール
★西武・大石:楽天打者が50センチくらい目測を誤るレベルの、キレのある変化球だった気がする

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●5回
ますます雨が激しくなる中、西武は先頭・原が二塁打で出塁。栗山が倒れ一死となるも、片岡がまさかのホームランで2点追加。一方楽天は、西武・大石に翻弄され無得点。ただひたすらに試合打ち切りの声を待つ。

<5回に見られたプロの技>
★西武・栗山:試合不成立を狙い、牛歩で打席に入る。かと思えば、間を嫌った素振りで、牛歩で打席を離れる。プロの時間稼ぎ
★西武・片岡:時間稼げよの声を無視して豪快な本塁打
★西武・中島:時間稼げよの声を無視して初球センターフライ
★西武・秋山:時間稼げよの声を無視して2球目打ちの凡打

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●6回
審判団が中止するか続行するかを協議する中、西武は安打→安打→犠打→犠飛で1点追加。楽天ナインに「ヤバくね?」「雨も弱くなってきたぞ」「さっき牽制死したヤツ罰金な!」と暗雲立ち込め始める。何とか突き放そうとするも、西武の好守にも阻まれ無得点。

<6回に見られたプロの技>
★楽天・内村:西武・上本が放ったセカンド後方へのフライに追いすがり、顔面で捕球する魂のプレー
★西武・秋山:楽天の追加点を許さないスライディングキャッチ。好プレー、うーん、好プレー、と振れ幅の大きい守備力を見せる


●7回
俄然勢いづく西武と、俄然弱まる雨。もう完全に9回までやるという雰囲気の中、西武は先頭の片岡が三塁打で出塁。中村の死球、秋山の四球で満塁とすると、ヘルマンの2点タイムリーでついに6点差を逆転。さらに満塁とすると、代打・米野を送り勝負に出る。しかし、ここは米野が併殺に倒れて追加点ならず。一方楽天は西武の強力中継ぎ陣に手が出ず、三者凡退に終わる。

<7回に見られたプロの技>
★西武・中島:無死三塁、走者は俊足・片岡という状況で、走者を釘付けにするならココしかないというキセキ的ショートゴロ
★西武・中村:デブがユニフォームをゆったり着こなすと、デッドボールになりやすいという発見
★西武ベンチ:何を言ったか知らないが、相手投手をマウンド上でキレさせる痛烈なヤジ
★西武ベンチ:指名打者で入っていた上本(捕手だよ!)に代打を送り、先発捕手・炭谷に代打で米野(捕手だよ!)を送り、米野に代わって星(捕手だよ!)を守備に就かせる捕手の濫用。1イニングで3人の捕手が消える


●8回
西武は一死三塁のチャンス。打席に入った片岡には「二塁打でサイクルヒット」の期待がかかるがライトフライ。三塁走者・原もホームで刺されて犠牲フライならず。逆に楽天は、調子こんで2イニング目のマウンドに上がった西武・岡本をとらえ、本塁打→安打→代走出して盗塁成功→安打→犠飛で2点奪取。再逆転して最終回へ。

<8回に見られたプロの技>
★西武・原:足おせーよw
★西武・中継ぎ陣:貫録の被弾、貫録の被安打、貫録の負け越し
★西武・星:自分がベンチ入りしている最後の捕手なのに、審判をどついて退場
★西武ベンチ:退場した星孝典に代わり、星秀和を捕手に起用
★西武ベンチ:もう負けてるのに、守護神のはずの涌井をマウンドに送るという、博打で負けが込んで熱くなった人みたいな采配

↓何でキャッチャー4人もいるのに足りなくなってんだよwww



星捕手に代わって星捕手!

ほしほしゅにほしほしゅをほじゅう!


●9回
西武は中島の何だでもないファーストファウルフライ、中村の三振、秋山のゴロとテンポよく攻撃終了。無駄に時間はかかったが、序盤で6点のビハインドを背負った試合を、負けて終わる。

<9回に見られたプロの技>
★西武・中島:それにしても打たねーなオイw
★西武・中村:それにしても打たねーなオイw

↓いろいろありすぎて笑うしかない試合のハイライト動画はコチラ


まぁ、楽しく野球ができてよかったんじゃないですかね!

雨で終わるよりは盛り上がったと思います!

もう、家に帰ろう

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「序盤6失点した西武が負けた」と書けば、しごく順当な結果です!