引き続いて名古屋港サッカー場。
第2試合はプレミアリーグイーストの第2節だ。
名古屋グランパスがホームに東福岡高を迎える。

名古屋は第1節が7月15日の開催。本日が初戦である。
本来はUAEの国際大会に参加する予定だった。
海外からバルサ、マンU、ローマと名古屋が参加し、費用は主催者負担。
という条件が「少し出せ」という話になったのだそうです。
そこで欧州組が相次いで大会参加を辞退し、名古屋も同調。
ただ既に確定した日程を動かすことはせず開幕を1週遅らせた。

「今年は東福岡がいいぞ」という話を春先から聞いている。
第1節は京都サンガに1−3で破れた。
ただ楽しみにしていた福本将也がU-18代表に抜擢。
名古屋のハーフナー・ニッキと共に不在である。

名古屋グランパスU18
GK 16 板倉徹汰  95.04.26 178/84 名古屋グランパスU15
DF  6 真柄俊作  95.01.15 177/58 名古屋グランパスU15
    2 大谷亮介  94.04.06 181/63 名古屋グランパスU15
   20 中島康輔  95.10.11 178/68 名古屋グランパスU15
    3 樫尾和明  94.06.25 178/71 名古屋グランパスU15
MF  8 金来遠   95.05.24 175/66 名古屋グランパスU15
    5 富田亮輔  94.07.17 168/61 名古屋グランパスU15
   22 桜井昴   96.06.20 174/70 名古屋グランパスU15
   10 森勇人   95.04.21 171/66 名古屋グランパスU15
   17 曽雌大介  95.04.04 166/61 名古屋グランパスU15
FW  9 北川柊斗  95.06.01 178/67 名古屋グランパスU15

−−−−−−−北川−−−−−−−
−−曽雌−−−-森-−−−桜井−−
−−−−−富田−−-金-−−−−−
−樫尾−−中島−−大谷−−真柄−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−板倉−−−−−−−

■リザーブ:
GK  1 渕上大樹  94.11.27 184/72 名古屋グランパスU15
DF 18 大森史裕  95.05.25 182/65 長野市立東北中
MF  7 野崎椋   94.08.03 182/67 名古屋グランパスU15
MF 11 岩田考弘  94.07.29 174/63 名古屋グランパスU15
MF 23 笹沼孔明  96.05.30 172/59 名古屋グランパスU15
FW 12 青山貴浩  94.06.15 172/66 名古屋グランパスU15
FW 25 青山景昌  96.10.14 167/57 名古屋グランパスU15

東福岡高校
GK  1 岩崎知瑳  95.01.08 187/78 FC佐伯 S-play・MINAMI
DF 13 石田海土  94.11.19 177/70 わかばFC U-15
    4 藤澤廣明  94.06.03 180/70 わかばFC U-15
    2 徳市寛人  94.06.22 174/65 アビスパ福岡U-15
    6 矢田康介  94.12.06 174/63 但馬SCリベルテ
MF 21 草野昂希  95.07.12 172/62 小倉南FC
   16 阿部敬太  95.05.11 172/62 スマイス・セレソン
    8 中津駿   94.07.14 173/62 ルーヴェン福岡FC
   18 松田天馬  95.06.11 164/57 熊本ユナイテッドSC
    9 山崎康太  94.04.92 173/66 長崎レインボーSC
FW 22 金ヨダン  95.08.06 177/70 東福岡自彊館中

−−−−−−−-金-−−−−−−−
−山崎−−中津−−阿部−−松田−
−−−−−−−草野−−−−−−−
−矢田−−徳市−−藤澤−−石田−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−岩崎−−−−−−−

■リザーブ:
GK 25 馬渡洋樹  94.08.16 189/79 福翔トナカイFC.U-15
DF  3 串間裕亮  94.10.21 180/70 TINO Football Academy
DF 15 熊本雄太  95.07.18 187/75 川崎FC
MF  7 星本健太  94.11.08 173/66 ルーヴェン福岡FC
MF 11 廣田真也  94.04.14 175/64 筑後FC
MF 19 池辺龍次朗 95.07.16 165/59 FCグローバル
FW 30 中島賢星  96.09.23 182/71 アビスパ福岡U-15

名古屋はスタメンに3年生が4名しかいない。
高円宮杯U-15を制した2年生が6名と最大勢力だ。
この世代は宮市剛、石田雅俊、杉本太郎と外に出た選手も代表になった。
名古屋にとって「黄金世代」なのかもしれない。

東福岡も2年生をスタメンで4人起用している。
松田天馬は全少で大活躍した選手ですね。
彼を生で見るのは西が丘の準決勝以来である。
中島賢星はアビスパU-15時代にプレミアへ出ていた。
更に遡るとマリノスのアカデミー出身。父の転勤で福岡に引っ越した。
東福岡高に入学し開幕戦は途中出場。今日もベンチ入りしている。

7分、名古屋は中島康輔に警告。

8分、東福岡は右サイドから松田天馬が右足ライナーでFKを入れる。
石田海土がヘッドを合わせるも枠外。

12分、東福岡は中盤中央から右サイドに展開。
石田海土は縦に抜け出してクロスを入れる。
中津駿がゴール前に詰めるが打ち切れず。
金ヨダンは脇をフォローしてボールを下げる。
阿部敬太がエリア外から右足ミドルを叩き込んだ!
<東福岡高 1−0 名古屋グランパスU18>

「東福岡は強いぞ」という序盤である。
布陣は伝統の4−1−4−1。
外に大きく開いた両ウイングが特徴だ。
松田天馬、山崎康太は一気に縦へぶち抜くタイプではない。
柔軟なボール操作、キープでDFを食いつかせられるタイプだ。
縦に抜けたり、エリア内に切れ込んだり、中に叩いたり…。
色んな選択肢を持てるタイプである。
インサイドの3人も魅力的だ。
草野昂希、阿部敬太はどちらも2年生で、線が細い。
ただファーストタッチで相手を外す上手さがある。
いい場所に立って、いい場所にボールを置ける。
密集を細かくパスワークが得意で、外にも大きく振れる。
草野が早いタイミングで縦に当てるのも効いていた。
「中と外が生かしあう」という相関関係が成立。
名古屋グランパスは「潰しどころ」を見出せない。

更に右SBの石田海土は得意のドリブルで攻めあがってくる。
1トップの金ヨダンも気の効いた動きが出来る。
高い位置でボールを収めて配れるし、スペースを空ける「配慮」がある。
中津駿は中盤からエリア内によく顔を出す。
東福岡の良さが開始15分にして早くも「全開」だった。

21分、名古屋は富田亮輔に警告。

31分、東福岡は草野昂希が1タッチで左に開く。
山崎康太は縦に抜けて折り返す。
金ヨダンがニアで強いボールを抑えてシュート。
名古屋DFがブロックして枠外。

33分、東福岡は中津駿が右サイドに展開。
松田天馬が縦に運んで、名古屋のDFに寄せられつつ振り切る。
松田は切り返しから左足シュートを狙う。
決定的だったけど右ポストに嫌われた。

前半は東福岡が圧倒する展開だった。
公式記録を見ると、シュートの本数が「18対2」である。
その全てが決定機では無いけれど、
名古屋がとにかく一方的に押されていた。

試合は1−0と東福岡がリードして後半。

45分、東福岡は金ヨダンが前線でファウルを受けながら裏に落とす。
中津駿は裏のスペースに抜け出して左に落とす。
山崎康太がエリア左から左足で狙って決定的だった。
しかしGK板倉徹汰がキープする。

45分、名古屋は大谷亮介に警告。

48分、東福岡は阿部敬太が右サイドから折り返し。
中津駿がセカンドボールに詰めて決定的だった。
しかし中津のシュートはバーに弾かれる。

後半の最初も東福岡ペースだった。
東福岡が攻めていた理由はまず「守備」にある。
ファーストディフェンスがとにかく果敢。
奪われたらすぐ切り替えて「逆プレス」に来る。
前からどんどん追うハードプレスを敢行していた。
それが好循環を生み、セカンドボールを取り捲っていた。
最終ラインにも「踏み込んで奪える」選手がいる。
徳市寛人、矢田康介の機動力、奪取力が出色だった。
名古屋の攻撃が封じられ、東福岡のショートカウンターが効く。
一言でいうならそういう構図だった。
名古屋の攻め手は森勇人の個人技に限られていた。
北川柊斗は全く何も出来ない前半だった。

ただ積極果敢なプレスは、消耗と裏腹である。
90分の持続はなかなか難しい。
「スペースが空く時間」に、名古屋の郄田哲也監督がカードを切る。

54分、名古屋は曽雌大介→岩田考弘。
岩田は左利きのドリブラー。そのまま左サイドハーフに入る。

54分、名古屋は森勇人に警告。

59分、東福岡は山崎康太→星本健太。

61分、名古屋は中島康輔がドリブルで運んで右から中に当てる。
北川柊斗は少し溜めて左に叩く。森勇人が外に落とす。
岩田考弘はすぐ打たずにエリア内に切れ込む。
最後は個人技でマークを剥がし、左足で叩き込んだ。
<名古屋グランパスU18 1−1 東福岡高>

64分、名古屋は金来遠に警告。
名古屋は今日の試合だけで5枚の「カレー券」を受けた。
東福岡の突破に苦しんでいたように思う。

試合は残り20分。
東福岡は最終ライン、中盤が前に出られなくなっていた。
セカンドボールを取れるようになった名古屋が反攻に出る。

68分、名古屋は金来遠が左中間にスルーパス。
岩田考弘がエリア内に抜け出して左足シュートを狙う。
1対1だったけどGK岩崎知瑳がブロックする。

岩崎知瑳は187cmの長身GK。
あまり飛び出すタイプではないし、声ももう少し出して欲しい。
ただこの反応は良かったし、左足のキックがとにかく素晴らしかった。

70分、名古屋は桜井昴がエリア右にスルーパスを通す。
森勇人がゴール右からシュートを狙う。決定的だったけど枠外。

77分、東福岡は金ヨダン→中島賢星。
中島はそのまま1トップに入る。

82分、東福岡は阿部敬太が右サイドからふわっと斜めに入れる。
星本健太がゴール前に抜け出して1対1の決定機だった。
しかしGK板倉徹汰がよく飛び出してシュートブロック。

84分、名古屋は金来遠→青山景昌。
この交代で森勇人がボランチに下がる。

86分、東福岡は矢田康介→廣田真也。
東福岡の最終布陣がこう↓
−−−−−−−中島−−−−−−−
−星本−−中津−−阿部−−松田−
−−−−−−−草野−−−−−−−
−廣田−−徳市−−藤澤−−石田−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−岩崎−−−−−−−

88分、名古屋は樫尾和明→野崎椋。
名古屋の最終布陣がこう↓
−−−−−−−北川−−−−−−−
−−桜井−−-青山景-−−岩田−−
−−−−−-森-−−富田−−−−−
−樫尾−−中島−−大谷−−野崎−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−板倉−−−−−−−

アディショナルタイムは3分。

93分、名古屋は左CKを森勇人が右足で狙う。
海風に乗って、GKの頭上を襲う。
触れなければゴールインだったけど、
GK岩崎知瑳がぎりぎりでブロックする。

森勇人はこういう「抜け目の無さ」がある選手。
直接狙ったのは今日2度目だった。

そのまま試合終了。
東福岡は試合を優勢に進めつつ勝ちきれず。
ただ観戦者として「面白さ」の伝わってくるチームでした。

両監督のコメントです。
●森重潤也監督(東福岡):
本山たちがいた時代は、両サイドに槍みたいな奴がいた。
今はそういうタイプでない選手が、各ポジションにいる。
個の特徴を生かしながら、我々の目指すサッカーに合っていけばいい。
失点した場面は「個」で剥がされてしまった。
だからこそチームで守備をするという部分も強調していく。
ファーストディフェンスが無ければ、こちらの抑えどころがなくなってしまう。
スタミナが無くなってくる選手もいると思います。
ただそれをやらなければ、ウチはJのチームに勝てない。
出し切るというか、限界に近いところで彼らは伸びるだろう。
プレミアはメンバー交代が5人出来るので、
90分のゲームプランを考えなければいけないなと思います。

中島賢星は年代の代表にも呼ばれてますし、
アビスパの時に中学生ながらプレミアでも出ていた選手。能力は高いと思います。
ただウチのサッカーへの適応、コンビネーションという部分で、まだ時間が掛かる。
彼にはどんどん経験を積ませて、そういうところを解消して欲しい。

今日も昨日も授業だけど、しっかり公欠扱いでやってもらってる。
交通費は協会の補助がありますし、足りないところは学校が出してくれる。
学校から大変な協力をしてもらっている。
だからこそ、こういうところでも何とか勝ちたい気持ちが強い。

●郄田哲也監督(名古屋):
後ろの4枚は、初の公式戦と言ってもいいくらい。
ガチガチだろうな?と思ってはいたんですけどね。
予想以上にガチガチで、空回りしていましたね。
まぁでもこういう経験を重ねないと強くならない。
ニッキは中心なんですけど、代表などでいない試合も出てくる。
名誉なことだし、僕は「行くな」とか一切言わない。
逆に他の奴にとってはチャンスですからね。

相手に合わせると、ウチのサッカーが出ない。
自信を持ってボールを動かせと、ハーフタイムには指示をした。
後半は風上にもなったのはあるんですけど、
両サイドハーフのところでしっかりボールが収まった。
相手も足も少し止まってきたので、
裏を突けばいけるかな?というのはあった。
前半のやられ具合を考えたら、よく1−1で収まったと思う。
サンフレッチェでも、東福岡ほどゴリゴリ来るってことはなかった。
選手がもしかして面食らったところはあるかもしれない。

今日に合わせてやってるわけではない。
夏、冬にしっかり結果を出せるよう、
成長する過程の中でプレミアを考えている。
もちろん勝負にはこだわらせたいですけど、
色々な選手を使いながら、個のレベルを上げていきたい。
1、2年生が多いので、来年にもつなげたい。